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ドイツをW杯王者に導いたIT界の巨人「SAP」は、なぜスポーツ産業へと参入したのか?~前編~

企業向けのビジネスアプリケーションを開発・販売するソフトウェア企業として、世界最大のグローバル企業であるSAP。同社では今、ドイツ代表やバイエルン・ミュンヘン、F1のマクラーレン、MLB、NBAといった世界トップクラスのスポーツ関連組織とパートナーシップを組むなど、25番目の産業としてスポーツ産業に注力している。世界の商取引の76%は彼らのシステムを経由するといわれるSAPが、なぜ市場規模が決して大きいとはいえないスポーツ産業への参入を決めたのだろうか。そこには、ある明確な戦略があった――。(取材・文=野口学)

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コメント(4)

  • 4
    森本美行

    fangate(株) 代表取締役/一般社団法人日本スポーツマンシップ協会理事 2018/01/05 09:18

    これを読むとサッカーの試合で勝つためには1人当たりのボール保持時間を短くすれば勝てると思ってしまう。SAPのシステムを使えば4000万件の試合データが取得出来ると思ってしまう。でも両方違う。ドイツ代表は2008年のユーロの決勝でスペインに負けた時、その差を埋めるために過去の試合のデータ分析を徹底的に行った。ボールを奪ってからシュートまでの時間が短く、タッチ数が多いと言うアンビバレントな状況において良い攻撃が出来ている事に気が付いた。時間が短くてタッチ数が多くなるためには自然と一人当たりのボール保持時間が短くなる。しかしそれはゴール方向に向かうと言うベクトルとセットだ。ただ保持時間を短くすれば勝てるなら短くする方法はいくらでもある。短くするために、選手間の距離であったり、前で受ける位置であったり、ボールスピード、ストップの技術、全ての改善のための目安として保持時間をベンチマークにした。そのプレーや走行距離、スピードを取るソフトは他社のものだ。SAP社の強みは試合中存在していた現象をデータとして認識しかつ高速で処理する事、それを活用するために関係者のリテラシーを著しく向上させた事だと思う。
    マーケットシェアの拡大、ROI、利益率その他の指標を様々な視点から分析して施策に落とし込み、企業としての勝利に結びつけるためにSAPの製品をプロモーションするのにスポーツは象徴的で相性が良かった。
    それも単に既存のモノとの代替ではなく、それを生かし、人の能力も生かすと言う部分がこの分野でのポジションを築いた大きな理由だと思う。

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  • 21
    中島啓太

    FC今治 2018/01/05 12:03

    年初にSAP Sports One導入しました。
    すごいサービスです。

    ただ、客観的に考えて、より使いこなす為には人的リソースにも追加投資する検討する必要が、どのクラブでも出てくるにではないかと思います。

    それを、PC操作や分析のKPI作りに不慣れなことが多い指導者サイドから出すのか、現場のことは不慣れで監督とのコミュニケーションも希薄なビジネスサイドから新たに生み出すのか、はたまたハイブリッド人材を取ってくるのか、ここの戦略がキモになってくると思います。

    記事は続編があるようなので、期待!

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  • 1
    タナビ

    2018/01/05 13:17

    これからはデータスポーツでしょう!

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