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ゴルフに関する記事を一覧できるページです。VICTORY [ビクトリー]では、国内や海外のゴルフの最新ニュースや旬な話題も、プロ・アマを問わずに取り上げていきます。
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「最終的には試合に勝ちたい」タイガー・ウッズの一問一答
◇米国男子◇ジェネシスオープン 事前情報(13日)◇リビエラCC(カリフォルニア州)◇7322yd(パー71) やはり、タイガー・ウッズの持つ存在感は別格だ。火曜日の朝10時に設定された記者会見はメディアであふれ、質問も多岐にわたった。その直前、予選ラウンドのペアリングが発表され、ウッズはロリー・マキロイ(北アイルランド)、ジャスティン・トーマスと同組となった。1992年にアマチュアとして米ツアーデビューを果たした大会への出場は、12年ぶり。記者会見での質疑応答を抜粋して紹介する。 ――トーナメントホストとして今週プレーする気分は? 「すばらしいね。南カリフォルニアに戻ってきて、1992年に自身のプロゴルファーへの道を開いた大会に戻ってきた。コースは少し変わって、より長く、より大きくなったけど、まだ最もクラシックなゴルフコースの1つだ。プレーするのがとても楽しみだよ」 ――トーマス、マキロイとのペアリングについて 「きのう、ジャスティンと一緒に飛行機でここに来たけど、彼が『アマチュアとしてこの大会をプレーしたのはいつのこと?』と聞いたんだ。『16歳のとき、1992年だ』って答えたら、彼は『自分が生まれる1年前だ』って(笑)。状況がすぐに飲み込めたよ」 「ロリーとプレーするのは大好きだよ。残念ながら自分がケガをしてプレーしていなかったので、思うほどには多く一緒にプレーできていないけどね」 ――今週の大会がどんな結果ならば成功したといえる? 「最終的には試合に勝ちたい。それにたどり着くための過程をこなしている。昨夜ジャスティンにも話したけど、この背中や体の理解を少しずつ深めてきたので、姿勢やゲームプラン、スイングに小さな微妙な変更を施した。これらはトーナメントセッティングでやらないと分からないことだし、そういう中でやってこそ、何が足りないか知ることができる。試合をこなすほど、そういう理解は進んでいく。でも同時に、プレーし過ぎるということは避けたい」 ――来週(ザ・ホンダクラシック)もプレーすることを決断するために必要なことは? 「痛みを感じないこと。3日間の休みを挟んで、また全力でプレーできると感じられること。自宅ではそれを想定した練習をしているけど、トーナメントを戦うのとは決して同じではないからね」 ――不安はある?もしプレーできないとしたら、それは良くない兆候? 「ノー。もし来週もプレーしたら、それはすばらしい兆候だし、プレーしなかったら、それはスマートな判断をしたという表れだと思う。どうだい、この答えは?(笑)」 ――(3週間前に出場した)トーレパインズの後、痛んだところはあった? 「イエス。足だ。歩くのに慣れていないので。36ホールをプレーしても、カートに乗っていたからね。良い痛みだよ」 ――かつて、どれだけの時間を割いてあの位置まで上り詰めたか覚えている?いまは父親になって、自身の財団もある。以前よりも使える時間は少なくなっていると思うけど 「いまは同じだけの時間を割くことはできないね。でも、同じ時間を割けるだけの体でもない。JT(トーマス)がそのことについて飛行機で『自分と同じ年齢のとき、どんなことをやっていたのか?』と聞いてきたんだ。そうだな。朝起きて4マイル(6.4キロ)走る。それからジムでトレーニングをして、その後に2、3時間球を打つ。終わったらラウンドに出て、戻ってきたらショートゲームの練習をする。それからまた4マイル走って、もし誰かがやりたいと言ったらバスケットやテニスをする。それが毎日のルーティンだった。いまはそのどれもやらないけど(笑)」 (カリフォルニア州パシフィックパリセーズ/今岡涼太)
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松山英樹が次週の「ジェネシスオープン」を欠場 日本に一時帰国し検査
左手親指を痛めている松山英樹は8日、15日から開催される米国ツアー「ジェネシスオープン」(カリフォルニア州・リビエラCC)を欠場すると、マネジメント会社を通じて明らかにした。 日本に一時帰国し、病院で検査を受けており、復帰の時期は未定という。 松山は前週の「ウェストマネジメント フェニックスオープン」で左手親指の付け根を痛め、2日目のスタート前に棄権した。
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ジャンボ尾崎はイップスだった 伝説の日本オープン/ゴルフ昔ばなし
