#北京冬季五輪
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フィギュアスケート
宇野昌磨、表現者として見据えるさらなる高み
4年ぶりの日本開催となったフィギュアスケートの世界選手権(さいたまスーパーアリーナ)は、男女で2連覇、ペアで初優勝と日本が初めて3種目制覇を果たした。そんな歴史的な大会の大トリを飾ったのが男子の宇野昌磨だ。大会直前の右足首負傷というアクシデントを乗り越えての2連覇は日本男子初。しかし、快挙の余韻に浸ることなく、日本フィギュア界の第一人者は「表現とは何かを突き詰めていきたい」とさらなる高みを見据えた。
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フィギュアスケート
「頭の中の天使と悪魔が戦っている」立ち止まってきては進んできた坂本花織のスケート人生
世界女王がもがいている。19日まで札幌市真駒内セキスイハイムアイスアリーナで開催されたフィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ第5戦、NHK杯で2連覇中の坂本花織(シスメックス)が2位に終わった。自己ベストを34点以上も下回る得点が不調ぶりを如実に物語る。優勝した第1戦のスケートアメリカとの合計ポイントでファイナル(12月8日開幕・トリノ)進出は決めたが、気がかりなのは心身の状態。「頭の中の天使と悪魔が戦っている」。いつも天真爛漫なフィギュア界の元気印もまた、トップアスリートならではの苦悩に陥っている。
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フィギュアスケート
−クワッドアクセルを跳ぶその日まで− プロスケーター羽生結弦としての意思と矜持のその先にあるものとは。
フィギュアスケート男子で2014年ソチ、18年平昌両冬季五輪王者の羽生結弦(27)が8月10日、地元のアイスリンク仙台で公開練習「SharePractice」を行った。7日に開設したばかりの自身の公式YouTubeチャンネル「HANYU YUZURU」でもライブ配信され、10万人以上が視聴した約1時間40分。フィギュアスケート界初の取り組みからは、7月19日のプロ転向会見で語った「アスリートとして全力でやっているからこその緊張感みたいなものを、また味わってもらえるようなスケートを常にしたい」との思いの一端がにじみ出た。
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フィギュアスケート
16歳で引退したフィギュア選手に一体何があったのか。
衝撃の引退発表だった。フィギュアスケート女子で坂本花織(シスメックス)が初優勝を果たした3月の世界選手権(フランス・モンペリエ)で銅メダルを獲得した米国のエース、アリサ・リュウが今月9日、自身のインスタグラムで第一線から退くことを告白した。弱冠16歳。武器とする大技のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)に加え、これからより一層、滑りに厚みを持たせて2026年ミラノ・コルティナダンペッツォ冬季五輪を目指すと期待していたファンは多かったはず。一体、何が彼女を引退に駆り立てたのだろうか。
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フィギュアスケート
「スポーツと政治は別」という価値観の限界 フィギュア世界選手権でのウクライナペアが伝えたかったこととは
ロシアのウクライナ侵攻という極めて重大な現実を前に「スポーツと政治」は絡めるべきではないというこれまでの価値観はかつてないほどに大きく揺らいでいる。ロシアとベラルーシの参加が排除された3月の北京冬季パラリンピックから始まり、各国際大会からの2カ国除外の流れは今や常識となり、当面続くことになりそうだ。
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スノーボード
平野歩夢が継ぐ王者の系譜 ~ショーン・ホワイトが築き上げた社会的地位
プロ野球が開幕して球春を告げ、ウインタースポーツのシーズンが終わりに近づいている。今季を振り返るとハイライトの一つは、北京冬季五輪のスノーボード男子ハーフパイプだろう。平野歩夢(TOKIOインカラミ)が初の金メダルに輝き、同時にこれまで五輪を3度制覇したショーン・ホワイト(米国)が現役生活に終止符を打った。ホワイトは五輪におけるスノーボードの地位を確固たるものにし、多方面の企業からサポートを受けるなど選手のステータス向上をもたらした。改めてホワイトの来し方を見ていけば、王者の系譜を受け継いだ平野の今後への期待が膨らんでいく。
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オリンピック
五輪憲章の矛盾と国家間の空虚な争い
