#白鵬
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大相撲
荒れなかった春場所―横綱大関不在の中で、改めて歴代最強を考える
大相撲春場所は15日間満員御礼だった一方、横綱照ノ富士が初日から休場し、綱とりに挑んだ大関貴景勝は膝を痛めて途中から休んだ。これにより昭和以降で初めて横綱、大関陣が不在で開催された。優勝力士は関脇の霧馬山。番付的には順当な結果となり、来場所が大関獲りの場所となる。横綱、大関は国技の看板として特別視される力士たち。本場所にいないのは寂しかった。改めて一体、過去にはどんな横綱、大関がいたのか。それぞれの地位で歴代最強と思われる力士を独断と偏見で振り返ってみる。
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大相撲
稀代の横綱“白鵬”に相応しい断髪式
大相撲で史上最多45回の優勝を果たした元横綱・白鵬の宮城野親方の引退相撲が1月28日、東京・両国国技館で開催された。断髪式では現役時代の師匠だった間垣親方(元幕内竹葉山)が止めばさみを入れ、力士の「象徴」とも言えるまげと別れを告げた。長らく頂点に君臨し続けた稀代の横綱も、涙をこらえることができなかった。「体の一部がなくなった寂しさがありますね」と、こぼした。2001年九州場所後にまげを結ってから21年あまり。正真正銘、力士生活から離れるという事実を心の底から惜しんだ。
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大相撲
大相撲春場所展望 ~荒れる春場所は訪れるのか
13日からの大相撲春場所はさまざまな視点で興味深そうだ。新型コロナウイルス禍の中で、観客を入れての地方場所で最後に残されていた大阪。2月に入り、力士ら日本相撲協会員に大量の新型コロナ陽性者が判明した。通常開催がままならない中、来場者の割合を増やして実施される。新型コロナ対策はもちろん、かつては〝荒れる春場所〟が代名詞だった場所の優勝争いや、すねに傷を持つ力士たちの様子も気になるところ。テレビ中継ではちょっとマニアックなチェックポイントもある。
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相撲
大きく変わった引退への道筋 ~復活ひかり年6場所を完走した大相撲を振り返る
2021年の大相撲界は新型コロナウイルス禍の中でも年6回の本場所をやり遂げた。史上最多の優勝45度を誇る横綱白鵬の引退などビッグニュースもあった中で、今年を象徴するキーワードの一つに「復活」を挙げることができるだろう。転落した序二段から最高位にまで上り詰めた照ノ富士に代表されるように、さまざまな理由で番付を大きく落としていた関取経験者が返り咲き、大いに存在感を発揮。以前ではなかったようなカムバック劇もまた、現代の国技の一部分となった。
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大相撲
大渋滞の断髪式~コロナ禍で発生した数億円の機会損失
最近の大相撲界にはちょっと変わった光景がある。頭にまげを結っている親方衆が多いのだ。NHKのテレビ解説や動画投稿サイト「ユーチューブ」の企画などに出演したり、本場所の打ち出し後に警備担当で土俵周辺に集まったりする際に目にすることができる。これには新型コロナウイルスの影響で断髪式をなかなか行うことができない事情がある。名実ともに力士生活に別れを告げる節目の行事。チケット代をはじめとする収益は今後の活動資金に充てられる傾向にある大事なもので、税金も絡む現実的な部分もある。ここにきて徐々に再開の動きが出ているもののコロナの完全収束は見通せず、実入りの面などで若手親方衆にとって受難の時期はまだまだ続きそうだ。
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大相撲
稀代の横綱“白鵬翔”が駆け抜けた21年間
大相撲の横綱白鵬の引退が秋場所後、突然訪れた。優勝45回、通算1187勝など恐らく不滅ではないかと思われるほどの大記録を数々打ち立てた。その一方で、言動を問題視され、年寄「間垣」襲名時には、日本相撲協会の規則を守るなどの誓約書にサインするという前代未聞の条件が付いた。強過ぎたゆえに導かれた宿命に、急激な社会状況の変化も絡んだ稀代の横綱の力士人生。土俵を去るに当たり、さまざまな意味合いで存在感の大きさが改めて表出した。
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大相撲
勝負に徹した横綱白鵬~勝つための愚行
大相撲名古屋場所は終わってみれば〝白鵬劇場〟ともいうべき場所だった。進退を懸けて出場し、初日から14連勝。千秋楽には横綱に昇進せんとする大関照ノ富士との相星決戦を力業でものにし、45度目の優勝を全勝で成し遂げた。力士人生のピンチを乗り切った傍ら、場所後の横綱審議委員会(横審)で、またもやけちがついた。場所を通じ、角界に見え隠れしたさまざまな潮流があった。
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相撲
白鵬・鶴竜の引き際の美学とは ~照ノ富士にも共通する横風
