今年で107回目となるツール・ド・フランス。3週間をかけてフランス全土を駆け巡るこのレースは、新型コロナウイルス問題の影響で中止も懸念されたが、当初予定から2ヶ月遅れとなる8月29日、予定通り南仏の街ニースからスタートした。観客数を制限し、選手を紹介するプレゼンテーションも仕切りのある場所で開催。入場者にも手荷物検査や消毒、マスク着用を義務付けるなど、これまでとは異なるルールでの開催。選手たちも競技時以外はマスクを着用するなど、かなり厳しい感染対策を行っているという。

「フランスもかなりコロナに苦しんでいますから開催できるのか心配でしたが、やることになりましたね。選手たちはかなり消耗しますからレース後には免疫力が低下するでしょうし、スタッフも含め大勢が一緒に移動することで、各地にウイルスをまきちらすようなことにもなりかねませんから、かなり慎重にやっていると思います。フランス、ヨーロッパのスポーツ界にとって最大級のイベントですから、安全に開催することができれば、これからのベンチマークになるのではないでしょうか」

 池田氏は、このツール・ド・フランス開催のニュースから、来年の箱根駅伝が開催されるかどうかについて考えたという。

「ツール・ド・フランスというのは、日本でいえば箱根駅伝のような位置付けとも考えることができます。自転車レースにそれほど興味がなくても街の景色を観て楽しめるし、それが自分の地元だったり、ゆかりのある場所だったりして、なんとなく観てしまう。

 日本でも箱根駅伝がお正月のスポーツイベントの皮切りになって、どんどん盛り上がっていくじゃないですか。特に来年は、無事に開催することでオリンピックにつながっていく。

 10月の予選会は、陸上自衛隊立川駐屯地内周回コースでの無観客開催が決まっていますが、本戦はこれまで通りのコースでやるとしたら無観客というのは無理。感染対策はかなり大変だと思いますが、それがオリンピックにおけるマラソンなどの競技の観戦ルールの参考になるのは間違いありません。ぜひ開催してほしいと思っていますし、日本におけるスポーツイベントを楽しむ“新しい様式”を確立してほしいですね」

 恐れてばかりはいられない。選手や観客への感染拡大を避けながらどうスポーツを楽しむか。箱根駅伝はもちろん、さまざまなスポーツイベントを主催する側の知恵と努力が試されている。




取材協力:文化放送

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VictorySportsNews編集部