声援が見える、声援が届く。新たなスポーツの応援の形を提供するサービス

−−「Unlim」とはどのようなサービスなのですか。また解決したい課題は何でしょうか。

松崎:答えはシンプルで、ファンが財団を通してアスリートやチームを金銭的にサポートすることを可能にするサービスです。これまでも試合を観戦して声援を送ったり、チケットやグッズの購入などで間接的に支援したりすることは可能でした。そこに新たな応援の手段として、アスリート本人やチームの活動につながる金銭的な支援を直接送る手段があってもいい時代なのではないかと考えました。
プロや実業団に所属するアスリートは所属チームからサラリーをもらっていますが、個人で活動するアスリートは自身でスポンサーなどを見つける必要がありました。そこに「Unlim」のような窓口がひとつあれば、活動を持続させるための拠り所になります。また、応援するファンの側も、これまではアスリートを応援したいと考えてもその方法は限られていました。アスリートやチームが活動を続けることができるようになることと、それを応援したいファンの思いをつなげる手段を生み出したい、その二つの課題を解決するために「Unlim」は生まれました。

−−支援の方法はどのような形で行うのでしょうか。

松崎:「ギフティング」と「シェア」の2通りがあります。支援者は、財団に寄付をして「応援ポイント」を受け取ります。その「応援ポイント」を、アスリートやチームに贈ることで支援する、これが「ギフティング」です。
また、アスリートの「Unlim」アカウントをSNSなどでシェアすることで、より多くの方々にアスリートのことはもちろん、「Unlim」で支援を求めていることを知ってもらうことができます。そのため、「シェア」も応援手段の1つと捉えています。
 加えて、私たちの提携メディアに掲載された記事を経由したギフティングもあります。「Unlim」アカウントを持つアスリートやチームに関する記事を経由してギフティングが発生すると、その一部が掲載メディアにも渡る。これは今までにはなかった仕組みで、高い企画・開発力をもつミクシィが、独自のノウハウでサポートしてくれています。
アスリートやチームは、メディアに掲載されることがギフティングのきっかけになりますし、提携メディアはスポーツに特化したものがほとんどなので、スポーツを応援したい読者も多く、支援につながりやすい。メディアにとっても、専門的に扱う競技やアスリートの活躍を記事としてファンへ紹介することが支援につながり、ギフティングに応じた分配も受けられるため、関わる全ての人、組織、企業にメリットがある形になっています。

(C)Unlim

アスリートやチームの活躍そのものが対価 声援を力に変える「Unlim」

−−ギフティングにはクラウドファンディングや投げ銭などもありますが、「Unlim」はそれらと何が違うのでしょうか。

松崎:クラウドファンディングは一般的に目標金額を設定し、それが達成されたとき、支援者にリターンを用意する必要があります。投げ銭も、何らかの配信するコンテンツが必要となります。私たちは、支援への対価が必ずしも形として見えるものだけではなくもいいのではないかと考えています。
 スポーツの楽しみのひとつには、応援している選手やチームが活躍することもあります。「Unlim」によってアスリートやチームを支援すると、応援は形となって届きます。そして、そのアスリートがチャンスで活躍し、チームが勝利すれば、その喜びはより「自分ごと」につながる。応援したアスリートやチームの活躍そのものが対価として成立する、そこが特徴であり、他のギフティングとの違いです。
 私たちは、アスリートやチーム、スポーツ団体がより良い社会づくりに貢献できる世界になればと考えています。その力がスポーツにはある。スポーツはすでに多くの人や企業の支持を得ていますし、産業としても巨大な市場を形成しています。その事実自体が価値ですし、それを最前線で支えるアスリートやチームには、世の中を動かす力を秘めていることを知ってもらいたい。その秘めた力を支えているのは、ファンであり、社会です。
 ファンが応援するアスリートやチームが活躍し、スポーツの力を社会へ還元する。その恩恵はファンや社会が受け取り、また新たな支援の元となる。このサイクルが回りはじめると、今までにないスポーツと社会の関係が生まれ、スポーツそのものだけでなく、アスリートの価値が高まり、応援するファンの日々の暮らしも豊かになる。
 ただ、これは目指すところであり、まずはファンとアスリートが「Unlim」を介してつながりを持ち、関係を構築していくことが大事だと考えています。参加したアスリートにファンからの支援が集まり、形になっていく事例をひとつずつ積み上げていくことで、目指す世界に近づければと思っています。

(C)Unlim

まずは1000アカウント開設を目指す 可能性に限界はない

−−今、どれくらいのアスリート、チームが参加しているのですか。支援金額はどれくらい集まっているのでしょうか。

松崎:2020年2月に開始して約8か月で105アカウントが開設されています。支援金は一般社団法人アスリートフラッグ財団の期末である2020年3月末時点で100万円が集まっていました。今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響でスポーツも活動が停滞してしまっていたので、その影響を受けた面もありますが、徐々に支援金も増え続けており、現在までで1アカウントに集まった支援額の最高は100万円を超えています。