20世紀のプロゴルフシーンを振り返る「ゴルフ昔ばなし」。ゴルフライターの三田村昌鳳氏とゴルフ写真家・宮本卓氏の対談連載は3回目も尾崎将司選手に迫ります。 30代前半に始まったスランプは約5年間続き、完全復活を印象づけたのが1988年、東京ゴルフ倶楽部で行われた「日本オープン」でした。青木功、中嶋常幸と優勝争いを演じ、ホールアウト後にAONが並んだ表彰式は伝説の名場面。ライバルたちとのナショナルオープンでの激闘を経て、ジャンボは再び上昇気流に乗りました。 宮本 「日本オープン」はAONの3人で合わせて11勝(青木2勝、尾崎5勝、中嶋4勝)。特に青木さんが六甲国際ゴルフ倶楽部で勝った1983年から10年は3人で9勝した。当時の争いは本当にケンカみたいだったよ。 三田村 あの頃は、選手の闘争心みたいなものが一番感じられた時代だったと思うね。ジャンボが1988年に勝つ前、スランプの間は青木と中嶋の争いが熾烈だった。 宮本 トミー(中嶋)は1985年、アマチュア時代に苦い記憶のある東名古屋カントリークラブでの大会で優勝してから2連覇。86年の戸塚カントリー倶楽部では、青木、尾崎を2位に従えた。87年の有馬ロイヤルゴルフクラブでは、青木さんが日本オープン2勝目を挙げたけれど、最終日に先に2位でホールアウトしていたトミーはグリーンの上から様子を見ていたんだ。5mのウィニングパットを残していた青木さんに「決められるものなら決めてみろ」っていう視線でね。青木さんはそのパットを決めて勝った。「テメー、この野郎!」みたいな目でトミーを見返したんだ。ジャンボさんは徐々にスランプから抜け出して、86年に4勝、87年には3勝したけれど、本当の意味での復活は青木、中嶋が最高の状態だったこの時にジャパンオープンを勝つことだった。“AとNの間”にもう一度、割って入ることこそがカムバックだったんだ。 東京ゴルフ倶楽部で行われた1988年大会。最終日のAONの争いは、中嶋常幸が16番でダブルボギーをたたき、3人が首位で並びました。17番で10m以上のバーディパットを沈め、一歩リードしたのが尾崎。続く最終18番、70cmのパーパットを残します。しかし、“入れて当然”の場面で構えに入った尾崎は、アドレスをほどいて仕切り直します。しかも、2度…。緊張感に打ち勝ち、3度目のアドレスでショートパットを沈めて安堵の表情を浮かべました。直後のテレビインタビューでは「手が動かなかった」と話しています。 宮本 青木&中嶋のふたりは「ジャンボは外す」と思っていたんじゃないだろうか。ジャンボさんは17番ですごいバーディを獲った。けれど、あのふたりこそが、あの短いパットにどれだけプレッシャーがかかることか知っていたから。 三田村 青木と中嶋は、日本オープンという舞台の、あの場面で仕切り直すことの意味をよく分かっている。尾崎はあの時、パットのイップスにかかっていた。ショットのスイングについては突破口を見つけていて、最後に残された課題がパターだった。彼は新聞や雑誌で「ジャンボは今季OBを何十発と打った」と書かれたことを原因に大スランプに陥ったほどデリケートな性格の持ち主だ。短いパットを打つ前、外した時のことばかりが、頭の中を走馬灯のように駆け巡る。だからあの時、18番グリーンで尾崎はバックスイングで手が震えるのが分かった。「オレが尾崎だ。オレが尾崎だ」と言い聞かせて打ったそうだ。尾崎に言わせると、「あれは出口であって、また入り口だった」。あれでやっとスタートラインに立ったけれど、それからはまたパターで別の悩みが出てきたらしいけどね。 宮本 一流の選手であるジャンボさんでも、手が震えるほどの、我々の想像を超えるようなプレッシャーがかかっていた。様々な経験から、自分でその重圧を背負った。でも、そういうすごい試合展開を制したからこそ、その後また10年近く、日本のトップに君臨し続けるきっかけになった。 三田村 ジャンボが1回目にアドレスをほどいた時、お客さんは笑っていた。でも、その2回目にほどいた時には、水を打ったように静かになった。ちょっと異様な雰囲気だった。ジャンボのその姿を見た青木は「シビれなきゃウソだよ。あいつもヒトの子だったということだよ」ってポロッと言ったんだ。 宮本 ゴルフのキャリアは長い。若いうちに勝った選手は、そのうち家族ができて、子どもの前でも勝ちたいと思う。1986年の「マスターズ」で、ジャック・ニクラスは自分の子どもをキャディにして勝った。そういう気持ちはプロゴルファーでなくとも、なんとなく男として分かる気がする。昨年、谷原秀人が38歳で10年ぶりに、子どもが生まれてから初めて「マスターズ」に行った。ジャンボにとっても、活躍する姿を家族にもう一度見せたい気持ちはスランプを脱するのに大きかったんじゃないかな。 キャリアで100勝以上(ツアー94勝)をマークしている尾崎選手は、プロ野球出身という運動神経や並外れた体力はもとより、努力家であり、“習志野のエジソン”と呼ばれるほどのアイデアマンでもありました。次回はコースでは知りえない舞台裏の素顔と、その人柄から生まれるエピソードを明かします。
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松山英樹が1年ぶりにトップ5から転落/男子ゴルフ世界ランク
