有明コロシアムで「アーバンスポーツ体験プログラム」開催
有明コロシアム(江東区)では3月8日に小学生を対象にした「アーバンスポーツ体験プログラム」が開催された。アーバンスポーツとは大規模なスタジアムやアリーナではなく、広場やストリートといった日常的な場所が会場となるスポーツのこと。アーバン(urban)は英語で「都会的な」「都市的な」という意味だ。今回の体験プログラムでは、3×3バスケットボール、パルクール、ブレイキン、ボルダリングの4種目が参加費無料で体験できるアトラクションが用意されていた。
小学生でも安心・安全に楽しめる4種目のアーバンスポーツを無料体験

3×3バスケットボールは5人制バスケットボールの約半分のコートで行う、1チーム3人でプレーする独自ルールのバスケットボール。パルクールはフランスを発祥とするトレーニング文化で、走る・跳ぶ・登るなどの移動動作で心身を鍛えることを目的としている。ブレイキン(ブレイクダンス)は音楽に合わせてアクロバティックな動きを取り入れたダンスを披露する競技。パリ2024大会から正式に採用され、AMI(湯浅亜実)選手が金メダルを獲得した。ボルダリングはスポーツクライミングの種目で、高さ5メートル以下の壁に設定された複数のボルダー(コース)を制限時間内にいくつ登れたかを競う。
いずれも小学生が気軽に始められるスポーツではないが、それぞれのスポーツ団体にアトラクションの設置と講師の派遣を依頼し、初めて体験する小学生でも安心・安全に楽しめるようになっていた。
都立スポーツ施設を活用し、スポーツの魅力を発信

主催者である公益財団法人東京都スポーツ文化事業団の加藤毅さんに「アーバンスポーツ体験プログラム」を開催した狙いを語ってもらった。
「私どもは東京2020大会の水泳会場として新設された東京アクアティクスセンター(江東区)をはじめ、東京体育館(渋谷区)、駒沢オリンピック公園総合運動場(世田谷区)、東京武道館(足立区)の4施設の指定管理者として運営を行っています」
「その4施設に加え、東京都内には味の素スタジアム(調布市)、武蔵野の森総合スポーツプラザ(調布市)、カヌー・スラロームセンター(江戸川区)、東京都障害者総合スポーツセンター(北区)、来年9月に開館する、都立初の通年アイスリンク施設、東京辰巳アイスアリーナ(江東区)など、18の都立スポーツ施設があります。これらの施設を戦略的に活用し、東京都民にスポーツの魅力を伝える役割を担っています」
「その活動の一環として令和6年度は『アーバンスポーツ体験プログラム』を全部で7回開催しました。今回が7回目なのですが、これまでに初心者向けスケートボード体験教室、BMX・Kick bike体験会、スラックライン体験会、ボルダリング&ダブルダッチ体験会などを開催してきました」
「東京2020大会からスケートボード、自転車BMXフリースタイル、スポーツクライミング、3×3バスケットボールが新競技として採用されました。そこでアーバンスポーツに興味を持ってくださった方に、今回は基本的に小学生が対象ということになりますが、アーバンスポーツを体験してもらい、普及啓発と裾野拡大を図るのが目的です」
その目的が達成されていたことは、イベントに参加した子どもたちの楽しそうな表情を見れば明らかだった。パルクールやボルダリングは人生で初めて体験する子も多かったと思うが、目をキラキラさせながら障害物を飛び越えたりよじ登ったりしていた。
「今回のイベントを通じて『家の近くにこんなスポーツ施設があったんだ』と足を運んでくださったり、実際にアーバンスポーツを体験して面白さに気づき、同じアトラクションに何度もチャレンジしてくださったりしているお子さんの姿を見ると、開催してよかったなと思います」
「アーバンスポーツ体験プログラム」は残念ながら令和6年度で終了となるが、令和7年度も引き続き、東京都立のスポーツ施設を活用して東京都民にスポーツや施設の魅力を伝える新たな取り組みを実施する予定だという。
またその他にも、『あなたに「スポっと。」はまる都立スポーツ施設』をテーマに、都立スポーツ施設の魅力を詰め込んだ初のPR動画が公開されている。都立スポーツ施設の新たな一面やMy都立スポーツ施設を見つけるきっかけとして、ぜひチェックしてみてはいかがだろうか。
2025年、世界陸上&デフリンピック開催!さらなるスポーツ振興へ
「2025年は東京で世界陸上が開催されますし(9月13~21日)、デフリンピック(聴覚障害者の国際スポーツ大会)も初めて開催されます(11月15~26日)。デフリンピックは私ども事業団も準備・運営を行いますが、都立スポーツ施設が会場となる競技もありますので、多くの方にお越しいただき、スポーツに触れていただく機会になれば幸いです」
「スポーツフィールド・東京」プロジェクトのミッションは、2030年までに東京都民のスポーツ実施率(週1回以上スポーツをする人)を70%に向上し、さらに世界最高水準まで高めることや、障害のある東京都民のスポーツ実施率を50%に向上することなどが盛り込まれている。これらのミッションを実現するために、令和7年度もスポーツの魅力を伝える活動を続けていく。