「走ることが楽しくなった」コロナ禍での成長

ーコロナ禍で、自分自身を見つめ直されるような事はありましたか?

岩出:オリンピック予選が終わって、自分はこれから競技を続けていくか、やめるかを考えるタイミングでちょうどコロナが来て。試合も半年くらい一切なかったので、時間が止まっているような感じがしていました。その時間は自分自身について、ゆっくり考えられる時間が作れたので、タイミング的にはよかったですね。今まで次の試合が決まっていないのに走るっていう生活をしたことがなくて、目標のない生活がなかったんですよ。で、実際目標なく走るっていう生活をした時に、走ることがすごく楽しくなったんですよ。調子とか何も考えずに、「ただただ強くなりたいから走る」みたいになって。追われるものないし、小学校のかけっこみたいな、純粋な気持ちで走ることができるようになって、もう少し頑張ろうと思いました。他で大会があって、ライバルたちが結果を残していれば、あんな清々しい気持ちにはなれていなかったと思うんですけど、みんながみんな休んでいた期間だったので、人生の夏休みみたいな。ただ走りたい時に走るみたいな生活ができました。その期間は変な力みがなくて、調子がよかったので、いい練習ができていたと思います。

ーコロナ禍ということもあって、「アスリートの価値」というところも、スポーツ界では特に議論されるようになってきましたが、そのあたりはどのようなお考えをお持ちですか?

岩出:みなさん外で体を動かすことができなかったと思うので、家でできるトレーニングをたくさんインスタに乗せたり、インスタライブをたくさんしました。私も芸能人の方が家で動画を回してるのを見て嬉しかったですし、すごい価値を感じたので、私も誰かの心に刺さればなと思ってやっていたんですけど、なかなか恥ずかしかったです。(笑)ただコメントが流れてくるので、言葉に詰まることはなかったですね。

「たくさんの愛を持たれる選手に」アスリートとして目指す形

ーそんな中で、今回「PasYou」というビデオメッセージサービスを始められたわけですが、始められたきっかけを教えて下さい。

岩出:お話をいただいて、人のためになるのであればやりますっていう気持ちが大きかったですかね。自分が何処かへ行ってお話をしてくださいって言われれば、競技の負担にもなるので考える部分はあったと思うんですけど、合宿に行っていたとしても、どこからでも思いを届けられるので、全然迷いなく始めようと思いました。

ー陸上選手として、競技にのみ集中するべきだという意見もあるとは思うのですが、その辺りはどのように考えられていますか?

岩出:もったいないなとは思いますね。選手自身も陸上をやめたあとは何も残らないので、そこに本人が気付くべきだと思います。やっぱり競技をやっているときは、競技のことしか考えられないし、それも素敵なことなんですけど、もう少し広い視野をもって、幅広く活動をした方がいいんじゃないかなと。

ーこれからの展望も教えて下さい。

岩出:たくさんの愛をもたれる選手になりたいです。トップアスリートだけど、すごいって感じじゃなくて、もっと身近に感じられるような存在になりたいです。そのために、今後シティマラソンにも出たいなと思っています。



*次回以降は岩出玲亜選手の「選手ヒストリー」について深ぼっていきます。

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VictorySportsNews編集部