コロナ禍で開幕が危ぶまれていたMLBがようやく開幕した。現在マーリンズで新型コロナウイルス感染者が多数出たことを受け一部試合の延期を余儀なくされている状況ではあるが、23日の開幕以降、今季からメジャーへと移籍した筒香嘉智や秋山翔吾、山口俊らが試合に出場。大谷翔平は初回に降板するなど、それぞれ明暗の分かれる結果にはなったが、なにはともあれ新しいシーズンがスタートを切り、その活躍が注目される。

「筒香選手や山口投手とは、“同じ釜の飯を食った”仲ですから、やはり活躍してほしいという思いがあります。彼らだけでなく、日本人選手が世界で戦っている姿を見ると、素直に応援したくなりますよね。コロナ禍でみんなが苦しい思いをしているときだからこそ、彼らにはがんばってほしい。スポーツがみんなの心をひとつにするんだということを示してほしいと思っています」

日本では6月にプロ野球が開幕、Jリーグも試合を再開。5000人を上限として観客も入れた試合が行われているが、チケットの売れ行きは思ったほど伸びず、売り切れにならない試合も少なくないという。

「日本国内だけで見た場合、やはりまだ熱心なファンだけがスタジアムに足を運んでいる状況のようです。足もと、目の前にある生活すら不安定ですからなかなかスポーツを応援しようという気になれない。『スポーツどころじゃない』という感じなのかもしれません。でもだからこそ私は日本人メジャーリーガーに期待しているんです。彼らが戦う姿は、ファン以外にも元気を与えることができる。それが延期になっている東京オリンピックへの期待を上げることにもつながると思うんです」

来年に延期された東京オリンピックだが、さまざまな調査を見ても来年開催できる、してほしいという人は決して多くないようだ。池田氏は、このオリンピックに対するネガティブな空気を変えたいと願っている。

「私は絶対にオリンピックをやるべきだと思っていますし、日本を活気づける“元気玉”になると信じています。でも今は多くの人の心がついていっていないのが現状です。そういう『スポーツどころじゃない』と思っている人に『スポーツってすごいな』と思わせてくれるのは、日本人メジャーリーガー。あえて厳しい環境に自ら飛び込んで戦う姿がスポーツの力、スポーツの素晴らしさを教えてくれる。レベルは高いですからなかなか結果がでない選手もいると思います。でも必死にもがき苦しむ姿もまた心を動かしてくれる。彼らのがんばりが日本にいる多くの人に『東京オリンピックを見てみたい』、『世界を舞台に戦う日本人の姿をもっと見たい』と思わせてくれるんじゃないかと期待しています」

コロナ禍の収束はまだ見えない。それでも少しずつ動き出したスポーツ界がみんなの心を動かせば、もっと前向きにこの時代を生きることができるような気がする。




取材協力:文化放送

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VictorySportsNews編集部