ーー1970年の大阪万博の2年後に建設された万博記念競技場は、施設の老朽化が目立ち始め、2000年代に入ったころから専用スタジアムを求める声が高まってきました。この動きが本格化したきっかけは
「2007年11月にナビスコ杯を獲得し、翌2008年7月にスルガ銀行チャンピオンシップに出ることになりました。コパ・スダメリカーナ杯覇者のアルゼンチンのアルセナルが来日することになったのですが、残念ながら当時のホーム、万博は施設の不備が多く、国際サッカー連盟(FIFA)の国際規格を満たさず、試合を行うことが認められませんでした。結果、セレッソ大阪さんの本拠地、長居スタジアムを使わせていただくことになりました。サポーターの不満もあったと聞いています。そのころに金森喜久男社長が就任されました。社長は『僕の仕事はスタジアムをつくることだ』とおっしゃっていました。その思いを持って取り組まれ、道筋を作っていただきました」
ーーその当時の唐津さんのクラブ内でのポジションは
「運営から営業に変わってスポンサー担当、チケット担当をやっていました。ちょうど、吹田のホームタウン活動を担当していたときに署名活動が始まりました。スタジアムを造るためには、まず吹田市に認めてもらわなければいけない。誰に認めてもらうかとなると吹田市長と吹田市議会の議員の皆さんになります。議員の皆さんが誰に支えてもらっているかとなると、吹田市民の皆様なので、サッカー界の皆さんのお力を借りて、合わせて約21万筆の署名が集まって、吹田市議会に提出することができました。署名活動は吹田市の自治会を通じて、全戸回覧でやりました。全戸回覧がなぜできたかというと、吹田市の市民招待を年1回全戸回覧の案内で回してもらっていたんです。だから署名活動もできました。社長は吹田市にある30を超える自治会をひとつずつ全部回って説明していきました。スタジアムを建てられたのは、これまでのホームタウン活動の下地があって、地元のみなさんに認めてもらえたからこそでした」
ーー当時クラウドファンディングのような寄付行為は生まれておらず、寄付だけでスタジアムを造るという発想については、結構大胆なことをするなという印象がありました
「造った後のことは置いておいて、まず造りたいという思いで動いていました。竣工後、吹田市と結んでいる契約には、いろいろと制約があり、運営する上でハードルになる部分も残っていますが、スタジアムを造ったことに関して、本当に良かったと思っております」
サッカーを楽しめるための設備に特化
ーー改めて募金の内訳は
「企業が100億円、個人が6億円、totoなどの助成金が36億円で約140億円です。
動き出した後、2011年には東日本大震災が起こり、2013年にはTokyo2020の招致が決まりました。人件費と資材の高騰があったので、いくつかの計画変更を余儀なくされました。ガンバ大阪が将来的に女子チームを持った場合の設備、練習試合に来てくれた相手チームのロッカールーム、LEDの看板など、いろんなものを備えたかったのですが、削ぎ落とす結果になりました。フルスペックのスタジアムではなくなりましたが、見ている人が見やすく、サッカーを楽しむための設備に特化しました。これからも楽しんでもらえるスタジアムになっていると思います」
横浜国際や新国立競技場のトラックにスポッと収まるコンパクトさ
ーーオススメの席、スタジアムのセールスポイントは
「高い収益を稼ぎ出す4F中層のVIPゾーンですね(笑)。ここは非常に見やすい。座席は前の人の頭が気にならない角度で造っています。計算し尽くされた素晴らしい席だと思います。長く継続してもらっているお客様には、想定以上にたくさん観戦に来てもらっています。VIPは30部屋あります。ラウンジが7つ。現在メインスタンドの14部屋が埋まっています。当初はVIP席をスタンド一周ぐるっと渡らせる計画だったのですが、設計の段階でサポーターから自分たちが陣取るゴール裏のエリアには造ってほしくないという要望が出ました。4FにVIPフロアがあると、上方の席とゴールに近い前の方の席でサポーターが分断されてしまうということでした。ですので、ホームのサポーター席がある北側(メインスタンドから見て左側)にはありません。設計は非常に苦労したそうですが、サポーターの想いを汲みました。