「全て終わってしまった」監督解任からの数日間

―監督が解任されてから、どのように過ごしましたか。
丹羽:解任されて、次の日から練習参加していいのかわからず、クラブの人に聞いたら、「一応来てくれ」と言われたので行ってみたら、ロッカールームが物凄い空気でした。前監督がクラブハウスに挨拶に来ていたのですが、会長がそれを止めて小競り合いが起こっていましたね。

―なぜですか。
丹羽:日本だと、解任された監督が挨拶に来るのは当たり前なのですが、会長は「解任した監督と選手は会わせない」と言って、結局挨拶はせずに前監督はそのまま帰ってしまいました。
そして、僕らが戸惑っている中、監督以外のスタッフがロッカールームに入ってきて、暗い雰囲気の中、ヘッドコーチが「監督が解任になって、責任を取って俺も辞めることにした」と言い、そこにいたスタッフ全員が「辞める」と次々に言って、スタッフ全員がその日に辞任してしまいました。
その後、新しい監督が入ってきて、「今日からよろしくお願いします」と言われて、もうこれは漫画みたいな世界だなと思いましたね。
それから、練習の用意やウォーミングアップ、ボール回し、ミニゲーム、キーパー練習など、全て監督一人でやっていました。
僕は、この状況をチャンスだと思い、新しい監督の元で頑張っていれば、枠もまだ空いているし、契約してもらえるだろうと思っていたのですが、次の試合の前日に、いきなり新しい選手が入ってきて、練習でプレースタイルやポジションを見ていたら、その選手は僕と同じポジションのセンターバックの選手でした。
そして、その日練習が終わった後、GMに呼ばれて、「残留争いをしているチームの即戦力かどうかを考えると、同じ言葉を喋れて、プレースタイルも他の選手が知っている選手を取る」と言われて、その日に全てが終わってしまいました。

―そんなことがあったのですね。
丹羽:僕は、2月1日以降は、他の選択肢がなかったので、このチームで頑張ろうと思っていたのですが、そこで全てが終わってしまいましたね。

―何週間くらいいたのですか。
丹羽:5週目で駄目になりました。

「いろいろな繋がりを辿った」セスタオリーベルクラブと出会うまで

―それからどうしましたか。
丹羽:間に入ってもらっていたスペイン人の代理人がいたのですが、「今この状況でここからチームを探すのは厳しいよ」と言われました。「2月の中旬で枠が空いているチームしか入れなくて、しかも年齢も35歳の日本人の選手が入れるチームは相当限られてくる」と言われたので、そのスペイン人と今後、チームを探すことはできないと思い、その日にお別れをしました。
それでも、僕は諦めることなく、チームを探そうとしていた中、たまたま僕の親友でもある乾貴士選手のご飯を作っていたシェフの奥さんが働いているレストランのオーナーが元サッカー選手で、そのオーナーの知り合いが今の僕のクラブであるセスタオのGMと繋がっていました。

―すごいですね。
丹羽:3月1日にセスタオのGMから「どんな人間か知りたいからZOOMで話そう」と言われ、監督とGMと通訳の方と4人でお話しして、次の週に練習参加することになりました。
本当に、貴士、シェフの奥さんには感謝しています。

―怒涛の2月でしたね。
丹羽:2月はいろいろありましたね。監督解任でスタッフが全員辞任。新しい監督が一人で来て、新しい選手を取る。そこから1週間宙ぶらりんの状態で、代理人とのお別れ。
そこからセスタオのGMと繋がり、セスタオに練習参加することになるという濃い1ヶ月でした。1月の登録期限までのバタバタがあって、「やっと大丈夫だ」と思っていたら、全ての話が無くなったりと、怒涛の日々でしたね。

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VictorySportsNews編集部