ブロンコスが目指すのは、再生ではなく“新生”。そのための第一歩として池田氏が掲げたのが、現在のホームタウンである所沢市に加え、埼玉県の中心地であるさいたま市もホームタウンにする「ダブルホームタウン構想」だ。

「これまで所沢をベースにやってきましたが、やはり経営的視点から考えると、大都市であるさいたま市とのダブルホームタウンにしないとどうにも経営が成り立たない。本当の意味で新生ブロンコスになるためには、過去を清算して新しく、地域との関係も作りなおさなくてはならない。

とはいえ、所沢にはコロンビアインターナショナルスクールの体育館という拠点があるのですが、さいたま市にはまだ拠点もないのでいま探しているところです。それぞれの拠点が地域との接点づくりの基地にもなっていく。きれいなところである必要はありません。使っていない倉庫とかで構わない。地域の子供たちと一緒にゴールをつけたりしながら、みんなに応援してもらえるチームを作っていければと思っています」

これを機にチーム名も埼玉ブロンコスから「さいたまブロンコス(英語表記;The Saitama Broncos)」に変更する考え。こういった池田氏の大胆なチーム改革に、旧来のブロンコスファンからは否定的な意見も出るのは必然だという。

「ベイスターズのときもそうでしたが、新しいものに挑戦しようとすると必ず反対意見は出てくるものです。それが至極健全なこと。特に弱くてファンの少ない時期に応援している人は、“自分のチーム”という感覚が強くなる。何かと“ファンをやめるぞ”“ファンが批判的”“ファンをもっと大切にしろ”と、変えることに対する否定的な常套句はベイスターズのときも同様でした。もちろんそうした方々にも引き続き応援していただきたいと思っています。でも私は、限られた誰かのためのチームではなく、たくさんの人に応援してもらえる“みんなのチーム”に生まれ変わらせなくてはなくてはならない。賛否両論、いろんな意見があっていい。私のような立場は文句をいわれてナンボだと思っています(笑)。

特にこの新型コロナウイルスの問題でスポーツ界が沈みがちですから、こういったことでもどんどん話題になったほうがいい。チームをああしよう、こうしようなんて、とても健全で明るい話題。どんどん世間が騒いで、明るい空気を作っていければ。それがプロスポーツの本質。もっと物議を醸していきたい」

すでに池田氏のもとには、「新しいブロンコスを応援したい」という地元企業からのオファーも届いているとか。「さいたまブロンコス」は、時代の空気を変える起爆剤になるのか? これからも池田氏の取組みに注目していきたい。




取材協力:文化放送

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VictorySportsNews編集部