スタンドからピッチまで最短で7メートルと近い我々のスタジアムの床面積は、日産スタジアム(横浜国際総合競技場)や新国立競技場のトラック面にほぼスポッと入ってしまう大きさなんです。それぐらいコンパクトにできています。スタンドの上の方でも斜度が35度で、危なくない傾斜にしています。4段階ぐらいに角度をかえて、どこからでも見やすいように。一列の席の並び数も20席ぐらいにして、トイレのために席を立ちやすいようにしています。タッチラインの近くでプレーをするサイドバックや、サイドハーフといったポジション以外で、サッカーをやっている人は、ほとんど後ろから相手のゴールを見ながらプレーしているんですよね。ゴールの後ろとか、ゴール裏とメイン、バックスタンド席の間にあるコーナーキックの後方の斜めのエリアのスタンドが、選手目線に近いので、サッカーをやっている子どもたちや、経験者、指導者の方にはおすすめです。勉強になると思います」
ーーTokyo2020前後に日本代表戦が多かった
「代表戦は収益が見込める重要なイベント。国内では4万人の規模でサッカー専用スタジアムとなるとパナスタとさいたまスタジアム2002しかないので、これからも呼び続けたいと考えています」
ーコロナ禍で大変なことも多い
「ガンバ大阪は吹田市から指定管理者として、運営管理を委託されています。試合を開催するガンバ大阪とスタジアムを指定管理するガンバ大阪があります。決算は一緒ですが、会社の中で銀行口座を分けて、ガンバが試合で使用した分のお金を移動させて、スタジアムだけの収支をしっかり分けています。スタジアム運営費用は利用料金の中で全部やりくりします。スタジアム内にあるクラブハウスの家賃もガンバ大阪に払ってもらっています。日本代表戦の利用料もそうですし、ここで何か売ったり買ったりしたときの利用料の加算もあります。そうした収入をスタジアムの維持管理費用に充てています。そこから電気代や借地代など様々なものにまわしています。チケットが売れて、お客さんが入って、グッズや飲食が売れて、収益が上がっていく仕組みになります。コロナ禍でお客さんの人数に制限が続けば、スタジアムも赤字になってしまいます」
ーースタジアムでもソーシャルディスタンスを保たなければいけない
「コロナで人と人の距離を離すことになりました。スタジアムの椅子って単価でいうと1個3万円ぐらいするんです。4万席ありますから、例えば、距離を保つために椅子をすべて買い直すとなると、3万円×4万席で12億円ぐらいかかるんです。長く使い続けることを考えて造ったスタジアムですが、なかなか後で修理とか簡単にできないんだなあとコロナになって非常に強く感じているところです」
ーースタジアムを建てて、吹田市に寄付した。スタジアムの固定資産税は吹田市が支払っている。吹田市役所の人が出向でくるようなことは
「それはないですね。(建設期間を含む)50年間運営の指定管理を受けた際に、吹田市は一切の税金を投入しないとなっております。将来の修繕費はガンバ大阪で積み立てて拠出しなさいという形になっています。修繕費は吹田市に受け皿(基金)を作って、ガンバ大阪から一定額入れています。今後、両者で協議して何年後にはこういうものに使っていこうという話し合いをしているところです。そういう意味でも50年間、自分たちで修繕しながらしっかりと使っていこうと考えています」
行政にお伺い不要、全てクラブの予算でやりくり出来る
ーー吹田市に寄付したスタジアムですが、実質的にはガンバ大阪の持ち家のようなもの。借家より持ち家の方がメンテナンスもしっかりするものです
「借りているときと何が違うかといったら、例えばお客様から「全てのトイレにベビーシートが欲しい」と要望があったときに、持ち主にお伺いを立てなくても、お客様のサービスために自分たちの予算の中でやりくりして、多目的トイレを含む全てに設置しました。これが公共の建物でしたら、行政から予算が出ないかもしれないとか、もうちょっと規模が大きいものを準備したいというときに、それは議会を通さないといけないとか、そもそも予算が通るかわからないとか、そういう問題が出てきます。そういうことはありません。将来に向けてどうしたらいいかということで、予算を立てることもできます。