「デュエル」の部分での成長

―2020シーズンはじまって、まだ間もないですが、今年の感触はどうでしょう?

安西:開幕戦の時は、試合に出られる感じがあった中で、体調不良になってしまって。もったいなかったですね。ただ二戦目に関しては、後半の頭から出場できて、昨シーズンより自分が成長しているのが、試合の中で感じられました。もう少しゴールに絡められれば、良かったですけど、とにかくチームを勝たせることによって、スタメンに定着できるようになると考えていますね。

―特に成長したなと思う部分はどの辺りでしょう?

安西:日本の守備の仕方と、海外での守備の仕方がだいぶ違っていて。ボールを奪い切るところであったり、デュエルの部分が多いので、僕自身まだまだですけど、闘えるようになったかなとは思えました。ポルトガルのサッカーは4-3-3のシステムが多くて、サイドバックとサイドハーフの一対一が多々あるので、そこに関しては去年からバチバチやってきていますし、すごく成長できているのを実感しています。

―日本代表戦も近々ありますが、意気込みを教えて下さい。(取材日は10月上旬)

安西:最初に入ったのは2019年の三月の時で、その時は信じられないというか、うれしさもありましたし、不安も大きかったですね。日本代表は自分の夢だったので、いろんな気持ちが混じりながら行ったのは覚えていますけど、何回か呼ばれるようになってから、徐々に試合に出たいという思いが強くなってきて。今回の欧州遠征も親善試合ですけど、試合に出るチャンスがあると思うので、そこでしっかり自分を出して、僕がこれだけできるんだっていうのを見せたいですね。ポルトガルリーグはDAZNでもやっていないし、僕が普段どういうプレーをしているのかを見る機会がないと思うので、今回は代表という形ですけど、日本代表で活躍しているところを見せられればいいと思います。

内田篤人の言葉が今でも支えに

―コロナという未曾有の事態もあり、アスリートと発信というところは、これからよりフォーカスされていくと思われますが、安西選手はどのように捉えられていますか?

安西:コロナ期間で僕も2ヶ月間くらい自粛していたんですけど、サッカー選手からサッカーを取ったら何もないんだなと実感しましたし、その分SNSやこういう連載を通して、できる限りファンの方に対して、何か発信していければいいなと思いました。

―今回の連載企画を通してファンの方に伝えたいことを教えて下さい。

安西:まずはサッカー選手なので、サッカーで結果を出して、どういう経緯で成功できたんだっていうのを示していければ一番いいですけど。それ以外にも、海外でのコミュニケーションであったり、言葉の大切さを実感しているので、記事を読んでくれる方には、海外でサッカーをするためには何が必要なのか、っていうことを伝えたいなと思っています。

―安西選手が学生時代、憧れていた選手はいますか?

安西:サイドバックを目指した時に、一番初めにお手本にしたのは篤人君で、篤人君に一番刺激を受けたし、今でもあの人に追い付きたいっていう目標でやっていて。中学くらいまではヴェルディの選手とかをみていたんですけど、高校で本格的にサイドバックをやり始めてからはずっと篤人くんが目標ですね。

―印象に残っている内田選手の言葉はありますか?

安西:何かのインタビューで、篤人君が「海外で長くプレーするにはどうすればいいのか」っていう質問に対して、「結局は根性だ」って言っていて。その意味がこっちにきてわかってきましたね。いくら上手くても試合に出られない選手もいるし。試合後に一人でご飯を食べていると、寂しいなと思う時もありますけど、海外で活躍するんだっていう思いを持ち続けることで、成功する時が来ると思うので、それを信じて今はやっています。

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VictorySportsNews編集部