Jクラブとしてのノウハウや本拠地パナスタをフル活用!スポーツ界を担う人材の育成を目指す
クラブ史上初の取り組みとなった『ガンバ大阪サッカービジネスアカデミー』では、スポーツ界の将来を担うビジネス人材の育成を目的としている。募集要項では、参加対象を以下のように定めている。
・社会人(サッカー業界への転職、または本業のスポーツ部門への異動希望者)
・Jリーグなどプロスポーツクラブ運営実務者
・行政関係者(スポーツ事業部門担当者もしくは左部門への異動希望者)
・スポンサー、パートナー企業などガンバ大阪とビジネスパートナーシップを検討している企業担当者
・サッカービジネスに携わりたいと考えているビジネスパーソン
同アカデミーでは、豪華講師陣によるオンライン講義やクラブのホームスタジアムである「パナソニックスタジアム吹田」で行われる実施企画(防災を楽しく学び、体験する「パナスタ防災キャンプ」や、SDGsの認知向上を目的とした「ガンバ大阪SDGsクイズ」)など、座学で学んだ知識を活かして受講生自らが企画を立案し、実行まで行う。このように、GBAは単なる知識のインプットだけにとどまらず、実際に現場を体験し、集客や地域との価値を提供する一連の経験ができる。
経営企画担当課長と1期生が語る『GBA』の魅力とは?キーワードは「実体験」と「共創」
2021年に開講したGBAだが、J2の東京ヴェルディは2019年5月から「スポーツを教材にビジネスを学ぶ」をコンセプトに、『ヴェルディカレッジ』を設立。このように、Jクラブでは社会人や学生に向けてスポーツビジネスを学ぶ機会を提供する動きが見え始めている。そんな中、GBA独自の魅力や特徴、今後のビジョンについて、ガンバ大阪経営企担当課長の阪本直樹氏にインタビューを実施した。
提供:ガンバ大阪-『ガンバ大阪サッカービジネスアカデミー』ならではの強みは何か?
阪本氏:ガンバ大阪はクラブ創立30年を迎えて、サッカービジネスで培ってきた経験と実績を活かし、「新たな価値を共に創るクラブ」を目指し、独自の共創プラットフォームの構築に挑戦をいたしました。育成のガンバが誇るノウハウを活かし、サッカー専用スタジアムの「パナソニックスタジアム吹田」を活用した独自カリキュラムを通じて、多くの共創プロジェクトを実行しております。オンライン講義とフィールドワーク(リアルの場)で学ぶことができるハイブリッドなビジネスアカデミーであるのが特徴です。オンライン講義では、スポーツ業界を含む様々な業界で実績のある講師陣からマインドセット、集客、PR、スポンサー、シャレン、国内外スポーツ事情等、スポーツビジネスを体系的に学ぶことができます。フィールドワークではホームスタジアムでのイベント企画を受講生が立案し、実行まで結びつけることで、サッカービジネスのリアルを体験することができます。
実際、阪本氏が語ってくれたようにフィールドワークで前述の防災体験やSDGs企画以外にも、リアルタイムで解説を聞きながら試合を観戦する「CHEERPHONE」や限定特典、VIPルームの特別装飾など、新たな顧客体験の創出を提供する「ガンバ大阪プレミアムチケット」など多くの企画を実施している。
-アカデミーが抱く今後のビジョンは?
阪本氏:これまでは、企業とスポーツクラブが相互に価値をやり取りする価値交換型が主流であったが、これからは多様な主体とスポーツクラブが共創し、共に価値を向上させていくことが求められると考えております。GBAの取り組みでは、ガンバ大阪が新たな価値を共に創るクラブとなる事で「共創プラットフォームの中心」として、機能をしていきたいと考えております。
また、実際に1年間GBAを受講してきた1期生に話を伺うと、普段の社会人生活では得られないような特別な価値を見出しいていた。
-『ガンバ大阪サッカービジネスアカデミー』を受講する前と受講した後で、自身の意識や業務内容など最も変わったことは?
1期生:講義の中で、スポーツクラブの周りに取り巻くステークホルダーの存在が3つの視点(行政、企業、非営利)で関わりそれらが共創して成立している仕組みを知れたことがとても印象に残っています。物事を考える際に、より多くの視点からどのような関わりが出来るか、何を生み出すことが出来るかを考えるようになりました。GBAで実施企画を組み立てていく際も、その経験を活かし、我々の発案に対してそれぞれ3つの視点から捉えていたので、明確な目的を決めることができ、その目的に対して適したアプローチが出来ました。この考え方はスポーツビジネスだけではなく、日常の会話の中であったり日々の業務において営業の戦略を立てる際にも、大変に役に立っており、スムーズなコミュニケーションと成果を得ることができました。
-『ガンバ大阪サッカービジネスアカデミー』の良さは何か?
1期生:GBAには色々な業種から参加されているメンバーがいるので、仲間との出会いが本当に貴重です。さらに一流の講師の方からのスポーツビジネス講義の学びも多くあり、学びだけではなく、その学びを踏まえて実践まで行えるところに価値があると思います。これはなかなか経験できることではないので、良い機会だと思います。
このように、実績のある講師による講義やフィールドワークでの実体験、様々な年代や業種との交流がGBAに参加することで得られるようだ。また、現在募集を行っている第2期募集動画では、1期生が実際に来場されたサポーターに販売を行うことで「物を売ることの難しさを知ることができた」とコメントしている。
また、「職場以外でのコミュニティができたことが良かった」と語る受講生も見受けられるなど、GBAは単なるアカデミーだけではなく、人と人を繋ぐコミュニティの役割も担っているといえる。講義での学びを活かし、フィールドワークでしか感じることのできない体験をもって、人との繋がりも作ることができる環境は、受講生にとって非常に満足度の高い取り組みであるといえるだろう。
阪本氏によると、1期生の年齢層は20代から60代となっており、地方の職員や、大手企業の社員など、サッカー界の外から、多様な社会人が参加し、関西圏外からの参加者もいたという。このように、スポーツビジネスの枠にとどまることなく、多様な視点で多くの課題解決を実現し、Jリーグ初、そしてガンバ大阪初の企画が実行されるなど、クラブにとっても大きな財産となったという。
さらに、クラブが受講生と共にステークホルダーを巻き込みながら魅力的な活動を行うことで、新たな価値を生み出し、新規のファン・サポーターの獲得にも繋げることができるだろう。1期生からの評価も高く、遠方からの参加者もいるだけに、今後のGBAからどのような人材が輩出されるのか期待がもてる。
ガンバ大阪勤続歴30年。裏方としてクラブを支え続ける男のこれまでとこれから 「お客さんが少ないので、練習試合ですか?と聞かれたこともあった」
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ガンバ大阪サッカービジネスアカデミー 公式サイトより