5日付の男子ゴルフ世界ランキングが発表され、松山英樹は前週の5位から6位に1つ順位を下げた。トップ5からの陥落は2017年1月以来で、約1年ぶり。左手親指付け根の痛みのため、3連覇がかかっていた米ツアー「ウェイストマネジメント フェニックスオープン」を2日目のスタート前に棄権した。 ジャスティン・ローズ(イングランド)が松山と入れ替わり、5位となった。トップ4に変動はなく、ダスティン・ジョンソンが1位を守った。 同大会を制したゲーリー・ウッドランドは、前週の53位から26位にランクアップ。プレーオフで敗れたチェズ・リービーも93位から61位に大きく上昇した。 欧州とアジア共催の「メイバンク選手権」で優勝したシュバンカー・シャルマ(インド)は193位から72位。大会を5位で終えた谷原秀人は77位から71位、同じく大会5位の石川遼は224位から187位に上がった。日本勢2番手の小平智は37位、池田勇太は44位、宮里優作は51位とした。
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【速報】松山英樹は「69」 2アンダーでホールアウト
◇米国男子◇ウェイストマネジメント フェニックスオープン 初日(1日)◇TPCスコッツデール(アリゾナ州)◇7266yd(パー71) 大会3連覇に向けて午前7時47分にスタートした松山英樹は、5バーディ、3ボギーの2アンダー「69」でホールアウト。最終組が1ホールを終えた午後1時30分時点で、首位と3打差の15位タイにつけている。 松山は前半インに2バーディを奪って後半へ。1番と2番の連続ボギーでイーブンパーに戻したが、2オンに成功した3番(パー5)、1m強につけた5番でバーディを奪い返す。1打目を右に曲げた8番をボギーとしたが、最終9番は2打目を1mに絡めてバーディで締めくくった。 5アンダー「66」で終えたリッキー・ファウラー、ビリー・ホーシェル、ブライソン・デシャンボーの3人が首位で並んでいる。
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【速報】松山英樹は通算5アンダー ウッズ通算3アンダー
◇米国男子◇ファーマーズインシュランスオープン 最終日(28日)◇トーリーパインズGC(カリフォルニア州)◇サウスコース7698yd(パー72) 44位から出た松山英樹は4バーディ、1ボギーの「69」で回り通算5アンダーとし、ホールアウトした。 前半10番で長めのバーディパットを決めて流れに乗ると、12番では約7mを入れて2つ目。折り返しの18番(パー5)でも着実に伸ばした。後半3番で初のボギーを喫したが、最終9番(パー5)をバーディで締めた。 松山と同組で1年ぶりに米ツアーに復帰したタイガー・ウッズは4バーディ、4ボギー「72」で回り通算3アンダーでホールアウトした。 前半14番から18番までバーディ、ボギーを交互に獲ると、後半2番をバーディとした。4番、7番でボギーを重ねた。 10ホールを終えたアレックス・ノレン(スウェーデン)が通算12アンダーでトップにいる。
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【速報】石川遼は予選通過圏外で終える 「65」の宮里優作が急浮上
◇国内男子&アジアン◇レオパレス21ミャンマーオープン 2日目(26日)◇パンラインゴルフクラブ (ミャンマー)◇7103yd(パー71) 午前組で34位からスタートした石川遼は、4バーディ、4ボギー、1ダブルボギーの「73」とし、通算1オーバーに落としてホールアウト。終了時点の暫定カットライン(65位タイまで)はイーブンパーで、決勝ラウンド進出は後半組の結果にゆだねられた。 日本勢トップは、2位から出た川村昌弘。4バーディ、1ボギーの「68」として通算7アンダーに伸ばし、通算8アンダーの首位で終えたポール・ピーターソン(米国)に1打差とした。 52位から出た宮里優作は8バーディ、2ボギーの「65」をマークし、通算6アンダーでホールアウト。前週2位の小平智も「69」と伸ばし、通算4アンダーとして上位に加わった。
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「マスターズに向けて準備したい」タイガー・ウッズは3季ぶりフル参戦へ
