昨シーズンの開幕時以来となる公式戦の無観客試合。住まいが東京ではないため、スポーツバーでの観戦も考えたが、「人流を止める」宣言の意味を考え、4月27日は自宅でテレビ観戦した。

 画面の中で行われたゲームでは、両軍合わせて33安打、25得点の大乱打戦の末、ジャイアンツがスワローズを下して勝利。地上波中継されたフジテレビでは、試合途中で放送が終了したが、シーソーゲームの試合展開は大いに盛り上がった。

 その観戦中&これまでのテレビ観戦で感じた、無観客試合のプロ野球を観戦するうえでの個人的な楽しみ方、ポイントをまとめてみた。

ポイント1:リアルな“球音”は、臨場感たっぷり!

 パーン! ズバン! スパン! パシッ! の捕球音や、カン! ゴッ! カッ! という打球音。フェンス直撃の際のドスン! ボールがスタンドインした時のドゴン! ガン! アンパイヤのストラーイッ!に、チームメイトらのナイボ! ヘイヘイ! などの掛け声。そして、ヨッシャー! という選手の雄叫び。これらスタジアムで野球が行われる中で起こっている、観客が入った中では歓声や騒音によってかき消されてしまう音が、無観客試合ではリアルに聞こえてくる。

 昨シーズン、既に無観客試合を体験している分、個人的には新鮮味が薄れたが、初めて体験する人なら驚きとともにその臨場感に感動するはず。バファローズ・山本由伸のストレートがキャッチャーミットに収まるパーンという乾いた音、タイガース・佐藤輝明のバットがボールをつぶすカッ!という破壊音は、一聴の価値あり。

ポイント2:テレビ観戦はBS放送の副音声がベスト?

 テレビ中継での主流は、アナウンサーによる実況とプロ野球OBらによる解説がセット。実況は現場にいない視聴者に臨場感を伝え、解説は専門的な見方やOBだからこそ知る情報などを教えてくれる。野球好きのタレントらによる副音声も人気があるが、個人的なおすすめは、BS放送(NHK BS1など)の副音声。基本的に実況や解説はなく、スタジアムにある音のみをそのまま流すスタイルが多く、球場で生観戦しているのと同じ音を聞いていることになる。

 本来球場で観戦している際は他の観客もいて周囲の騒音込みになるので、グラウンドに近い座席でもない限り、ここまで聞こえない。つまり無観客試合の場合、スタジアムでの生観戦よりも“球音”がよく聞こえることになる。何でもない外野フライを「大きな当たり!」と演出してくれるラジオ+テレビ消音も昔からのおすすめ視聴法だが、無観客試合の今が一番楽しめるBS放送の副音声をこの機会に一度試してみてほしい。

ポイント3:ヒーローインタビューのお決まりワードが使えない?

 応援するチームが勝利した際の楽しみの一つが、試合後のヒーローインタビュー。勝利の余韻に浸りながらニヤニヤする至福の瞬間だが、第一声の「最高で~す!」とともによく聞くのが、「みなさんの声援のおかげで打てました!」「みなさんの声援が後押ししてくれました!」などのお決まりワード。もちろん選手がそう思ってくれているからこそのセリフなのであろうが、ファンの声援がない無観客試合ではちょっと使えない? もし無意識で言ってしまった選手がいたら、その後どんな空気になるのか観てみたい。

ポイント4:ユニフォーム、メガホンでテンションUP

 これは無観客というより、無観客試合ゆえ自宅観戦をする上でのポイントになるが、やはりユニフォームを着るとテンションは2割増し。メガホンはご近所迷惑も考えて5割軽く叩くことになるが、それでも応援するマインドは確実にアップする。個人的には家族の白い目やご近所さんのことも考えて、首位攻防などここぞの時にしかやらないが、テンションはリアルに上がるので、グッズをお手持ちじゃない方はネットで購入してぜひ試してほしい。



 以上、もろもろ楽しみ方として書かせてもらったが、もちろん本音はスタジアムを訪れて生で観戦したい。大声で応援歌を歌って、思いっきりメガホンを連打して、みんなと一体になって一投一打に一喜一憂したい。スタジアムを包み込むピンチやチャンス時の張りつめた空気感、逆転タイムリーや一打同点のピンチを切り抜けた際の地鳴りのような歓声、隣の知らないファンと交わすハイタッチ…。スタジアムでこそ体感できる快感をまた味わいたい。

 その日が来るまで、無観客の中で行われるプロ野球を今しか体験できない贅沢なものとして存分に堪能したい。


越智龍二

1970年、愛媛県生まれ。なぜか編集プロダクションへ就職したことで文字を書き始める。情報誌を中心にあらゆるジャンルの文字を書いて25年を超えた。会ったら緊張で喋れない自分が目に浮かぶが、原監督にインタビューするのが夢。