文=池田敏明

ロナウドの自宅は6億2000万円、メッシは10億円!

 リオネル・メッシとバルセロナとの間で、新たな契約が間もなく締結されるという。

クラブとアルゼンチン人FWの契約は2018年6月まで。ここ数日の間にバルセロナ会長バルトメウと代理人である父ホルヘ・メッシが交渉の場を持ち、お互いの姿勢に歩み寄りがあったとのこと。現時点ではまだまだ詰めなければいけない部分があるため合意と発表することはできないが、ベースとなるお互いの意志や条件については話し合いが行われているとのことだ。
メッシ、バルサとの契約交渉大きく前進 スペイン紙 - スペインリーグ : 日刊スポーツ

 契約交渉が始まった当初は、バルサが提示した「年俸3500万ユーロ(約43億円)」をメッシ側が拒絶したという報道もあっただけに、いったいどれほどの額で契約が結ばれるのか、といった部分にも注目が集まる。

 そのメッシとレアル・マドリーのクリスティアーノ・ロナウドは、現役サッカー選手の“2大セレブ”ともいえる存在だ。アメリカの経済誌『フォーブス』が発表した2016年のアスリート年収ランキングではC・ロナウドが1位、メッシが2位となり、生涯収入ランキングでもC・ロナウドは620億ドル(約703億円)で14位、メッシは520億ドル(約590億円)で17位となっている。

 並の散財では使い切れないほどの資産を有している両者だが、では実際、彼らはこれまでにどんなものを購入してきたのだろうか。

 まずは不動産。C・ロナウドはマドリッドのポスエロ・デ・アラルコンという場所のラ・フィンカ地区に、6億2000万円の豪邸を構えている。これまでに自らが何度もその内部を公開しているので、どのような作りなのかご存知の方もいるはずだ。近くには母親が住む家もあるそうで、これもC・ロナウドが建てたものに違いない。

 「自宅は1軒あれば十分」というのは庶民の感覚のようで、C・ロナウドはニューヨークにも不動産を所有している。しかも、その物件はあのトランプタワーの一室で、購入金額は21億円と言われている。

 一方のメッシは、バルセロナ郊外のカステルデフェルスに10億円の自宅がある他、カンプ・ノウ近辺の高級マンションにも3億1000万円の部屋を持っている。カステルデフェルスの家は、当初の購入金額は2億2000万円ほどだったが、その後、リフォームや拡張を繰り返し、隣家の騒音問題に悩まされた際にはその家を丸ごと買い取って問題を解消している。また、2016年にはパリの高級アパルトマンに10億3000万円の部屋を購入し、「パリ・サンジェルマン移籍への布石か」と報じられた。

ケタ違いの散財の一方で慈善活動にも注力

©Getty Images

 C・ロナウドはホテル事業にも強い関心を示しており、モナコのホテルを173億5000万円で買収しただけでなく、ペスターナ・ホテル・グループに45億円以上を投資し、故郷のマデイラ島やポルトガルのリスボンに「ペスターナCR7」ホテルをオープンさせている。将来的にはマドリッドやニューヨークでの開業も目指しているようで、ここでトランプタワーの部屋を購入したことがつながってくる。23億5000万円のプライベートジェットも購入済みなので、将来は世界中を飛び回りながら生活することになるのだろう。

 不動産以外で両者が数多く購入しているものに車が挙げられる。R・マドリー、バルサともアウディ社とスポンサー契約を結んでおり、選手たちは同社の高級車を提供されているが、2人ともそれとは別に高級車を何台も所有している。C・ロナウドはフェラーリやロールスロイス、ランボルギーニなどを所有しているが、昨夏、ユーロ2016で優勝した自分へのご褒美として、3億1000万円のスーパーカー「ブガッティ・ヴェイロン」を購入した。

 一方のメッシも車好きで知られており、フェラーリやマセラティ、レクサスなどを所有している。また、昨年2月、パリのオークションで「フェラーリ335Sスパイダー・スカリエッティ」が自動車史上最高額の約40億円で落札されたのだが、これを落札したのがメッシだった、ともうわさされている。さらに、このオークションでメッシと最後まで競り合ったのがC・ロナウドだった、という、半ば都市伝説のような話まであるのだ。

 ここまで挙げたものはすべて「自分のため」の買い物だが、私利私欲を肥やしてばかりはでない。C・ロナウドは15年に「最もチャリティー活動に熱心なアスリート」に認定されるほど、数々の慈善活動を行っている。16年6月には15-16シーズンのチャンピオンズリーグ優勝ボーナスとして得た約7500万円をチャリティー団体に全額寄付し、同年12月にはNGO団体「セーブ・ザ・チルドレン」を通じてシリアの子供たちを支援するための多額の寄付(金額未公表)をしている。また、04年のスマトラ沖地震で救助された少年を援助し続けたり、脳疾患の幼児の手術費用を全額負担したりと“フェイス・トゥ・フェイス”の活動も熱心に行っている。

 一方のメッシは07年に「レオ・メッシ財団」を設立し、他の慈善団体と協力しながら様々な活動を行っている。豪奢な私生活はスターの証だが、これらの活動に熱心な点も、彼らがトップアスリートであり続けられる理由の一つではないだろうか。

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池田敏明

大学院でインカ帝国史を専攻していたが、”師匠” の敷いたレールに果てしない魅力を感じ転身。専門誌で編集を務めた後にフリーランスとなり、ライター、エディター、スベイ ン語の通訳&翻訳家、カメラマンと幅広くこなす。