◇米国男子◇ファーマーズインシュランスオープン 事前情報(24日)◇トーリーパインズGC(カリフォルニア州)◇サウスコース7698yd ノースコース7258yd タイガー・ウッズがレギュラーツアーでプレーするのは、1年前の今大会以来。昨年12月にはバハマでツアー外競技「ヒーローワールドチャレンジ」(9位)にも出場したが「基本的には2015年のウィンダム選手権(8月)から、ほとんどトーナメントをプレーしていない」という。 「いまは背中の痛みがない」と、今季はかつてのように定期的にプレーすることを明言。「このツアーでプレーする雰囲気、ショットを打つこと、スコアをまとめる感覚をまた感じ始めたい」と、連戦の中で自分を高めていくルーティーンを再び始めていく。 バハマでウッズとともにラウンドをした松山英樹は「(バハマで)復帰戦も終わっているし、調整段階に入っていると思う」と指摘したが、ウッズの言葉もそれを裏付けている。 また“今大会での成功”をどう定義するかと問われたウッズは、「マスターズ(4月)に向かって準備をすること。フルスケジュールでプレーをして、4月に向けて良い準備をする。長い間、やっていなかったことだ」。フル参戦となれば2014-15シーズン以来、3季ぶりとなる。 同じフィールドで戦う相手も、この2年間で随分と入れ替わった。先週「キャリアビルダーチャレンジ」で優勝したジョン・ラーム(スペイン)とは、きのう初めて会ったという。 「(今週の)優勝スコアがどのくらいになるのか、ちょっと分からないね。昔は開幕前によく(優勝スコアを)言い当てていたけど、最近の若い選手たちのことはあまり知らないから」。「マスターズ」までの1試合1試合が、かつてのポジションに返り咲くための貴重なステップとなっていく。(カリフォルニア州サンディエゴ/今岡涼太)
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カメラクルーがストライキ 労働環境の改善を求めてデモ
米ゴルフチャンネルのカメラクルーらが、「ソニーオープン in ハワイ」最終ラウンドの行われている14日(日)、労働環境の改善を求める交渉の遅れを理由にストライキを起こした。 AP通信などによると、米男子ツアーの放映権を持つ米ゴルフチャンネルは映像スタッフらの労働組合と約9カ月にわたる協議を続けていたが、交渉は難航していた。会場のワイアラエCC周辺ではプラカードを持つスタッフ約15人によるデモも起きた。 今大会の放映権を持つ米ゴルフチャンネルのカメラクルーが会場に来なくなったことにより、日本での放送にも影響が出る可能性がある。(ハワイ州ホノルル)
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“持ち球”を変える 松山英樹が挑む2018年の変革
◇米国男子◇セントリートーナメントofチャンピオンズ 最終日(7日)◇プランテーションコースatカパルア(ハワイ州)◇7452yd(パー73) 「セントリートーナメントofチャンピオンズ」は、終わってみれば世界のトップクラスが上位に顔をそろえる結果となりました。 8打差の圧勝劇を演じた世界ランク1位のダスティン・ジョンソンをはじめ、今週の世界ランキングで初のトップ3入りを果たしたジョン・ラーム(スペイン)が2位、9位にジョーダン・スピース。そして調子がいまひとつにも関わらず、4位タイに食い込んだ松山英樹選手。今年のPGAツアーも楽しみだなと思わせてくれる顔ぶれがそろいました。 特に2018年こそメジャー制覇を果たしてもらいたい松山選手のプレーは、悪ければ悪いなりに結果を残す、昨年と変わらない“真の強さ”を感じさせる内容でした。そんな中、今年はどの部分に着目すると、観戦がより楽しくなるかを考えてみました。 昨年末に直接インタビューした際、彼はドライバーショットに納得がいかないという発言をしていました。昨季のスタッツを見ると平均飛距離は2015-2016年の294.5yd(65位)から、303.3yd(26位)へと一気に伸ばしています。明らかに進化しているように思えますが、納得のいかない要素が含まれているようなのです。 それは飛距離が伸びた分、ボールが曲がってしまうという悩みです。一見当たり前のように思える悩みですが、単に「方向性を上げたい」というものではなさそうです。 ここ数年は「フェードヒッター」の印象が強かったですが、もともと強いドローボールを武器にしていたため、どちらかというとドローのほうが球筋をイメージしやすいのだと思われます。 松山選手がこれまで賞賛した選手を並べても、それは明らかです。アダム・スコット(オーストラリア)やロリー・マキロイ(北アイルランド)に加え、おととし出場した日本オープン練習日には、兼本貴司選手のショットを参考にしてスイング修正したという事実があります。上記の3名に共通しているのが、ドローを得意とするという点です。 フェードで飛距離を伸ばした分、飛距離を落とさずドローに寄せたい。左寄りに打ち出していたものを、もう少し真っすぐに戻したい。そういう意図が、納得のいかない原因のひとつなのだと感じました。 ただ、“持ち球”を変えるということは、そうたやすいことではなく、大きなリスクも伴います。ドローからフェード、フェードからドローに変えたことで、結果を残せなくなったプロを何人も見てきました。 持ち球を変える――文字で説明してしまうと“微調整”のようなことかもしれませんが、300ydを超えるショットにとって、この変化は我々が想像しているより遥かに難しいことと言えるでしょう。 「スイング改造」という呼び方を好まない松山選手。果たして「スイング修正」でどこまで理想に近づけることができるのでしょうか。私はこの小さいようでとても大きな変革を、2018年最大の見どころに置きたいと思います。(解説・佐藤信人)
