Netflixの契約者が世界中で爆発的に伸び、Nintendo Switchはどこに行っても手に入らない。新型コロナウイルスの蔓延で外出すらままならない時代に、在宅型エンターテインメントが注目を集めている。アメリカではオンラインで行なわれたNFLのドラフト会議が3日間通算で5500万人の視聴者を獲得。この時代にあってもスポーツ・エンターテインメントを求める人々の多さを証明する形となった。

「人々がスポーツを楽しむ気持ちは、どんな時代でも変わらないと思います。でも高速大容量通信5Gのネットインフラが整備されれば、家にいても“現場”で見るのと同じような迫力でスポーツを楽しめるようになる。ここ数年、メジャーリーグでは観客動員数が下降気味でしたが、このコロナの影響でその傾向が一気に早まる可能性はあります。これまでスポーツビジネスは、入場料、スポンサー、物販、放映料という“4本柱”が支えてきましたが、もっと新しい可能性を探っていくべき時期がきているのではないかと思います」

コロナ禍の収束が見えない中、プロ野球やJリーグでは無観客での開催を模索しているという。12球団代表者会議のあと会見を行ったプロ野球の斉藤惇コミッショナーは、「財政的な問題も考えないといけないが、今は野球を通して全国の皆さんに元気になっていただきたいという気持ちが全球団強い」と発言。無観客開催への強い意志を見せた。池田氏は、無観客でも開催することには賛同するが、そのためにはかなり厳しい条件が必要ではないかと語る。

「無観客といってもひとつの球場に選手や関係者が集まる。そこでの感染対策をどうするのかが大きな課題となるでしょう。一人でも感染者が出たら全試合中止になるでしょうから、管理は徹底的に行なわなければならない。たとえば、事前の最低1ヶ月は選手の行動を完全に管理すべき。どこに行って、誰に会ったかを球団が把握しておかなければならない。極論、家族含めてどこかに全員隔離し、“ベースボールプラネット”とするくらいに。選手たちは窮屈な思いをするでしょうが、それだけの責任が伴うと思います。さらに移動をどうするのか。MLBでも比較的影響の少ない地域に全チームの選手を集めるというプランが出ています。日本でも都道府県をまたぐ移動の自粛が叫ばれている中で、プロ野球がJリーグだけが例外というわけにはいかないでしょうからね」

プロ野球やJリーグのスポンサーには、食品関係や交通関係の企業も多い。万が一ということがあれば、チームの存続を左右することにもなりかねない。誰もがスポーツ・エンターテインメントに飢えている。「ここまでやっているなら安心だ」と誰もが思うような形で試合が行なわれるならば、たとえ無観客でも従来のファン層以外をも惹きつけるキラーコンテンツになるのは間違いないのだが……。




取材協力:文化放送

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VictorySportsNews編集部