存続か、新しく作るか。新しく作るならデザインはどうするのか。すったもんだの挙げ句、莫大な費用を投じて造られることになった新国立競技場。2020に向けて各地に造られる競技専用施設の「負の遺産」化が懸念されているが、この都心の一等地にあるメインスタジアムも例外ではない。そこで手を挙げたのが日本サッカー協会の田嶋幸三会長だ。

「新国立を負の遺産としないためコンセッション方式に興味がある。競技団体として唯一手を挙げた」
「コンサートも年に7回から10回しかできない。どうやって収益を上げていくか知恵を出し合わないと。サッカーでできること、欧州でのスタジアム運営方法のノウハウも含めて提案できる」
なるほどと思いつつ、こうも思う。「え?いまさら?」。池田氏も同じような感想を持ったようだ。

「もともと新国立競技場は、球技専用にすると言っていたのですが、ここにきて大会後もトラックを残し、陸上競技にも使えるようにしようという話になっています。田嶋会長のようなポジションの方が“負の遺産”という強い言葉を使って、アフター2020について語ったことには意味があると思いますが、6〜8万人入る競技場を埋められるサッカーの試合が年に何試合あるのか……。途方も無い税金を投入して新国立競技場を造ったのに、大会後の有効利用についてノーアイデアだったことに驚きます」

現在は、2020を前にスポーツイベントが活況であり、全国各地にスタジアム計画が持ち上がっている。まさにその象徴ともいえるのが新国立競技場だ。その“再利用”は、決して簡単なことではない。もし民間事業者が運営権を得た場合、固定資産税などの支払いだけで年間数十億円がかかると言われている。黒字化するのはかなり困難な状況だ。

「東京ドームなら巨人戦はシーズン通してほぼ満員ですし、オフシーズンでも雨の心配がないのでコンサートやイベントも開催しやすい。でも新国立の場合、屋根がない上に天然芝、さらに騒音の問題もあるので利用法もかなり限られますよね」

2020年には次世代移動通信システム5Gがスタートし、“現場”に足を運ばなくても臨場感のある映像をリアルタイムに楽しめるようになる。また日本の人口、とりわけ子供の数は減少している。すでに観客動員を前提としたスポーツビジネスの時代は終わりつつあると言っていいだろう。

「私は、2020年はスポーツ界が盛り上がる最大のチャンスだと思っています。スポーツ界のトップにいる方々には、“負の遺産”なんてネガティブな言葉を使わず、スポーツビジネスの知恵を総結集して、このチャンスをどういかして、日本のスポーツを盛り上げていくか、ポジティブな提案をしてほしいですね。それが50年後、100年後の日本のスポーツの礎になると思います」




取材協力:文化放送

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