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最新1Wでビッグドライブ連発 DJの優勝ギア
数字は嘘をつかないと言われるが、「セントリートーナメントofチャンピオンズ」の平均飛距離に関しては、必ずしもそうではなかった。 1週間を通したダスティン・ジョンソンの平均飛距離はわずか296.3ydであり、日曜の平均飛距離は297yd。しかし、日曜にカパルアのプランテーションコース12番に降り立った世界ナンバーワンは、バッグからテーラーメイド『M4ドライバー』を抜き取ると、前ホールでボギーを叩いた鬱憤を晴らすかのように430ydを飛ばし、パー4でタップイン圏内へと寄せた。 このイーグルを皮切りに、ジョンソンはそこからの5ホールを5アンダーで回り、最終的には後続に8打差をつける通算24アンダーの「268」で優勝を飾った。この日曜日、ジョンソンは370yd越えのドライブを6回も放ち、うち2回は400ydを越えていた。 使用したドライバーにはツイストフェースと呼ばれるテクノロジーが搭載されており(姉妹モデルの『M3』も同様)、トウ側へ行くほどオープンに、そしてヒール側へ行くほどクローズにたわむ形状になっている。アドレス時の見分けはつかないが、従来のモデルに比べ、同モデルは芯を外したヒットに強く、より真っ直ぐ飛ぶようにできているという。 週の初め、ジョンソンは練習で『M3』と『M4』をテスト。『M4』のティショットで好みのフェードが得られなかったため、ドライバーを標準的なセッティングに戻す形で一目盛りオープンにした。今後、『M3』へスイッチすることも考えられるが、今回は『M4』の方がよりストレートな弾道が出ると判断した。 ジョンソンは他にも同じくテーラーメイドの『スパイダー ツアー ブラック』『DJプロトタイプアイアン』、そしてフェース全面に溝の入った64度の『ミルドグラインド ハイトウ ウェッジ』をバッグに入れていた。 (米ゴルフダイジェスト誌:E.Michael Johnson 翻訳:平床大輔) 使用ギア一覧 ドライバー:テーラーメイド M4 ドライバー(9.5度) シャフト: 藤倉ゴム工業 スピーダー エボリューション フェアウェイウッド:テーラーメイド M4 フェアウェイウッド(3番16.5度) アイアン: テーラーメイド P790 アイアン(3番)、テーラーメイド DJプロトタイプ アイアン(4番~PW) ウェッジ: テーラーメイド ミルド グラインド ウェッジ(52、60度)、テーラーメイド ミルドグラインド ハイトウ ウェッジ(64度) パター: テーラーメイド スパイダー ツアー ブラック ボール: テーラーメイド TP5x ボール (C) 2018 Golf Digest Publications. All rights reserved
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石川遼、史上最年少で選手会長に就任
国内男子ツアーのメンバーで構成されるジャパンゴルフツアー選手会は5日、都内で理事会を開き、石川遼を選手会長に選出した。26歳110日での選手会長は史上最年少となった。 会長は選手たちからの互選で決まった。昨年までの2年間、同職を務めた宮里優作からバトンを受け取った石川は、「ことしから選手会長に就任させていただいた。前会長の優作さんからお話もいただいて、ほかの理事の方からも推薦をいただいた。自分自身もゴルフ界のためならと思っていたので、その場で決断させていただいた。ゴルフ界発展のために全力を尽くしたいと思います」と決意を示した。 副会長は宮里優作、薗田峻輔、深堀圭一郎の3選手。 石川は2013年から米ツアーを主戦場としていたが、昨年秋に出場権を失い、今年は日本ツアーにフル参戦する。
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スピースが婚約を発表 2018年は「未知の一年」
◇米国男子◇セントリートーナメントofチャンピオンズ 事前(2日)◇プランテーションコースatカパルア(ハワイ州)◇7452yd(パー73) 世界ランク2位のジョーダン・スピースは2018年もカパルアで一年をスタートさせる。前年のツアー優勝者だけに出場資格が付与される大会を前に、24歳は高校時代から交際していた同い年のアニー・ベレットさんと婚約したことを発表。家族が増える新年への抱負を語った。 スピースは昨年のクリスマスに、左手の薬指に指輪を通したベレットさんとの2ショット写真がSNSなどで流出。4日(木)開幕の米ツアー「トリートーナメントofチャンピオンズ」2日前の公式会見で婚約を認めた。式の日取りなど具体的なプランは明かさなかったが、両家の家族と過ごした“記念日”を「素晴らしい夜だった」と振り返った。 昨年は「全英オープン」を制し、24歳にしてキャリアグランドスラムには「全米プロゴルフ選手権」のタイトルを残すのみ。