横浜ビー・コルセアーズの買収から一転

Bリーグは6日、同日に開催された理事会で、B1リーグに所属する川崎ブレイブサンダースの株主(オーナー)が、2018-19シーズンから株式会社DeNAに変更されることが承認されたと発表した。

川崎ブレイブサンダースは、1950年に創設された東芝バスケットボール部が母体となっている。71年に日本リーグ2部に加入すると、83年に1部に昇格。それ以降、一度も降格していない名門だ。その後、日本リーグがNBLにリーグ名が変わった際には、「東芝ブレイブサンダース神奈川」として活動。リーグ戦4度、天皇杯3度の優勝を誇る名門だった。

今年8月には、横浜DeNAベイスターズの前社長である池田純氏が、地域密着による長期的なチーム救済を提案し、同クラブの買収に迫ったと一部で報じられた。その後、交渉は暗礁に乗り上げたが、この動向を注視していたのがDeNA社だったという。

関係者によると、当初、DeNAは同じ横浜を本拠地とし、コラボ企画も実施していた横浜ビー・コルセアーズの買収に動いていた。しかし、交渉は破談となり、急転直下、池田氏が交渉を行っていた川崎の買収に乗り出し、今回の契約締結に至ったようだ。

池田氏は、自身のフェイスブックを通じてコメントを発表、「ちっくしょ〜〜〜 バスケ買収、本件の存在に気づかせてしまった。」(原文ママ)と、悔しさをあらわにしている。それでも、「2016年10月にベイスターズ社長を退任して以来D社とまったく関係ないので誤認してもらいたくないが、私は個人でだったので、どうしても折り合わない条件があって断念せざるを得なかったが、残念。がんばってもらうしかない。」と、新オーナーとなったDeNAへのエールで締めくくった。

2012年に池田氏が社長に就任して以降、ベイスターズは約24億円の赤字を解消、年間の観客動員を110万人から194万人に伸ばし、本拠地である横浜スタジアムの運営会社買収も実現。池田氏が去ったあとも、チームは19年ぶりに日本シリーズ進出と勢いはとどまらない。こうした経験を活かし、昨シーズンのBリーグファイナルまで勝ち進んだ名門とともに、バスケットボール界でも旋風を巻き起こせるか注目だ。

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VictorySportsNews編集部