この熱いタイミングでどれだけのことができるかということが大切

たくさんの“にわか”ファンを生み出し、大盛況となったラグビーワールドカップ。その経済効果は4370億円以上といわれている。大会前は不安視する声もあったにもかかわらず、なぜこれほどまでに盛り上がったのか。ラグビーをよく知る二人が語った。

池田「私はこのくらい盛り上がるのは当たり前だと思っていました。なにしろこれまでアジアで観たことのない高いレベルのラグビーが数日おきに観られるわけですから。欲をいえば、日本が南アフリカに勝ったらどうなっていたのかというのを知りたかったですね。今以上にとんでもないことになっていたんじゃないかと思います」

上野「ラグビーの場合、試合が始まったら40分間目が離せませんから、一度観はじめるとどんどん入り込んでしまう。ルールは簡単ではありませんが、ダダダダダードドドドドーと大男が走りぶつかりあうのは、初めて観る人にも面白かったのじゃないでしょうか。また今回は、カナダ代表が台風被害のボランティア活動を行うなど、ラグビーが持つ試合以外の魅力を伝えられたのも大きかったと思います」

このラグビーブームは、これからも続くのだろうか?

池田「この熱いタイミングでどれだけのことができるかということが大切。いま代表選手がどんどんテレビに出演していますが、ワールドカップのポロシャツを着ているんですよ。せっかくならトップリーグのそれぞれのチームのユニフォームで出演してもらって宣伝すればいいのにと思いました。前回大会の経験があって、選手たちがスターになることは予想できていたわけですから、大会前から準備をしておくべきだった。私ですらトップリーグがいつ始まるのか、だれがどこのチームにいるのか、知らないような状態ですからね」

上野「トップリーグの開幕は1月ですから、少し間が飽きます。その間に観ることができるのは大学ラグビーですが、ワールドカップで目の超えたお客さんがそれで満足できるかどうか……」

池田「日本人は年が明けたら全部忘れちゃいますからね(笑)。ワールドカップが終わったタイミングでトップリーグのプロ化構想の中身を発表すれば、盛り上がったと思うんですが、何も発表はない。」

ラグビー界の上の方々はコンサバティブな人が多い

池田「上野さんはサンウルブズを国際大会であるスーパーラグビーに参戦させたという経験をお持ちですが、日本でプロのラグビーリーグが成功すると思われますか?」

上野「大いに期待はしています。ただ現状で考えると厳しいといわざるをえない。ラグビーは肉体を酷使するスポーツですから、試合は週1回が限度。どうしても試合数が限られるし、地方での集客力がどのくらいあるかもわからない。ビジネスとして成立するかは、正直疑問ですね」

池田「野球は年間144試合やって、そのうち半分がホームですからね。ラグビーがチームを経営するとなると、選手年俸だけで10〜30億円はかかる。スポンサー収入があったとしても、それをカバーするだけの収入を得るのはかなり大変ですよね。サンウルブズは2020年でスーパーラグビーへの参戦が終わることがすでに決まっていますが、こちらを続けていたほうがよかったのではないでしょうか」

上野「それはそうなのですが、やはりラグビー界の上の方々はコンサバティブな人が多くて……。私はいつも言っているんです、ラガーマンが自分たちでボールを抱えたままだと、いつまでもたっても世の中にラグビーが広まらないと。思い切ってボールを社会に向けてパスするくらいの気持ちがないと、改革は進まないと思います」

池田「今のブームに水をさすつもりはありませんが、女子サッカーのなでしこジャパンがワールドカップで優勝して、その後なでしこリーグにも注目が集まりましたがブームは1年しかもたなかった。同じような道をたどらないようにしてほしいですね」

取材協力:文化放送

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日本ラグビー界に「ショックを受けてほしい」。畠山健介が背負うアメリカでの使命

2019年に11年間プレーしたサントリーサンゴリアスを退団し、アメリカ・メジャーリーグ ラグビーのニューイングランド・フリージャックスに移籍した畠山健介。かつて日本代表の 中核を担った“ハタケ”は現在、異国の地で様々な活動を試みている。彼はなぜ慣れ親しんだ日本を離れ、アメリカに活躍の場を移したのか。そして34歳となった今、グラウンド内外でどのような挑戦をしているのか。

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VictorySportsNews編集部

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