今大会も過去3度(14、16、17年)の出場で、1勝を含めトップ3を外さない屈指の相性を誇る。PGAツアー公式サイトのパワーランクは1番手に推されるが、2018年に関しては「数人の若手選手が開花のときを迎えるかもしれない。未知であり混沌とする1年になるはずだ」と推測した。 2016-17年シーズンはスピース、同級生のジャスティン・トーマス、松山英樹、世界ランクトップのダスティン・ジョンソンの4人で計15勝を挙げツアーを席巻。ジョン・ラーム(スペイン)らも台頭し、「若くて才能のある選手たちと30代のダスティン・ジョンソンとの争いは、さらに深まることになるだろう」と述べた。 昨年12月のツアー外競技「ヒーローワールドチャレンジ」で約9カ月ぶりに競技復帰を果たしたタイガー・ウッズについても触れ、「今年の結果があまり予測できない最大の理由はタイガーが復帰する(と思う)からだ。僕にとっても興奮することだし、(タイガーの復帰が)最も意味を成すことは、ゴルフをしない人たちにとっても関心ある話ということだ」と語った。 「メジャーが待つここからの6カ月は非常に重要な意味を持つよ」と引き締める。「正直、昨年の途中まではナーバスになっていた時期があった。でも『全英オープン』を勝って自信を取り戻して落ち着いている。いまは失敗も成功もする準備が出来ているよ」と穏やかに話した。(ハワイ州カパルア/林洋平)
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スピースが婚約!?SNSに2ショット写真でメディア憶測
世界ランキング2位のジョーダン・スピースが婚約したのではないか、との憶測が広がっている。米Golf Digest誌などがクリスマスの今月25日、かねて交際していた女性との2ショット写真をツイッターにアップ。女性の左手薬指に指輪がはめられており、米メディアは「スピースが婚約したようだ」と報じている。 米Golf Digestのツイッターより ただ、メディアは写真について「SNS上で出回っている」としか説明できておらず、もともとの出処は不明。スピース本人や代理人はこれまで、コメントを出しておらず“裏付け”は取れていない段階だ。 お相手は、ツアー会場でも目撃されてきたアニー・ベレットさん。報道によると、テキサス州の同じ高校に通い、当時から交際していた。 24歳のスピースはメジャー3勝。米経済誌フォーブスによるアスリート長者番付2017年版では21位に入り、年間で推定3450万ドル(37.9億円)を稼いだとされる。 32歳で米ツアーを主戦場とするコルト・ノストは自身のツイッターに「世界中の若い女性たちは胸が張り裂けそうだろうね。おめでとうgolden child(※スピースのこと)」と記した。
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だからやめられない… 中年独身男が「ファン感謝デー」にハマる理由
年末は各クラブメーカーが企画する、ファンと契約選手の交流イベントが目白押しだ。「交流? 何するの?」参加したことのない人にとっては不明な点が多いだろう。先日行われたピン(PING)の「ファン感謝デー」に参加したファン代表 ミヤGさん(仮名、40代独身)にその魅力を聞いてみた。 (ミヤG)「賞金女王、おめでとうございます」 (鈴木愛、以下「愛」)「…あ、ありがとうございます」 (ミヤG)「写真一緒にいいですか?」 (愛)「…ハイ」 (ミヤG)「……」(同伴者にカメラを渡し撮影『カシャ!』) (愛) 「……」 (ミヤG)「ありがとうございます」(と言いつつ握手) (愛)「あ、ありがとうございます」 (ミヤG)「来年も頑張ってください」(ニコッ) (愛)「……ハイ(薄笑)」 初対面のオジさんに少し引き気味の鈴木愛プロに、「完全に人見知りだなーと思ったけど、お願いしたことはすべて快くやってくれて好感触」とご満悦のミヤGさん。シーズン中の試合会場では気が引ける行為でも、正々堂々とお願いできてしまう。確かに交流イベントならではのメリットだろう。 この日の参加者は、抽選で当たった38組151人。2020年の「日本オープン」も開催予定となっている名門「紫カントリークラブ すみれコース」が会場だった。参加費はプレー代込みで2万5000円(税込)。やや高いと感じた筆者に対し、ミヤGさんは「名門コースでのプレーに加え、憧れのプロと交流できるとくれば、安いというかプライスレス」と浅はかなコスパ思考を一蹴するのだった。 ミヤGさんが次に交流をもったのは同契約の上原彩子プロ。数字が刻まれたくじを引き、出た目の数字のショットを上原が1打だけお助けしてくれるというもの(「3」が出たら3打目を打ってくれる)。「いつもはテレビ画面の向こう側の存在であるプロが自分のボールを打ってくれる。テンション上がるよ」とミヤGさん。 次は同契約の男子プロが1ホール一緒にまわってくれるサービス。ミヤGさんは塚田好宣プロと一緒にプレーを行い、そのショット力に舌を巻いたとのこと。