B1は4クラブがサプライヤーを変更

ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ、通称Bリーグは、9月29日に2シーズン目が開幕した。昨シーズンは栃木ブレックスが初代王者となったものの、今シーズンは選手が大幅に入れ替わった影響もあって開幕から苦戦を強いられている。東地区ではアルバルク東京、中地区はシーホース三河、そして西地区では琉球ゴールデンキングスと、前評判の高いチームが開幕ダッシュに成功しているものの、長いシーズンを考えると最後までどうなるかは分からない。

その戦いぶりとともに注目したいのが、各チームがどんなブランドのユニフォームを着用しているのか、という点だ。B1リーグ、B2リーグについて調査したところ、いくつかのチームが昨年からユニフォーム・サプライヤーを変更していることが分かった。

黄色は変更があったサプライヤー ©VICTORY

B1リーグでは、サンロッカーズ渋谷がUNDER ARMOURからChampionに変更している。サンロッカーズ渋谷は、Championを展開するヘインズブランズジャパン株式会社と3シーズンのオフィシャルサプライヤー契約を結び、今後の展開について公式ウェブサイト上で次のように明かしている。

「ウェアのサプライだけでなく、ファンやホームタウンの方々に向けたグッズの開発、オーセンティックアメリカンアスレチックアパレルの特性を活かし、ファッションやカルチャーの発信地である渋谷と連携した新たな取組みを行ってまいります。」

Championは100年近い歴史を持つアメリカのブランドで、1992年のバルセロナオリンピックでは、マイケル・ジョーダンらを擁するアメリカ“ドリームチーム”のユニフォーム・サプライヤーを務めるなど、バスケットボールウェアをブランドの中核に据えている。一方でパーカーやスウェットなどカジュアルウェアを展開するファッションブランドの側面も持ち合わせているため、渋谷に本拠を置くサンロッカーズ渋谷とのサプライヤー契約は、ヘインズ社にとってもメリットがあると考えられる。今後はバスケットボール関連のウェアだけでなく、カジュアルウェアでも様々なコラボ商品が作られていくはずだ。

また、京都ハンナリーズはSPALDINGから、デンマークのスポーツブランドであるhummelに変更した。hummelはサッカー・フットサルブランドのイメージが強く、2018年ロシア・ワールドカップへの出場権を獲得したデンマーク代表や、ジャパネットたかたが経営に参画し、クラブ史上初のJ1昇格を果たしたV・ファーレン長崎のユニフォーム・サプライヤーとなっている。しかしヨーロッパではフットサル以外にもハンドボールやバスケットボールなどインドアスポーツのサプライヤーとしての歴史も古く、今回の京都ハンナリーズとの契約により、日本のバスケットボール界に初参入することとなった。

京都ハンナリーズのユニフォームは新選組の羽織をモチーフにしており、パンツの裾には山型のダンダラ模様がデザインされているが、今シーズンのユニフォームの両サイドにはhummelの象徴とも言えるシェブロンラインがあしらわれ、ダンダラ模様と調和したデザインとなっている。

三遠ネオフェニックスは、SPALDINGからEGOZARUというブランドにサプライヤーを変更している。EGOZARUは「エゴイストな猿」をコンセプトとして2015年にスタートしたバスケットボールウェアブランドで、三遠ネオフェニックスが初のサプライヤーである。ユニフォームに加えて練習着、移動着を提供するだけでなく、Tシャツやタオルなどのグッズも販売していくという。真新しいブランドであるEGOZARUにとって、B1所属の三遠ネオフェニックスとの契約はブランドの知名度アップや製品開発の面で大きなプラスになるだろう。

京都ハンナリーズ、三遠ネオフェニックスとのサプライヤー契約が終了したSPALDINGは、新たに大阪エヴェッサとの契約にこぎつけている。両者はBjリーグ初年度の05-06シーズンから3シーズンにわたってサプライヤー契約を結んでおり、大阪エヴェッサはこの期間にBjリーグ3連覇を飾っている。今回、両者の関係が復活したことに伴い、ユニフォームのデザインも当時のものを復刻させている。SPALDINGのサポートを受け、再び黄金期を築けるかにも注目が集まるところだ。