まさかの事態で浮かび上がったのは、皮肉にも両横綱のハートの強さだった。大相撲春場所で初日直前に鶴竜が休場を表明したことに続き、白鵬も3日目から早々に休場した。ともに5場所連続の休場。昨年11月場所後には、休場の多さから横綱審議委員会(横審)から2人に「注意」の決議が出された。これは3段階ある決議事項の厳しさでは真ん中にあり、これより重いものは「引退勧告」しかない。「注意」は事実上の最後通告とも捉えられるが、再び休んだ上に、身を引くことを選択しなかった。精神的にタフでないとできない芸当だ。
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相撲
白鵬、鶴竜を待ち受ける荒れる春場所
3月の大相撲本場所は例年大阪で開かれ、波乱が起きやすいことから〝荒れる春場所〟と形容される。季節の変わり目で寒暖の差が大きく、体調管理が難しいことが一因に挙げられるが、新型コロナウイルス感染拡大防止のために今年は特別に東京・両国国技館で開催される。いつもと違う3月の土俵は、モンゴル出身の横綱2人にひときわ大きな注目が集まる。2月の時点でそろって35歳の白鵬と鶴竜。ともに休場が目立ち、昨年11月場所後の横綱審議委員会(横審)で「注意」の決議を受けた。特に鶴竜は進退を懸けることを公言し、春場所は引退と背中合わせ。両横綱にはさまざまな闘いが待ち受け、大変な立場でもある。
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相撲
失われる幕内最高優勝の価値~白鵬の引退とスイスドローの限界
スイスドローって同じ勝敗の力士が当たる方式ですよ。幕下以下では採用されていますが十両以上では採用されていません。 仮にスイスドローであればもっと早く上の力士と当たるので、真逆と言っても良いです。 -
カヌー
宮本武蔵に着眼し、五輪で頂点を目指す羽根田卓也
先人の名著には往々にして、後世でも通用する言葉がしたためられている。カヌーで日本勢初の五輪メダリストとなったスラローム男子カナディアンシングルの羽根田卓也(ミキハウス)。新型コロナウイルス禍によってコースでの練習ができない時期でも、工夫したトレーニング方法で話題となった。精神的支えとして挙げている言葉が「千日の稽古を鍛とし、万日の稽古を練とす」。絶え間ない精進の大切さが凝縮されている。これは生涯無敵の剣豪として知られる宮本武蔵が、兵法の極意を記した「五輪書」にある金言。令和の時代でも役立ちそうな至言がちりばめられている同書は、羽根田がたどる栄光への後押しにもなっている。
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相撲
調整能力がカギとなる“荒れる初場所“~徳勝龍の偉業と時代の変化
大相撲で〝荒れる〟との形容詞で表現されるのは、3月に大阪で開催される春場所と相場が決まっていた。番付で下位の力士が上位を倒す波乱が多いとされるためだ。しかし近年、異変が起きている。1月の初場所で、幕内で最下位の西前頭17枚目、徳勝龍がサプライズ初優勝を果たした。これで初場所は5年連続で優勝未経験の力士が制覇した。もはや〝荒れる初場所〟の様相を呈している。
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相撲
力士と観客の質の低下が招く大相撲の危機
江戸時代の娯楽性の高い相撲に戻してみたらどうでしょう。 取組と取組の間では寸劇を鑑賞し、笑ったり野次ったりしてまた取組を楽しむ、相撲とは元々そういうものでした。 土俵入りでは派手派手な装飾の着物を羽織り、鬼ヶ嶽なんてストIIのエドモンド本田ばりに歌舞伎のメイクしてたんですよ。 想像するだけで面白そうじゃないですか。 ヒーロー側力士、ヒール側力士みたいなのを作って庶民受けするパフォーマンスを盛り込んだ世俗的なエンターテイメントショーにすれば人気も出るし、多少のスキャンダルなら「だってお相撲さんだしね」で済まされるようにもなるでしょう。 変に品格を重んじて神事っぽい扱いにするから悪目立ちしてヒステリックに叩かれるようになるし、演出の自由度がないから若者の好みと齟齬が生じても新陳代謝できず発展がない、これでは若者の支持が得られないのは当然です。 まさに松本人志監督の「大日本人」そのままの道を歩んでいるのが今の相撲界だと思いますよ。 座布団投げにしたって観客のテンションが上がってる証拠なのに、ダメ言われたら「つまんな」って萎えますよね。 投げても危なくない会場構造を考えたり、安全なものを投げる代替案を考えたりなぜしないんですか? そういう努力をせずにただ禁止するだけだから自ら萎縮させてしまってるんですよね。1 Comment
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相撲
2019年大相撲を振り返って~世代交代を考える
2019年の大相撲界は「世代交代」というキーワードで語られてきた。貴景勝が3月の春場所後に22歳で大関に昇進し、5月の夏場所では25歳の朝乃山が初優勝と、次世代勢力の伸びがあった。ただ、幕内優勝力士を見ると白鵬2度、鶴竜と玉鷲が1度ずつと年6場所のうち4場所で30代が賜杯を抱いた。3場所はともに現在34歳の両横綱で、若手から中堅とされる力士たちが最高位の牙城を崩すまでには至っていない。
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