広島で話題となっているのは、Jリーグ・サンフレッチェ広島の新本拠地として使う構想になっているサッカースタジアム。約270億円をかけて広島市中区の中央公園広場にスタジアムを建てる予定だ。

「財源は、市と広島県の支出金に加え、国の交付金や企業・個人の寄付金、市債などで賄うとなっていますが、そもそも270億円もかけるということが、このご時世において、民意の共感を得るにはかなりの高額のようにみえてしまうのでしょうね…。100億くらいでなんとかしているスタジアムもありますし、行政主体にみえる構図の中、どうしても大きな金額にみえてしまうでしょうね。

 このサッカースタジアムについては、以前から話題になっていましたが、コロナ禍の今、寄付金が集まるのかもわかりませんし、市と県の負担割合も決まっていないそうです。もちろんオリンピック後のスポーツの盛り上がりに期待をしているのでしょうが、まだ先行きが不透明ですよね」

 一方、長崎が創業地であるジャパネットホールディングスが発表したのは、男子プロバスケットボールBリーグへの参戦。傘下にあるサッカーJ2のV・ファーレン長崎のスタジアムとバスケットボールチームのスタジアムに加え、オフィスやホテルなども併せ持つ、「長崎スタジアムシティ」を2024年に新設するという。

「こちらは2万人規模のサッカースタジアムと5000人規模のアリーナで総額700億円の大プロジェクト。25年で回収する予定だといいますが、ジャパネットさんという大企業ならではの計画ですね。

 プロ野球界では長崎は興行が難しい土地のひとつだといわれていて、私もベイスターズの社長時代に実際にやってチケットを売るのに苦労しました。もともとの人口もマーケットも大きくはないですし、サッカーとバスケだとシーズンもかぶります。その中で合計25,000人を頻繁に集めるというのは、福岡という大都市の先にもう一つ新しく、人の流れが辿り着く集約都市をつくるレベルの計画が必要なほどの壮大な計画でしょうし、地元発祥の大企業ならではの地域貢献の意識なのでしょうね」

 この2つのプロジェクトは、成り立ちが対照的だ。

「広島の場合、行政が主導するかたちとなり進めていますが、長崎は企業主導となっている。地方のスポーツを成立させる2つのスタンダードともいえます。もちろん私としては両方成功してほしいし、そのプロセスも楽しみにしています。

 そのためにも早くコロナ問題に一定の区切りがほしいですね。プロ野球やJリーグの観客数が増え、箱根駅伝も例年通りに行われ、そしてオリンピック開催。そうやってスポーツ界に勢いがついていけば、両プロジェクトにとっても追い風になるような気がします」




取材協力:文化放送

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