看板なども収益構造として大事なところで、借り物のスタジアムならば、広告収入はスタジアムの収入になるケースがあります。我々の場合は、ガンバ大阪の営業にスタジアムの看板販売を委託しています。例えばガンバ大阪が500万円で年間の広告看板を売れば、クラブの方に売り上げの大部分が残り、スタジアムには試合日にはいくらで、1年間でいくらという形で、そのうちのいくらかが入ってくるというような分配になります。日本ハムさんが、近い将来自前のスタジアムを造られるそうです。プロ野球界でも球団が自分たちの球場を持ち、維持、管理、運営する動きが広がっていますが、我々としてもよく理解できる流れです」
照明の光の量が課題
ーーエンターテインメントは日進月歩で進化していきます。ハード面は簡単に大規模な改修などができません。そういう中でも、パナスタとしてアップデートしていきたい部分は
「まず、照明の問題です。LEDを取り入れた現在の照明で50年間使える予定でしたが、世の中の技術は進化しています。4K、8Kで放送してもらった場合、光の量が足りない、きれいに映らないということが起こってくる可能性が出てきました。実際Tokyo2020でそれが起こって、光の量の基準が上がったそうです。今のところ2000ルクスで水準は満たしているんですが、これが8K、それ以上になってくると、要求されるのが、2500-3000ルクスになってくるそうです。そうすると全部付け替えないといけないかもしれない。非常に悩ましい問題として横たわっています。
次に、野球の場合は席が遠くなると、投手の球がどれぐらいストライクゾーンから外れていたのか、よくわからないということがあります。サッカーの場合、このスタジアムでしたら、離れた席でもよくプレーが見えます。一方野球の場合、阪神でしたら「4番・サード、佐藤輝明」のように、いま誰が打席に入ったとか、投げている投手は誰だとか、場内表示もあり一目瞭然です。サッカーの場合、いったんピッチに立ってしまうと、よく知らない人はひいきの選手がピッチのどこにいるのか、わからなくなってしまいます。そのあたりがサッカーに馴染みの薄いファンにとって、とっつきにくい要素になっているのかもしれません。それを解消するものが何か、サッカー界全体で考える必要があると思います。いろいろな競技も見にいきました。ラグビーやアメフトは試合中にプレーや反則について、場内音声で「今のプレーは…」と解説を入れるじゃないですか。ああいうのっていうのは新しいお客さんを取り込むためのひとつの工夫になりそうです。それが例えば、VR(仮想現実)を使ったアイテムになるのか、スマホになるのか、まだわかりませんが、そのへんがこれからサッカーがブレイクスルーするためのポイントになりそうな気がします」
ーー運営する上でいろいろな制約があるようです。なんとか維持できればいいという感じなのでしょうか、それとも空き時間を使ってもっとビジネスチャンスを探りたいというような気構えなのでしょうか
「実際私はサッカーの試合日以外のスタジアムの収支を頑張って稼ぎなさいという仕事をしています。スタジアムのテレワーク環境を整え、市民に開放しているパナスタワークもその一環です。コロナ前の成績でいえば、頑張ってサッカー以外で得た収入は全体の20分の1に満たないぐらいで、例えばこの部屋(インタビューを行ったVIPルーム)だと1時間貸して3000円です。億を稼ごうと思ったら365日、まあ月で600万円、1日、2,30万円稼がないといけない。1日10時間貸しても1部屋3万円にしかならないので、なかなか届かない。サッカーの利用料以外で稼ぐとなるとなかなか難しい。ピッチがあるので、サッカーで貸し出せるでしょとよく言われるんですが、芝生の関係もあります。歌舞伎座とかと同じで興行の場所なので、現在は一般への貸し出しはしていません。公共の施設ですが、スタンドの座席とかとセットで使ってもらう場所なので、お断りしています」
修学旅行や遠足に
ーースタジアムを使った新たな試みは
