「あり得ないくらい練習していた」

一小学校時代、全国ベスト8にも入られていた、というお話を前回お伺いしましたが、当時所属されていたクラブのレベルはどの程度のものでしたか？

吉村:先輩の中に全国大会で活躍していた方が2人いました。同じ学年でも1人強い人がいて、その人と一緒に切磋琢磨しながら練習していました。

一団体戦では全国大会に出ることができるレベルでしたか。
吉村:そうですね。全国ホープスという団体戦で、ベスト8に入りました。小学校6年生の時には、全国クラブ選手権で優勝しました。結構頑張ってやっていましたね。

一高いレベルの中で切磋琢磨しながら卓球に取り組まれていたのですね。

吉村:そうですね。環境が良かったなと思っています。

一練習のペースとしては毎日ですか。

吉村:あり得ないくらい練習していました。平日は学校終わってお父さんが帰って来てから練習に行っていたので、だいたい6時から9時くらいでした。土日はほぼ試合でしたが、練習の時は9時から12時くらいまでやって、午後も2時くらいから6時くらいまでやっていました。

一友達と遊ぶことはありましたか。

吉村:友達と遊んだ記憶はほぼないですね。学校終わったら家に帰って、宿題をやらないと練習に連れて行ってくれなかったので、宿題を終わらせて、練習に行っていました。たまに遊びに行って、お父さんが帰ってくる前に帰ればいいやと思っても、お父さんが早く帰ってくることがあって、その時は最悪でしたね(笑)。宿題もやっていなかったので、お父さんに怒られて、家の下でひたすらサーブ練習をさせられていました。

一勉強は得意な方でしたか。

吉村:まったく得意ではなかったです。すべてごまかしていましたね。めちゃくちゃひどいわけではなかったですが、良くはなかったです。卓球だけ抜けているだけで、他のことはノーマルですね。

「試合中に泣くこともあった」

一初めての試合は覚えていますか。

吉村:初めての試合は覚えていないですね。覚えている中で古い試合は、初めて出た全国大会のベスト4決定戦です。2対0でリードして勝っていて、次取れば勝ちでしたが、相手が泣き始めて、やりづらい感じになってしまって、僕も泣いてしまいました。二人とも泣きながら試合して、逆転されて負けて終わったのが印象的でした。初めての全国大会で、ベスト4に入れるところまでいったのに負けてしまったので悔しかったですね。

一お父様に怒られましたか。

吉村:その時は怒られませんでした。最初の全国大会だったので「良く頑張った」と言ってもらいました。落ち着いた時に、「これからも卓球を続けていくか」と聞かれて、「やる」と答えました。

一小学生時代で一番記憶に残っている試合はありますか。

吉村:小学校6年生の時の全国大会ですね。決勝まで上がって、0対2で負けていた時に、トイレに行きたくなって、審判に「トイレに行かせてください」と言ったら、ダメと言われました。もれそうでしたが、そういう時に限ってプレーが良くなって、2対2に追いつきました。そしたら、審判が急に優しくなって、トイレ行って来ていいよと言ってくれました。0対2だったので、すぐ終わると思ったのだと思います。トイレに行ったらスッキリして、出だしはとても良かったのですが、我慢しているものがなくなってしまったので、いつの間にか負けていました。トイレ行かなければ良かったなと思いながら、全国2位で終わりました。

一挫折経験はありますか。

吉村:小学校3年生の時に、北海道で全国大会が行われましたが、3回戦くらいで大分の同世代の子に負けてしまいました。その前の年がベスト8まで行っていたので、勝たなければいけなかったのですが、負けてしまって怒られたことを覚えています。

一負けた時に、どのように怒られましたか。

吉村:負けず嫌いで、試合中に地団太を踏んだり、泣いたりしてしまって、「そんな状態だと勝てるわけがない」と怒られました。親が基本を大事にしているので、練習でやっていることを試合でやらないと怒られました。卓球台から下がってしまうなどの癖があったので、自分のプレーをせずに負けてしまうと怒られましたね。

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