エコノメソッドの導入で“価値のあるクラブ”になる理由を作る

 是永氏は2019年1月1日、クラブ公式サイトで次のようなメッセージを発信している。

「再スタートの1年となりますが、クラブとして中長期的に達成すべきは『価値のあるクラブ=選ばれるクラブ』へと変貌を遂げることです。リーグのカテゴリーだけでクラブの価値を判断されることがない、『本質的な価値』をみなさんと一緒に作らせてください。その一つが、Jリーグクラブとして初の試みである『メソッド部門』です。FCバルセロナの元育成部門監督などで構成された指導プロフェッショナル集団と一緒に『アルビレックス新潟のサッカー』を創り上げます。日本で最も真剣にサッカーに向き合うクラブと進化することで、トップチームに昇格する選手を多数育成することはもちろん、結果的に日本中から優秀な選手と指導者が新潟に集まってくることになるでしょう。そしてそれは、トップチームの選手に他クラブと天秤にかけられてもなお、『選ばれるクラブ』になる、ということだと思っています」

 興味深いフレーズがある。それが「選ばれるクラブになる」という箇所だ。選手や指導者がクラブを選ぶとき、どういった理由を考えるのだろうか。是永氏はその真意に関して語っている。

「なぜ、鹿島アントラーズに有望な選手が入るのか。それはクラブがサッカーに対して“ド真剣”だからです。クラブのビジョンに共感して、選手が入ってくるわけです。新潟には、まだそれがありません。(年俸など)同じ条件で首都圏のクラブと比べられたときに、新潟を選ぶ理由がない。そこでエコノメソッドを導入することで、サッカーに対して“ド真剣”なんだという我々の考えを発信すると同時に、新潟を選ぶ理由を作る。その結果、ここでプレーしたいという選手が集まってくるのではないかという中長期的な考えで導入しました」

久保建英のような探究心を持つ子どもはエコノメソッドで可能性が肥大

 浜田氏は日本サッカー界の現状を付け加え、地方クラブが抱える問題点を指摘した。

「Jリーグの強豪クラブは何が優れているかというと、スカウティングなんです。現状のJリーグは育成力よりも、スカウティング力、選手獲得力の強いクラブが結果を残しています。地方クラブはスカウティングに人数を割けないですし、競争力も強くはありません。その結果、良い選手が強豪クラブに流れて行ってしまう現状があります」

 その流れを変えるためにも、「エコノメソッドの導入がポイントになる」と浜田氏は言う。

「エコノメソッドは東京、神奈川、埼玉、大阪、兵庫でスクールを開催していて、全国でサッカーキャンプを展開しています。そこに通う有望選手のリストを持っているので、スカウティングの大きな武器になります」

 実際に、アルビレックス新潟がエコノメソッドを導入するというニュースが流れたときに、ナショナルトレセン選出歴のある選手数名から「アルビレックス新潟U-18に行きたい」と相談を受けたという。

「私は久保建英選手をはじめ多くの子どもたちを見てきましたが、伸びる選手に共通するのは、サッカーが好きで探求心を持っているということです。そのような選手がエコノメソッドに触れることで、サッカーの楽しさや奥深さを知り、トップレベルの選手に成長していく可能性が高まっていくと思います」


(予告)
第3回目となる後編では、“新潟×エコノメソッド”が及ぼすさまざまな影響に迫る。「日本サッカーに風穴を空ける」好循環とは――


VictorySportsNews編集部