3月7日、池田純氏がB3リーグ「埼玉ブロンコス」のオーナー兼取締役に就任することが発表された。埼玉ブロンコスは、1982年にマツダオート東京のバスケットボール部としてその歴史をスタート。その後、実業団、bjリーグで活動してきた老舗チームだ。bjリーグ発足に参加した「オリジナル6」として知られる名門だが、bjリーグ時代から成績は下位に低迷。現在は、B3リーグで戦っている。

池田氏は現在、さいたま市が産み落とした一般社団法人さいたまスポーツコミッションの会長を務める。さいたま市の清水勇人市長が公約として掲げる次世代型スポーツ施設、アリーナのコンテンツとしてバスケットボールに目をつけたという。埼玉はサッカーのイメージの強い県だが、実はミニバスケットボールの競技人口が日本一。当初池田氏は、新しいチームを創ることも考えたそうだが、地元チームであるブロンコスの再建の道を選んだ。全国的にはほとんど知られていない埼玉ブロンコスだが、地元ではそれなりの知名度があるのだという。

「埼玉県民ならブロンコスの名前は知っていると思いますよ。ブロンコスのファンは実は熱狂的ともいわれています。でも横浜での、私が球団社長になる前の再生前のベイスターズと同様、チームも経営も低迷し続けてしまっていて、みんな足が遠のいてしまっている。応援したくても、できない状態になっているんです」

スタートは多難だ。債務もあるし、経営はもちろん赤字。このままだと存続すら危うい状態だ。

「本来なら、横浜出身のよそ者の私ではなく、埼玉、さいたま市の地元の方が立て直しをすべきだと思うんですが、そういう声があがってこない現状に困惑しました。それで、だったら私がやりましょうとなったわけです」

かつて赤字の不人気チームだった横浜DeNAベイスターズを初代球団社長としてチケットがとれないほどの人気チームに導いた池田氏。埼玉ブロンコス復活のシナリオを訊いてみた。

「いまは新型コロナウイルス問題でリーグが中断していますが、いまのシーズンが5月に終わります。だから本格的に動き出すのは6月からになるでしょう。私としては、まずかつてのブロンコスファンと認知のある方々のバスケ魂に火をつけたいと思っています。そしてなにより重要なことは、“口も出すけど、金も出す”こと。さいたまの経済界の、さいたま市や所沢市の方々に、見放されていた地域のプロスポーツクラブに自分ごととして向き合って、支えてもらえるかが肝だと思っています」

地域に密着したスポーツが盛り上がれば、地域も自然と盛り上がる。池田氏の新しいチャレンジにこれから注目していきたい。




取材協力:文化放送

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VictorySportsNews編集部