またまたオリンピックが終わった。新型コロナウイルスの影響で1年延期になった東京での夏季五輪からわずか6カ月。今度の舞台は北京だった。五輪ではいつも、国同士による争いがあおられる傾向にある。日本でもメダル至上主義の雰囲気が根強く、過度のプレッシャーを選手たちに与えてしまう場合もある。五輪憲章には、五輪が国家間の競争ではないとわざわざ書いてあるにもかかわらず、ともすれば各政権による国威発揚に利用され、他国への排他的ムードを助長しかねない。何かといえば「平和」を錦の御旗にする国際オリンピック委員会(IOC)の中途半端な態度も絡み、今回の北京冬季五輪でもメダルの在り方を考えさせられる出来事が相次いだ。
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スピードスケート
「成し遂げることは出来なかったが、やり遂げることは出来た」 スピードスケート小平奈緒が北京で見せた、不格好でも輝いていた”作品”
味わい深い発言で時に〝氷上の詩人〟と評されるスピードスケート女子の小平奈緒(35=相沢病院)はレースを「作品」、大会を「発表会」と表現する。北京五輪は連覇を狙った500mで、まさかの17位。前回銀メダルの1000mも10位に沈んだ。自身4度目の五輪は表彰台どころか、入賞もなし。不完全燃焼に終わったが、2種目終了後は結果を受け入れ、穏やかな表情で言葉を紡ぎ出した。
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フィギュアスケート
フィギュア「りくりゅう」ペア 『私たちが日本のペアの未来を変える』弱点種目での大躍進を支えた使命感
20日に閉幕した北京冬季五輪でフィギュアスケートの日本勢は1大会最多の4個のメダルを獲得した。とりわけその活躍が目を引いたのは、ペアでファンから「りくりゅう」の愛称で親しまれる三浦璃来、木原龍一組(木下グループ)だ。
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フィギュアスケート
揺れたオリンピックのドーピング問題 天才少女ワリエワに一体なにがあったのか
天才少女を待ち受けていたのは大波乱の結末だった。ドーピング問題の渦中にいた15歳のカミラ・ワリエワ(ロシア・オリンピック委員会=ROC)はショートプログラム1位で迎えた17日のフリーで、これまでの練習でも見たことがないほどの大乱調で4位まで転落。大会前の圧勝するとの下馬評は大きく覆り、メダルを取る可能性すらつかめなかった。
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フィギュアスケート
18歳鍵山優真、日本フィギュア史上最年少銀メダル! 親子、師弟の関係と最年少メダリストが生まれるまでの物語
美しき〝親子鷹〟の物語だった。18歳で初めて挑んだ北京冬季五輪の舞台。鍵山優真(オリエンタルバイオ・星槎)は、オリンピアンの父とともに二人三脚で磨き上げた技術の全てを最高峰のリンクで表現した。「転ぶのが嫌い」でジャンプ練習から逃げていたどこか弱々しい少年は、父親の病気をきっかけに自立、そして大きく飛躍を遂げ、フィギュアスケートの個人種目で日本最年少となるメダリストにまで上り詰めた。
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北京五輪
「東京大会よりもはるかに厳しい」 厳戒態勢の中の異例の五輪取材で待ち受けるものとは
新型コロナウイルスの新変異株「オミクロン」が世界的に感染急拡大する中、北京冬季五輪が本日、開幕する。「ゼロコロナ」政策を掲げる中国は、昨夏の東京大会を遥かに上回る厳戒態勢で感染の抑え込みに躍起となっている。1月下旬、羽田空港から報道陣らを乗せたチャーター機で北京入りした。
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フィギュアスケート
完璧にやるには自由でなければならない―。壁を乗り越えた宇野昌磨は北京で輝けるか
4日に開幕する北京冬季五輪。94年ぶりとなる3連覇の偉業達成に挑む羽生結弦(ANA)や世界選手権3連覇中のネーサン・チェン(米国)ら実力者によるハイレベルな頂上決戦に注目が集まるフィギュアスケート男子で、前回2018年平昌五輪銀メダリストの宇野昌磨(トヨタ自動車)も特別な思いでリンクに立つ。「スケート人生のどん底」も経験したこの4年間。新たな恩師の下で復活を遂げて挑む2度目の大舞台で、一回り成熟した滑りを見せつける。
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スノーボード
北京五輪前独占インタビュー ~平野歩夢の生き方にまで溶け込むLifeWearとしてのユニクロ
ソチ、平昌五輪で銀メダルを獲得し、東京五輪ではスケートボードで出場し“二刀流ライダー”として注目を集めた平野歩夢。21年10月下旬、北京五輪への出場に向けてスイスでトレーニングを行う平野にインタビューを行った。その模様を前編・後編の2回にわたって紹介する。