新型コロナウイルスの感染拡大により、プロ野球は開幕が3月20日から延期となり、4月3日に行われた代表者会議でも「開幕日の設定困難」との見方を示し、いまだ今後が見通せない状況となっている。2016年シーズンまでベイスターズで球団社長を務めた池田氏は「自分がいた世界なので、いつ開幕するのだろうということが今、一番気になっていますね。果たして開幕することができるのだろうか?」と、開幕を待ちびながら成り行きを見守っている。

そんな中で思い出したというのが、ベイスターズの球団社長時代にほかのセ・リーグ5球団の社長と訪れた北海道・知床。釧路球場の視察と組み合わせた“懇親旅行”だった。

「プロ野球の世界に入った当初、12球団ないしは各リーグの6球団の社長が一堂に会する機会がありませんでした。私は当時35歳と一番若かったので、ホットラインを持っておかないとと思い、関係づくりの意味合いもあって、毎年1回旅行に行くことになったのです。私が圧倒的に一番若いですし、まさにツアーコーディネーターのごとく、私が全部手配して。やはり、今回のようなコロナウイルスの問題なども起こり得ますし、何かの公の会議で集まっている時に発言すると新聞記者さんもいるので、なかなか難しい。いつでも電話で話せるよう親睦を深めておけるような関係であったほうがと思い、渾身の企画を毎回練り上げていました」

台湾、韓国などを訪問し、球団社長として最終年となった2016年の3月には知床でクマを見るツアーを企画。その際に宿泊したのが、今回紹介する『北こぶし知床 ホテル&リゾート』だった。

「これは、なかなかいいですよ。セ・リーグの社長たちが泊まって、夜に会食して、次の日にクマをみんなで船に乗って見に行く。大先輩たちも『いいな、これ意外に』と喜んでくれました」

ホテルは、大きな窓から行き交う漁船や観光船、遠く水平線を埋め尽くす流氷原などが見渡せる展望大浴場「大海原」に、オホーツク海に浸かっているような錯覚に陥る露天スペース「汐音(しおん)」と温泉施設が充実。ほかにも足湯を楽しめる施設「流氷テラス」(※)や知床半島の野生鹿などからなる創作コース料理を味わえる「Grill Shiretoko」などがあり、池田氏は「施設がすごく立派で、食事もおいしくて、温泉もとても良い」と絶賛する。

「少し寂しい感じの、何かが流れ着いてきそうな雰囲気のある漁港から、社長たちがクマを見に、連れだってツアーの船に乗っていく。ほほえましい光景ですよ。クマのほかにも、オオワシが飛んでいたり、雄大な景色が見られたり。すごく良い旅行になり、親睦も深まりましたね」

プロ野球史上最年少の35歳で球団社長に就任し、球界で確固たる地域を築き上げた池田氏。プロ野球界にスポーツエンターテインメントビジネスという概念を持ち込み、観客を楽しませることに心を砕いたその哲学は、こんな場面でも発揮されていたようだ。


※現在、「流氷テラス」は一部客室の改装工事に伴う足場設置のため下記日程で閉鎖中。
 2020年3月1日(日)~2020年4月23日(木) (予定)




【北こぶし知床 ホテル&リゾート】
■住所
〒099-4355 北海道斜里郡斜里町ウトロ東172番地

■TEL
0152-24-2021

■アクセス
女満別空港から車で約1時間50分、バスでウトロバスターミナル下車徒歩5分

北こぶし知床 ホテル&リゾート

取材協力:文化放送

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文化放送「池田純 スポーツコロシアム!」
月曜後6・45〜7・00、Podcastで拡大版配信中
パーソナリティ:池田純
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池田純著『横浜ストロングスタイル』好評発売中
~ベイスターズを改革した僕が、
 その後スポーツ界で経験した2年半のすべて~
<本体1,400円+税/文藝春秋>
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北こぶし知床 ホテル&リゾート 公式サイト

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VictorySportsNews編集部