−−アカウントを開設したアスリートや支援したファンからの反応はどんなものがありますか。

松崎:アスリートやチームからは直接お礼を言いたいという相談を受けることが多いです。「Unlim」の仕組みとしては、支援した人の個人情報はアスリートには分からないようになっています。
誰から、いくらギフティングがあったのかがアスリートにわかってしまうと、お礼を言いたくなるのは自然なことです。場合によってはファンも憧れの選手やチームとより近づきたいという思いから、ギフティングをすることにも繋がるかもしれませんが、私たちはファンとアスリートの距離感をいたずらに近づければ良いとは考えていません。コミュニケーション設計は今後も慎重に検討を進めていきます。
 ただ、アスリートやチームの感謝の気持ちは大事にしたいので、一定の期間を決めて、支援の結果を報告し、それを受けた活動を紹介する場を設ける予定です。年末頃には、ギフティングが発生するとアスリートのLINEに通知のメッセージが届くようになります。そのメッセージはシェアできるので、ギフティングを受けたアスリートやチームがシェアをすれば支援した人も届いたことを確認できますし、それがまた新たな支援につながることも期待しています。

−−支援金は競技のための活動にしか使えないのですか。また、アカウントを開設しようと思うアスリートが意識するべきことはあるのでしょうか。

松崎:遠征や日々のトレーニングのために使うだけではなく、幼少期にお世話になったクラブや恩師の活動、競技の普及に使っていただいても構いません。名古屋グランパスに所属している太田宏介選手は、自身が母子家庭だったこともあり、同じような境遇の子供たちをサポートしたいと考えてアカウントを設けています。太田選手のような社会貢献を目的にすることも可能です。社会貢献を目指す場合は、漠然とはじめるのではなく具体的な使い道を考えておいた方が良いでしょう。

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−−ファンは支援することで何を得られますか。

松崎:先ほどもお話ししたように、アスリートやチームの活躍、勝利をより身近なものとして体感できるようになると考えています。
私のゴルフ仲間は趣味としてはじめて2年、勉強や練習に勤しんでいました。特に女子ゴルフを見るのが好きで、大会やメディアを通して勝みなみ選手の活躍も知っていた。ただ勝選手の人柄や思いを知る機会や情報が少なく、どんな選手か知ることができればもっと応援できるのではないかと感じていたそうです。その勝選手が、今年「Unlim」に登録し、インタビュー動画をアップしていることを発見した。勝選手の素直な性格やゴルフへの取り組み方、将来行いたいという地元への社会貢献を語っているのを見て、応援したくなりギフティングをしたそうです。今はインスタもフォローして、一層活躍をチェックするほどのファンになり、98年生まれの黄金世代の中でももっと輝いて優勝してほしい選手として応援しようとギフティングを続けていると聞きました。
スポーツは成功ばかりではないので、もし結果が出なくても「次に頑張れ」と思い、さらに応援しようとする、そこに自分が参加していることで、アスリートそれぞれのストーリーに関与できる喜びが感じられるのではないでしょうか。
私たちは、「Unlim」を通して、そこに今までとは違うつながりを感じてもらうことを目指しています。

−−今後の目標は。

松崎:まずは、登録アスリート数で1000アカウント開設を目指しています。
「Unlim」は、個人がスポーツを応援できる仕組みを作ることができないか、その思いを、テクノロジーの活用で可視化できるのではないかと考えたところからスタートしています。アスリートやチームとファンのつながりを生み出し、新しい応援の形を提示したい。これまではプロスポーツもアマチュアスポーツも、法人がスポーツを支えてきました。これからは個人や社会が支えることも方法のひとつとして広まっていくと考えています。「Unlim」はその選択肢の一つとして、新たなスポーツ支援の文化を根付かせることに貢献していきます。

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スポーツギフティングサービス「Unlim」

「Unlim」は、個人が財団を通してアスリートやチームを金銭的にサポートすることを可能にするスポーツギフティング
サービスです。
競技活動資金の不安を払拭しパフォーマンスに集中したい、自身の活動だけではなくスポーツや競技そのものを盛り上げていきたい、スポーツを通じて社会に貢献したい、といったアスリートやチームが持つ様々な思いの実現と、それを応援したいファンの思いをつなげる手段を生み出したい、その二つの課題を解決するために生まれました。アスリートは、「Unlim」を活用することでファンからの応援メッセージだけでなく、金銭的支援というカタチにして受けることができるようになります。
一般財団法人アスリートフラッグ財団は、「Unlim」を通して、アスリートやチームとファンのつながりを生み出し、新たなスポーツ支援の文化を根付かせることに貢献していきます。

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Unlim [アンリム] - ファンがアスリートに想いを直接届けるスポーツギフティングサービス

「Unlim」は、アスリートがファンの「応援だけでは伝えきれないたくさんの想い」を直接受け取ることが出来る、スポーツギフティングサービスです。

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「Unlim」に参加しているアスリートやチームをご紹介します。

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VictorySportsNews編集部