「ありがたいことに、このコロナ禍の中でも修学旅行や近隣地域からの遠足などでお越しいただいております。修学旅行は北陸圏が多いですね。吹田市の小学生は4年次に一度このスタジアムに見学で来る機会があるので、モノレール沿線で豊中市や南は北河内地域から。そういった利用を増やしていきたいなと考えています。屋内の閉め切った施設でないので、密にならない形でいろんなところを見てもらっています。お弁当も距離を離して、座席で食べてもらっています。屋根があるので雨の日でも濡れません。スタジアム内で吹田市の防災倉庫があるので、防災教育を遠足に絡めることもいま、考えています。SDGsについて、最近の小学生は勉強しているので、新しいコンテンツを作って、サッカー以外でも一日楽しめる施設にしたいと思います。ガンバ大阪としての強みは、アカデミー(下部組織)出身でJリーグや海外でも活躍する選手が多く誕生しており、現在では宇佐美貴史選手、堂安律選手、谷晃生選手らが活躍しています。プロサッカー選手を目指す子供たちも見に来てくれているので、選手は何を思って大人になっていったのか、などステップアップしていくキャリアをひとつの教材としたい。地域のふれあい活動とともに、元プロサッカー選手の講話とか、そういったコンテンツをフックにして、運動系のクラスを持っている高等学校さんにクラス別できてもらうとか、そういうことも検討しています。現状では年間に4,5校来てもらっていますが、もっともっと増やしていきたい。ガンバ大阪の試合ってサッカーが好きな人が大部分なんですね。ガンバ大阪ができなくても、このスタジアムならできることがあると考えています。サッカーにあまり興味がなくても、小学校の遠足で来てもらえたら、ここはいいところだな、今度ガンバ大阪の試合を観に行こうかなと思ってもらえる魅力があると思います。昨年度(2021年1月)から吹田市の成人式もここでやってもらっています。いろんな使い方ができますので、いろんなかたちでチャレンジしたいなと思います」
アジアで一番のスタジアムと自負
ーーガンバ大阪が募金というシステムでこれだけのグレードのスタジアムを建設したことによって、サッカー観戦の水準が間違いなく上がりました。関西の他のクラブは負けられないという思いで、京都サンガ、セレッソ大阪も素晴らしいスタジアムを造り、相乗効果が出ています
「我々は4万人収容のスタジアムを造りました。コロナ前までは1試合平均2万8000人ぐらいまで上がりましたが、なかなか常時4万人のお客さんをフルに入れるというところまではいっていません。そういう意味では現在専用スタジアムを造っている他のJリーグクラブさんに対して、クラブの規模や目指すところに照らし合わせて、どれぐらいの規模で建てるのが一番いいのかという目安になっているのかもしれません。最初に石を投げるエポックメイキングな役割を果たしたのかなとも思っています。アジアで一番のスタジアムだと自負していますし、観光地大阪の中での役割をJリーグのクラブとしてもっと果たしていきたい。ヴィッセル神戸さんのノエビアスタジアムも含めて、関西はJリーグ4クラブすべてが専用スタジアムになりました。素晴らしい地域になって、これからもどんどんいろんなことができるんじゃないかなと思っています。スポーツの産業がまた動き出した感じがします」
ーーガンバ大阪はデジタルマーケティングの分野で先進的な取り組みをしています。スタジアムの運営において、デジタル面で意識していることは
「おそらくコロナ禍が収束したとしても、甲子園のジェット風船などの復活は難しいかもしれません。そういう意味では新しい応援の仕方としては、デジタル化へ進み始めています。Tokyo2020を機にスタジアムの照明が回ったりピカピカするものに変わったり。LEDの広告形態だけでなく、これから5Gの時代がやってきますので、見せ方とか情報を伝える形が変わってきます。そういう変化にスタジアムとしても対応できるようにお金をためて体力をつけて、お客さんをどう増やしていくかというのが、わたしたちの仕事になります」
ーーオフザピッチの効果は