「楽しい会話を挟みながらプロと一緒にプレーできる幸せは、えも言われぬ優越感を刺激する」と嬉しそうに振り返った。 プレー終了後のパーティーでは、多くの参加者に豪華賞品が贈られた模様。プロ直筆のサイングッズやピンの最新クラブなど、参加者の3分の1には何かしらの賞品が配られるほどの賞品数だったという。プロとの交流はプライスレスと言うものの、特典の面でも元が取れてしまうほど満足感を得られるというわけだ。 最後は今年の年末に行われた、そのほかのイベント概要をご紹介。お気に入りのブランドや一緒にラウンドしてみたいプロがいれば、来年はぜひ参加してみてはいかがだろう。 ■ブリヂストンゴルフ イベント名:BRIDGESTONE GOLF ドリームフェスタ 2017 実施日:12月7日 場所:レイクウッド総成カントリークラブ 参加人数:128人 参加費:10万円(税込) 参加プロ:宮里藍、宮里優作、宮本勝昌、片岡大育、堀琴音、渡邉彩香ら29人 ■ヤマハ イベント名:ヤマハ ファン サミット 2017 実施日:12月12日 場所:葛城ゴルフ倶楽部 山名コース 参加人数:36人 参加費:1万円(税込)+プレー費2万6000円(税込) 参加プロ:藤田寛之、谷口徹、大山志保ら6人 ■プロギア イベント名:RSカップ「TEAM PRGR」とのスペシャルラウンド 実施日:12月21日 場所:千葉カントリークラブ野田コース 参加人数:9人(RSカップ決勝大会上位者/シングルス部門3人、ダブルス部門3組6人、キャンペーン当選者3人) 参加費:無料、プレー代別(予選・決勝までのエントリーフィーは別途必要) 参加プロ:矢野東、小平智、原江里菜ら7人
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21歳のシャルマが優勝 日本勢は川村20位で最上位
◇インドツアー◇マクラウド・ラッセル ツアー選手権 最終日(24日)◇ロイヤルカルカッタGC(インド)◇7237yd(パー72) 最終日に4アンダー「68」をマークした21歳のシュバンカー・シャルマが、通算17アンダーとして逆転優勝。2打差の首位から出たラシド・カーンを1打差で振り切った。2週間前の南アフリカで、欧州、アジア、サンシャインの3ツアー共催試合を制した勢いは止まらなかった。 前半9番(パー4)でイーグルを奪ったカーンが2打差をつけて折り返したが、サンデーバックナインが勝負となった。 4日間72ホールでわずかにボギーは3つのシャルマは、15番、16番と連続バーディを奪ってこの9ホールを1アンダー。一方のカーンは、1バーディ、3ボギーと今週初めてのハーフオーバーパーを叩いて「38」。この日「71」と1つ伸ばして通算16アンダーとしたが、シャルマにはわずかに1打及ばなかった。 今季最終戦で4位に入ったシャミン・カーンが、2012年以来となる2度目の賞金王に輝いた。 日本勢は通算1アンダーの川村昌弘が20位。通算1オーバーの小斉平優和が26位、通算2オーバーの和田章太郎が30位で4日間の戦いを終えた。
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宮里優作が50位に浮上 初のマスターズ出場権/男子世界ランク
今年の男子世界ランキング対象競技が24日までに終了し、2017年最終となる31日付の同ランキングが一週間前倒しで発表。来年「マスターズ」(4月5日~)の出場資格が得られる、年度末の50位までが確定した。 日本人では新たに35位の池田勇太、50位の宮里優作が獲得。年内に出場を決めたのは、すでに資格を得ている松山英樹を含めて3人となった。池田は2年連続4回目。先週時点の52位から圏内に入った宮里は初出場となる。 先週49位にいた小平智は51位にはじき出され、年内の「マスターズ」出場権を惜しくも逃した。次に資格を得るには、3月26日付の同ランキングで50位以内に入ることが条件となる。以降の日本人は谷原秀人が69位、今平周吾が85位で続いた。 また、宮里と同じく圏外から滑り込んだのは、かつて日本でプレーしたキラデク・アフィバーンラト(タイ)。先週51位から49位に浮上して出場権を得た。 松山は5位から変動なし。1位から4位までのダスティン・ジョンソン、ジョーダン・スピース、ジャスティン・トーマス、ジョン・ラーム(スペイン)にも動きはなかった。
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「流れが来なくても勝てる選手に」 松山英樹2017年末インタビュー(4)
