J1はPUMA、adidas、NIKE、UMBROが複数クラブに提供

 国際大会に出場して活躍するクラブ、国内外に多くのファンを抱えるクラブは、NIKEやadidas、PUMAといった世界的ブランドがユニフォームサプライヤーを務めることが多い。2年ほど前にサッカー界に新規参入したNew Balanceや、近年、少しずつシェアを伸ばしているUNDER ARMOURも、ビッグクラブとの契約を虎視眈々と狙っている。

 しかし、ユニフォームサプライヤーは有名ブランドだけが担うべきものではない。多くのスポーツブランドや衣料メーカーが参入し、各クラブと密な関係を築きながら双方の発展を目指している。Jリーグもその例外ではない。J1リーグ、J2リーグ、J3リーグ合わせて54クラブ、57チームがある2017シーズン、各クラブはどんなブランドとサプライヤー契約を結んでいるのだろうか。

 J1リーグを見ると、最大のシェアを誇るのはPUMAの4クラブ。川崎フロンターレのイメージが非常に強いと思うが、他に清水エスパルス、ジュビロ磐田、セレッソ大阪もPUMAと契約を結んでいる。静岡の二大クラブである清水と磐田はそろってPUMA。静岡ダービーは、PUMAダービーでもあるのだ。

 サッカーブランド界の二大巨頭であるNIKEとadidasは、それぞれ3クラブと契約。NIKEは鹿島アントラーズ、浦和レッズ、サンフレッチェ広島と、人気、実力を備えたクラブのサプライヤーになっている。昨シーズンのJリーグチャンピオンシップ決勝、今シーズンのFUJI XEROX SUPER CUPはともに浦和対鹿島のNIKEダービーとなり、特にゼロックス杯では両チームとも蛍光色のセカンドユニフォームを着用して話題となった。

 adidasは名門の横浜F・マリノス、そして東北地方、北陸地方の盟主的存在であるベガルタ仙台、アルビレックス新潟と契約している。横浜FMは一時期NIKEがサプライヤーを務めていたが、2011年からadidasとの契約が復活。「肩に三本線こそマリノス」とイメージするファンも多い。

 国産ブランドでは知名度の高いMIZUNOがヴァンフォーレ甲府に、asicsがヴィッセル神戸にユニフォームを提供している。珍しいところでは、柏レイソルのYONEXが挙げられる。元々はバドミントンやソフトテニスのメーカーだったが、2010年に柏側からサプライヤー契約を持ちかけられ、約半年間かけてユニフォームを開発し、翌11年にサッカー界に新規参入。J2で優勝し昇格を果たした柏はJ1を制し、クラブワールドカップにも出場と、YONEXはいきなりチャンピオンチームのサプライヤーとなったのである。

多彩な国産ブランドが名を連ねるJ2&J3

©Getty Images

 J1クラブのユニフォームサプライヤーは知名度の高いプランドばかりだが、J2になると様相が一変する。最多はATHLETAとMIZUNOの3チームで、adidasやPUMA、New Balanceなど5ブランドが2チームで続く。ATHLETAは元々はブラジルのブランドだが、現在は日本の「株式会社アスレタ」が商品管理をしており、日本のブランドとなっている。水戸ホーリーホックのGAViC、町田ゼルビアのsvolme、横浜FCのSoccer Junkyも国産ブランドだ。

 また、FC岐阜は今シーズンからNew Balanceとサプライヤー契約を結んでいる。

サプライヤーは新たに契約したNew Balance。彼らのグローバルテーマである『ACCELERATION(加速)』をコンセプトとしており、「加速=スピード感」を彷彿とさせるピンストライプ柄を採用した。
FC岐阜、2017新ユニフォームはNew Balance製!テーマは『加速』

 New Balanceは現在、プロ、アマチュアを問わず様々なチームや選手と契約を結んでおり、急激にシェアを広げている。来シーズン以降、さらにシェアを広げる可能性がある。

 J2の中で変わり種は、京都サンガのWacoalだろう。女性用下着メーカーのイメージが強い同社だが、京都に本社を置く縁もあり、07年から京都のユニフォームサプライヤーを務めている(07年から12年はCW-Xブランド)。京都を代表するクラブと企業がタッグを組んでいるという点で、非常に幸せな関係と言えるだろう。

 J3になると、NIKEやadidasがサプライヤーを務めるクラブはゼロ。ATHLETAやsvolmeに加え、gol.やbonera、sfidaといった国産ブランドが増えている。また、カターレ富山は08年にチームがスタートした当初から、同じ富山県で創業されたGOLDWinがサプライヤーを務めている。J2の京都&Wacoalと同様、地元企業同士の幸福な関係であり、ファンとしても感情移入しやすいのではないだろうか。

 YONEXやWacoalのように、意外と思えるブランドもJクラブのサプライヤーを務めている。かつてはUNIQLOやPhitenがザスパ草津(現・ザスパクサツ群馬)のユニフォームサプライヤーを務めていたこともあった。今後、驚くようなブランドがサプライヤーに名乗りを上げ、ユニフォームの胸にそのロゴマークが輝く可能性も、ゼロではないのだ。

池田敏明

著者プロフィール 池田敏明

大学院でインカ帝国史を専攻していたが、”師匠” の敷いたレールに果てしない魅力を感じ転身。専門誌で編集を務めた後にフリーランスとなり、ライター、エディター、スベイ ン語の通訳&翻訳家、カメラマンと幅広くこなす。