丸井織物やbasketball junkyが新規参入

黄色は変更があったサプライヤー ©VICTORY

B2リーグに目を向けると、目を引くのがB3リーグから昇格した金沢武士団だ。すべて漢字というバスケットボールチームらしからぬネーミングもインパクト抜群だが、ユニフォーム・サプライヤーの丸井織物も異彩を放つ。丸井織物株式会社は繊維企業であり、IT企業でもあるという珍しい会社で、昨シーズンから金沢武士団のサプライヤーを務めている。従来は生地生産のみを行ってきたが、同社として初めての最終製品として制作されたのが金沢武士団のユニフォームだった。バスケットボールのユニフォームはニット製品が多いものの、「丸井織物」の名前のとおり、金沢武士団のユニフォームは織物製。ポリエステルの繊維を使用し、軽くて通気性に優れたユニフォームを提供している。

広島ドラゴンフライズは、UPSETからbasketball junkyにサプライヤーを変更している。basketball junkyを展開する株式会社1009は、soccer junkyやbaseball junkyなど、様々な競技に「junky」ブランドを展開している。soccer junkyはJ2横浜FCのユニフォーム・サプライヤーとなっており、フレンチブルドッグのClaudio Pandianiのロゴマークはサッカーファンの間でもおなじみとなっている。

広島ドラゴンフライズとbasketball junkyは様々なキャラクターグッズを共同開発・販売していくことを明らかにしており、すでに広島カープとコラボしたTシャツやタンクトップ、タオル、スマホケースなどを制作。Pandianiがカープのマスコット「スライリー」の被り物をかぶってドリブルするという独特のデザインが採用され、9月にはカープの公式戦で「広島ドラゴンフライズPRデー」が実施され、これらのグッズが販売された。

B2では昨シーズンに引き続き、国内の新興ブランドがユニフォーム・サプライヤーになっているケースが多い。クラブが実績を残せばサプライヤー契約を結んでいるブランドの知名度も高まり、新たなクラブとの契約に結びつく可能性もある。それぞれ独自の戦略を見せる中、飛躍を遂げるチームとブランドは出てくるだろうか。

大河チェアマンが語るBリーグの未来 必要なのは「居酒屋の飲み会をアリーナでやってもらう」という発想

2016年、長きにわたり待ち望まれていた新プロリーグ「B.LEAGUE(Bリーグ)」が華々しく開幕した。開幕戦では全面LEDコートの演出を実施し、試合情報の入手からチケット購入までをスマホで手軽に利用できる仕組みを導入するなど、1年目のシーズンから“攻めの姿勢”を見せてきたBリーグ。「2020年に入場者数300万人」という目標に向け、歩みを止めない彼らが次に打つ手、それが経営人材の公募だ。 前編では、Bリーグ・大河正明チェアマンと、公募を実施する株式会社ビズリーチ代表取締役社長・南壮一郎氏に、今回公募する人材に対する期待や、この取り組みの背景にある壮大な夢を語ってもらった。後編となる今回は、バスケットボールという競技の持つ可能性と、Bリーグの未来について語り尽くした。そこには、スポーツビジネスの神髄ともいうべき数々の金言があった――。(インタビュー・構成=野口学 写真=荒川祐史)

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[ユニ論]ユニフォーム・サプライヤーの最新勢力状況(Bリーグ編)

NIKEのイメージが強いバスケットボールブランドだが、Bリーグのユニフォーム・サプライヤーは意外な状況に。国産ブランドの健闘も目立つ。

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バスケを“文化”にできるか。Bリーグの現状と課題世界観」の演出で観客を惹き付ける 千葉ジェッツが示すBリーグの可能性田臥勇太にかかる大きな期待。主力流出の初代王者・栃木ブレックスを救えるか
池田敏明

著者プロフィール 池田敏明

大学院でインカ帝国史を専攻していたが、”師匠” の敷いたレールに果てしない魅力を感じ転身。専門誌で編集を務めた後にフリーランスとなり、ライター、エディター、スベイ ン語の通訳&翻訳家、カメラマンと幅広くこなす。