「まだまだ地元に対してやっていかないといけないことはあります。時間のかかることだと思っています。吹田って何があるん?ガンバ大阪がある、パナスタがあるところだと言ってもらえるようになることが目標。大阪って何の街? 阪神タイガースがあるところ!だけでなく、ガンバ大阪があるところ、ガンバとセレッソの大阪ダービーがあるところ、といってもらえるように、みなさんの認知度を上げるようなことをやりたい。オレたちが住んでるところにガンバがあるねんと。そしてスタジアムがみなさんの誇りになる聖地になることが、最終的な目標になります。甲子園に野球を見に行ったら、応援することが楽しいんですよね。そういう応援の仕方をクラブがサポーターと一緒になって考えることができたら、もっともっと楽しめるのではないのかなと。野球場ではリボンビジョンにファンの拍手を求める映像が出たりします。それは施設側からでもできる仕事です。もっともっと競技を見にきてもらえる人への努力はあると思います。もうひとつはまた阪神の話になりますけど、どの年代の人でもバース、掛布、岡田の3連発(1985年の甲子園での巨人戦)とかいうじゃないですか。ガンバ大阪の歴史をみなさんに伝えたり、刷り込ませたり、次のダービーは絶対に勝たなければいけないというような機運を盛り上げたりするのは、クラブの仕事だと思います。試合数は少なくても、そういう思い出を共有するようなことをうまくプロモーションしていけば、プロ野球やいろんなスポーツに追いついていけるんじゃないでしょうか。いろんな思いがあって、みなさんにお金を出していただいたスタジアムなので、50年間、長く楽しんでもらえることが、我々の使命だと思っています。このコロナ禍の中、人々の楽しみはバーチャルに移りつつありますが、リアルも大切にしたい。体験型も求められていると思うので、いかにここで感動を与えられるか。リアルの感動を堪能してもらうための場所をいかに維持できるか。子どもたちをいかに他のスポーツからサッカーに取り込むかではなく、他のスポーツとも共存する。家の中にこもるんじゃなくて、体を動かすことっていいなとか、サッカーやスポーツを見て、興奮する人たちをいかに増やすか。われわれスポーツ業界全体の課題であり、使命だと考えています。現地で応援できなくても、テレビを通じてTokyo2020を見て、すごくよかったじゃないですか。スポーツ界としてそういうことを続けていかなくてはいけないと思っています。そういう意味でも実際に選手を近くで観ることができる場所を提供できているっていうのは、非常にいいことだなと思っております」
誘致したいのはプロレスと将棋のタイトル戦!?
ーーこれだけの器です。実現の可能性は置いておいて、やってみたいことはありますか
「サッカーだけで維持できるのが一番いいのですが、他のこともやりたいなという思いがあって、かなり個人的な趣味ですが、ここでプロレスの興行をやってもらいたいですね。コンサートでなくて、プロレスです。センターサークル付近にリングを作って、アリーナ席を作って。雨が降ったとしてもリングのところの10メートルぐらい上に、仮設の屋根をつくれば、全部の席からみえる。野球場よりも観客席が近く、360度見やすいスタジアムですから。遠い席でもリングから50メートルぐらいになります。あと、メインスタンドのVIPルームに広いラウンジがあるんですが、将棋のタイトル戦をやってほしいなと思っています。大判解説を別の部屋でやってみんなで見てもらって。それができるだけの場所があるので」
ーー大阪市にある関西将棋会館は高槻市への移転を考えていますからね。藤井聡太三冠が3冠クラブガンバ大阪のパナスタでタイトル戦となれば、話題になりそうです。一方、スタジアムへのアクセス面では課題を残しています
「万博の再開発ということで、スタジアムとモノレールの万博記念公園の駅の間ぐらいにあったホテルが2年前に閉館しました。そこには2025年に2万人収容のアリーナができることになりました。パナスタだけでなく、そのアリーナについてもお客さんのアクセスが課題になってくると思うので、何かしらの施策がないと、にっちもさっちもいかないようになる可能性が出てくるかもしれません。アクセスの問題はできる限り早く、少しでもよくなるように努力して、みなさんが万博記念公園内で1日楽しく滞在できるように取り組んでいきたいと感じています」
唐津 昌美(からつ・まさみ)
1971年(昭和46年)5月26日生まれ、50歳。兵庫県神戸市出身。京都教育大から96年2月ガンバ大阪に入社。チームマネジャーを経て、営業、スポンサー担当、運営、ホームタウン、アカデミー担当などに従事。ACL出場に備えてのアウエー現地調査も担当した。2017年5月から管理部施設運営課主任。