民族衣装で全員集合のオクトーバーフェスト

オクトーバーフェストは、もともとビールの醸造シーズンの幕開けを祝う祭りで、その起源は古い。今のような大きなお祭りになったのは200年ちょっと前から。バイエルン王国の王太子ルートヴィヒとザクセン皇女テレーゼの結婚式が、ちょうど祭りのある10月に行われたのがきっかけだ。ミュンヘン市民はふるまいビールで盛大に祝い、歌えや踊れやの大騒ぎをした。それが時を超え現代に引き継がれている。今では600万人以上の来場者が700万リットルのビールを消費する一大イベントに成長した。

さて、バイエルン・ミュンヘンの面々だが、大型スポンサー参加の一大イベントに協力するのは当然の事。選手も監督もお偉方も、皆「正装」で集合する。「レーダーホーゼン」というひざ丈ほどの皮製のズボンにサスペンダー、ポケットや胸当て、裾には素敵な刺繍が施されている。白あるいはチェックのシャツにクラシックなジャケットと帽子を合わせることもある。足元はハイソックスだ。ちゃんとひざ下まで伸ばして履きたい。会場周辺には衣装のレンタル屋さんもたくさんある。

パートナーの女性は、「ディンドゥル」という民族衣装を着る。ブラウス、ドレススカート、エプロンの三点セットで、これでもか！というくらい胸が強調される。老いも若きも、スタイルのいい人も、そうでもない人も、みんな着るので勇気をもってトライして欲しい。

一人参加でも別にいいのだが、カップルでないといまひとつ格好がつかないのが、このオクトーバーフェスト。パウラーナー社の特設テントでは着飾った面々を1リッタージョッキが待っている。

パウラーナーのヘフェ・ヴァイスビア

バイエルン・ミュンヘンとパウラーナー社の付き合いは10数年ほど。ともに伝統あるブランドとして『ミュンヘン・オリジナル』を謳っている。パウラーナーはミュンヘン6大醸造所のひとつで、1634年に創業。白ビール(ヴァイスビア)の売上は、ドイツ国内でナンバーワンだ。

Paulaner Hefe-Weißbier
醸造所： Paulaner Brauerei
原材料：麦芽、ホップ
タイプ：ヘフェヴァイツェン（上面発酵）
Alc. 5.5%
公式HP：https://www.paulaner.com/

ラベルに描かれている横向きの男性は、修道士。パウラーナーの醸造所は、“パオラの聖フランチェスコ”を信仰するキリスト教修道会が設立した「パウラーナー修道院」がもとになっているからだ。修道士たちのビール作りが現代に継承されているわけだ。

「ヘフェ・ヴァイスビア」の特徴は、フルーティーでほのかにバナナや蜂蜜、小麦の風味が感じられる。ヘフェは酵母、ヴァイツェンは小麦のことで、泡立ちはきめ細かくクリーミー。色は濃い黄色で少し濁っている。小麦のコクと甘味のバランスがとてもよい。

毎年恒例の？ビールかけ

ほぼ毎年シャーレを掲げ、その瞬間にはじまるビールかけは、今や風物詩になっている。ここではビールかけを「ヴァイスビアドゥシェン（Weißbierduschen）」と呼んでいる。ビールシャワーといったところだ。このセレモニーで使われるビールも、もちろんパウラーナーである。巨大グラスになみなみと注がれたビールでの攻防は、選手・監督・フロントの立場を超えて延々続く。

「もったいない」「きたない」「品がない」というのはひとまず脇に置いて、毎回このビールかけで騒動になるのが、ムスリムの選手にビールをかけた、かけなかった、というもの。フランク・リベリーがビールを頭からかけられ、ボアテングと一触即発になったことがある。イスラム教では飲酒が禁止されているためで、被害者のリベリーは「ボアテングとは2度と話さない！」と怒り心頭だった。次の日、「あれはノンアルコールだったから仲直りした」という本当かどうだかわからないコメントが出たのを覚えているかもしれない。ちなみにドイツのノンアルは、アルコール0％でない場合が多いので要注意だ。

ホームスタジアムである「アリアンツ・アレーナ」のビールは当然のことながらパウラーナー。現地観戦した際には、ぜひお試しください。ビアガーデンやレストランも併設されています。もちろん、日本でのテレビ観戦のお供にも。

日本でも楽しめるオクトーバーフェスト

★東京・「お台場オクトーバーフェスト」
日程：2017年9月29日(金)～10月9日(月・祝)時間：平日 16:00～22:00、土日祝 11:00～22:00（ラストオーダー 21:30）
入場料：無料
場所：東京お台場・シンボルプロムナード公園
https://www.oktober-fest.jp/odaiba/

★「横浜オクトーバーフェスト」
日程：2017年9月29日(金)～10月15日(日)
時間：平日 12：00～21：30（9月29日のみ15：00～21:30 まで）、土日祝 11：00～21：30 （ラストオーダー 21：00）
入場料：300 円
場所：横浜赤レンガ倉庫イベント広場
http://www.yokohama-akarenga.jp/oktoberfest2017/