箱根駅伝新スター候補をチェック

國學院大学・野中恒亨(3年、静岡・浜松工業高校出身)

 箱根駅伝初優勝を目指す國學院大学のキーマンだ。1年目は三大駅伝への出走は叶わず。しかし、そこから快進撃が始まり、2年目の駅伝シーズンは出雲で4区区間賞、全日本で5区区間賞を獲得。いずれもチームの優勝に大きく貢献した。

 そして今季、その強さはさらに際立っている。出雲の3区では、留学生と互角に渡り合い、先頭と5秒差の区間2位で襷リレー。城西大のエース、ヴィクター・キムタイと9秒差の区間2位で、チームの2年連続優勝を力強く後押しした。続く全日本の3区では、7位で襷を受け取ると快走を披露。31秒あった先頭との差を一気に縮め、トップの駒大と1秒差の2くらいまで順位を押し上げた。創価大の留学生、スティーブ・ムチーニを1秒上回り、見事に区間賞を獲得。11月には10000mで日本学生歴代6位の27分36秒64をマークし、トラックでも確かな実力を示している。箱根駅伝をあわせて、三大駅伝区間賞制覇に期待したい。

帝京大学・楠岡由浩(3年、熊本・慶誠高校出身)

 中学時代はサッカー部に所属し、高校から長距離に転向して全国トップクラスまで成長した。高校3年時にはインターハイ5000mで9位、国民体育大会少年男子A5000mでも3位に入った実力者だ。大学入学後、1年時は怪我に苦しんだものの、2年時には出雲、全日本、箱根の三大駅伝すべてに出場している。

 そして3年時に入り、蓄えてきた力を一気に開花させている。出雲では有力選手が揃う1区を任され、区間3位。全日本では2区で区間記録に並ぶ快走を見せ、区間賞を獲得した。各校のエースが集う中、トップと12秒差の13番手で襷を受け取ると、途中で先頭に立ってレースを動かし、最終的には2位まで順位を押し上げた。さらに、その2週間後の記録会では、帝京大史上初となる10000m27分台をマーク。前回の箱根では5区区間17位と悔しい結果に終わったが、今回はこの勢いのまま区間賞を狙えるだろう。

早稲田大学・鈴木琉胤(1年、千葉・八千代松蔭高校出身)

 中学時代から世代屈指のスピードランナーとして注目を浴びてきた大型ルーキーだ。中学3年時にはサッカー部に所属したまま、男子3000mで全国優勝を成し遂げている。

 高校進学後も1年時からトラック種目や駅伝で活躍。3年時にはインターハイ男子5000mで、日本勢トップとなる2位に入り、冬の全国高校駅伝ではエースが集う最長区間の1区(10km)を任され、日本人歴代最高タイムで区間賞を獲得した。

 さらに大学入学直前の3月下旬には、オーストラリアで行われた5000mのレースで、高校歴代2位となる13分25秒59のタイムを叩き出している。積極果敢なレーススタイルが最大の持ち味。今季前半から、学生個人選手権や関東インカレ5000mでともに2位に入るなど、早くも大学トップレベルで存在感を示している。初の大学駅伝シーズンも、出雲3区区間5位、全日本2区区間4位と高水準の走りを披露。絶対的なスピードと度胸のあるレース運びを武器に、チームに勢いをもたらす存在だ。

駒沢大学・谷中晴(2年、福島・帝京安積高校出身)

 駒澤の“次世代エース”と期待されるランナー。大学入学前に怪我をして、大学でのレースデビューこそ遅れたが、復帰戦となった5000mのレースで13分49秒71の自己ベストで大会トップのタイムをマークした。その勢いのまま、全日本では4区で区間3位と好走。箱根では3区を任され、同学年の早稲田大・山口竣平選手から猛追されるも、意地の走りで順位を守り抜き、1秒差で中継所に先着。区間6位の走りで5位から4位へと順位も上げ、堂々たる箱根デビューを飾った。

 2年目の出雲では、実力者が揃う1区に抜擢され、先頭と2秒差の区間2位で襷リレー。全日本では序盤のエース区間である2区を任され、先頭と1秒差の4番手でスタート。先頭集団のハイペースな展開に食らいつき、ラストスパートでは離されたものの3番手で襷をつないだ。区間3位の好走で1区からの流れを維持し、チームの2年ぶりの優勝に貢献している。箱根でも主要区間に配置されるだろう。

上位に食い込みそうな“ダークホース校”は…?

 今年の箱根駅伝は、3連覇を目指す青山学院大を筆頭に、出雲駅伝優勝の國學院大、全日本大学駅伝優勝の駒沢大を中心に、前回大会4位の早稲田大学、同5位の中央大学も加わった優勝・表彰台争いが予想される。

 そんな中でダークホースとして注目したいのが、19年連続27度目の出場となる帝京大学だ。前回大会は、10区のゴール直前まで東洋大、東京国際大、順天堂大、帝京大の4校が残り3つのシード権を争う大混戦に。帝京大はその激闘の中、シード権ギリギリの総合10位に滑り込んだ。

 帝京大は今季、 「世界一諦めの悪いチーム」を合言葉に戦っている。主力だった前4年生が卒業し、戦力ダウンも予想されたが、出雲は総合8位、全日本では6位と着実に結果を残してきた。絶対的なエースこそ不在だが、楠岡由浩、島田晃希らを中心に持てる力を発揮すれば、チーム目標の“5強崩し”も十分に射程圏内だ。


VictorySportsNews編集部

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