知識も付加価値もいらない

我孫子「その頃、マイケル・ジョーダンって、どんな人だと思っていたの」

安達「バスケットの選手だってことしか知らなかったです。ビクトリーに載っている、我孫子さんの連載『スポーツとファッション』のバッシュの回を読んで、ハッとしました」

我孫子「話を足元というか、ファッションに戻すと、高校生の頃は、どんなスタイル?」

安達「しょっちゅうは買えないですけど、フリーシティとかブルーブルーとか、アメカジ系のセレクトショップがあったので、友達と遊びに行ってました」

我孫子「アメカジだと足元は……」

安達「スニーカーじゃないときは、ティンバー(ランド)とか」

我孫子「確かにアメカジにワークブーツいいですよね。でも、ヒップホップと、ティンバーも親和性高いから、その流れもどっかにあったの」

安達「ウータンクランとか、ヒップホップの流れもあるかも」

我孫子「ヒールとかはまったく履かなそうだね(笑)」

安達「まったく履きませんでしたし、今でも好きじゃないです。ヒールでダンスしなきゃいけないときとか、お仕事でのドレス以外のときは、代わりに厚底で頑張ります」

ファッションとスニーカー

我孫子「さて、じゃあ、いよいよ、安達さんがわざわざ持ってきてくれた自慢のスニーカーたちをお願いします」

安達「じゃん!」

我孫子「マウンテンリサーチ×エイリアンスタンパーね」

安達「ひとめぼれでした」

我孫子「かわいいですね。もともとエイリアンスタンパーが有名になったのは、その名の通り、映画『エイリアン2』がきっかけなんです」

安達「へぇ。そうなんですね」

我孫子「主人公のエレン・リプリーが履いていて。確か近未来的な宇宙靴みたいな映画側のリクエストにリーボックが応えて、1986年に誕生したと記憶しています。マウンテンリサーチは、山と都会での暮らしのなかで得た着想をマッシュアップしたブランドです。そんな両者のコラボモデルですね。このスニーカーでダンスもするの?」

安達「これは、ほんと形というか佇まいに一目惚れで。兄は、踊るスニーカーとお気に入りのスニーカーが被るんですけど、私は見た目が好きなスニーカーに、踊りやすさは求めないタイプです」

我孫子「あくまで、身に着けるファッションのアイテムってことだね」

安達「最初は、クシュッとした靴下と合うんじゃないかと思ったんですけど、ハイカットだと足首が隠れちゃうので、自分にはあんまり似合わなかったという。でも、とにかくスニーカー自体の形が大好きなので、自宅で、寝間着のときなんかにわざわざ履いて、ひとりで鏡見て、にやにやしたりして……」

我孫子「だから、状態が新品同然なんだ」

レアスニーカーとファッション

我孫子「逆に、こっちはめちゃくちゃしっかり履き込んでますね」

安達「昨日も、一昨日も、正直、ほぼ毎日履いてます」

我孫子「アンダーカバー×ナイキのISPA」

安達「これ、たしか4色でリリースされて、黒、白×黒、赤×黒、それと白。本当は白が欲しくて、表参道のアンダーカバーに朝から並んだんですけど、白はもうなかったです」

我孫子「ああ、そこまで好きなんだ。僕の頃、ようは90年代とかは、そういうリリース情報って、口コミというか店員さんと仲良くなって教えてもらうみたいな感じで。あとは雑誌。安達さんは、SNSでしょう」

安達「そうですね、インスタとか。雑誌はほとんど見ないです」

【Dispatch 9】に続く


安達葵紬 あだちあおぎ
1999年3月4日, 長崎県生まれ. 二人組ユニット「カノサレ」のメンバーとしての活動を中心にモデル, 舞台などで幅広く活躍している.西日本鉄道株式会社のCM「空気イス女子高生」では高い身体能力を発揮. 映画『なつやすみの巨匠』(2015), 『ファンファーレ』(2023)では, 名だたる出演者のなかにありながら独特の存在感を放っている.


VictorySportsNews編集部