松山英樹の世界ランキングは2017年、一時2位まで浮上した。2016-17年のPGAツアーの年間ポイントレース(フェデックスカップ)は、レギュラーシーズンを終えた段階で1位だった。いまや押しも押されもせぬタレントのひとりとして、その存在感は際立っている。 上達しているとはいえ、英会話の未熟な松山をどう描くか、というのは海外のメディアにとっては至難の業である。その中でも「ヒデキ・マツヤマはこういう選手である」という特徴についての表現は、いくつかのポイントで定着したと言っていい。 ショットを打った直後、クラブから片手を離すシーン。大きなミスをしたように見えて、ボールがフェアウェイにあったり、グリーンに乗っていたりするケースが多くある。だから、テレビ中継では驚きを込め、笑いの対象にもなっている。 松山はそんな仕草を「基本的にはミスショットなんですよ」と解説する。「(スイングの)ミスをしても、たまたまフェース面が真っすぐになっているから、真っすぐ飛んでいるだけ。それか、クラブが良いんでしょう。仕方ないんですよね、クラブを離したくなくても、離れちゃう。そういうときは、それだけバラバラになっている。ワザと手を放して調節をしているつもりはない。とっさなんでしょうね。手を離さなかったらボールが曲がるんだと思う。手が離れて“芯を食っている”こともあります。でも、そういう時は曲がります。芯に当たっていないと、フェアウェイに行くことが多いかな」 真っすぐ飛んだのにガッカリしている、バーディチャンスについたにも関わらず“この世の終わり”のような表情を浮かべている。ただ、そんな姿は飽くなき向上心から来る。「イメージしているボールの逆球でピンに寄っても嬉しくない。真っすぐ行って良かった…とも思うけれど、『良かったけれど、今のはダメだよな』と思うことが多いんです」と言うのだ。 スイングについてもうひとつ。外国人の視線をくぎ付けにしているのが、クラブを振り上げてから、下ろすまでに生じる“間”である。「松山のスイングはトップで止まる(ポーズする)」と話題を呼び、「ヒデキのクラブが止まっている間にコーヒーが飲める」というジョークもツアーのSNS投稿で広まった。 「真似はできないだろうね、と思います」と松山。注目すべきは「止める意識は僕にはない」という説明だ。 「僕は止めようとは思っていない。大学に入った頃、スイングを変えてからこうなったと思います。もともと(テンポは)ゆっくり振っていましたけど。自分としては常に動いている意識なんです」。クラブがポーズしているように見える時間の長さと、打球の行き先やショットの感触との関係性は特に見当たらないという。ボールを今放たんとする、息をのむ一瞬の間は、なんともミステリアスな時間である。 2018年の松山は1月4日開幕の「セントリートーナメント・オブ・チャンピオンズ」で始動。プロ6年目もハワイで迎える。待望のメジャータイトルはいま、その目にどれほど見えているだろうか。 「うーん…わかんない。でも、目標はメジャーで勝つことなんで、それに合わせて練習もする。足りないものが何なのかは一試合ごとに分かってくる。課題はいっぱいありますよ、ショットも、パットも、アプローチも。やろうとしていることが、どこまでできるか…」 2017-18年シーズンが10月に開幕した後、松山はスイングに新しい動きを取り入れている。感覚的な要素を彼は言葉にはしない。ただ、試行錯誤の連続から来る苦悩が読み取れる。 「スイングを良くしようと思う中で、自分は“引き出し”は多いかもしれない。でも、いろんなことをやりすぎて迷っていることが多いですね。『こっちの方が良くなるんじゃないか…』『そっちのやり方の方がフィーリングが出しやすいんじゃないか…』と変えようとして、考え始めることが、悪くなっていく原因でもあるなとも思う」 現在、誰もが日本一のゴルファーであると認める一方で、本人はプロに転向してからいまだに“快心のフィーリング”で打ったことがないと事あるごとに言う。背中、手の指、股関節、腰といった具合に、特にプロとしてのキャリアを歩み始めた頃は多発する故障に悩まされた。見る側からすれば考えられないが、松山はケガに悩まされる前の感覚を失った気がしてならない。それを追い求めながら、プロのキャリアを歩んできた。 「なんていうんですかね、野球で例えると『外角低めのストレートを投げられるピッチャーは強い』みたいな感じです。それってピッチャーの基本じゃないですか。それがあるか、ないかなんですよ。自分の中でもう一回、そこの“何か”が分かれば、おもしろいかなと。チャンスは…安定するかなと思うんです」 25歳にしてPGAツアーで5勝した。うち2つは準メジャーの格を持つ世界選手権で勝ちとった。メジャー制覇のために必要な実力はもう十分。タイミングさえ合えば、流れにさえ乗れれば……必ずその瞬間はやってくると信じているのは、なにも日本人ファンだけではない。 ただ、本人はそんな議論を真に受けるつもりはない。 「必要なのは流れだけ?いや、関係ないっすよ。流れが来なくても勝てる選手だったら、一番強いじゃないですか。僕が思うのは、それですよ」。彼の頭の中には明確な理想像がある。「それが一番強いときのタイガーじゃないですか。タイガーは自分で流れを作るのがうまかったのも間違いないと思うんですけど、流れが悪い時でも勝ってきたじゃないですか。そうでないとPGAツアーで、5試合連続とか6試合連続とかで勝てないじゃないですか」 頂点に立つ日は、もうすぐそばに来ているかもしれない。それでも、松山英樹が求めるのは激流にも抗える、強靭な逞しさ。全盛期のタイガー・ウッズの強さそのものである。(完・編集部/桂川洋一)