「負けたくない」転向後の心境の変化

―年末のRIZINはいかがでしたか。
太田:デビュー戦というのもありましたが、準備期間が少なかったですね。オファーがあって、対戦相手が発表されてからの準備期間が本当に少なかったのですが、その中でやれることをやりました。試合には負けてしまいましたが、負けてしまうところまでは立てた作戦通りに遂行できたので、自分の中では落ち着いていました。

―これからどんな風にステップアップしていきますか。
太田:一番は負けたくないという気持ちが強いです。MMAを始めようと思った時は、「世界チャンピオンになろう」という気持ちはあまりありませんでした。一度レスリングでオリンピックにも出ましたし、世界チャンピオンにもなったので、格闘技はやってみたいという気持ちで始めたのですが、やっているうちに「一番高いところを目指したい」と思い、今はUFCのチャンピオンを目指したいと思っています。

―所さんに学びに行きたいという、謙虚な姿勢や、勝利への貪欲さはどこから生まれてきていますか。
太田:僕は、自分が負けてしまったり、できなかったりしたことは、戦った相手に聞くのが一番良いと思っていて、レスリングの時から練習でできなかったことを相手に聞いていました。だからこそ今回も、所さんが僕の弱点をわかってくれていると思い、「お願いします」と言ったら、「いいですよ」と答えてくださって、とても優しい方だったので、それに甘える形でお願いしました。

―怪我の状態はいかがですか。
太田:筋断裂と、関節包が破けてしまったのですが、2週間固定して治りました。後はリハビリなので、あと1ヶ月くらいでトレーニングができると思います。

―では、みなさん期待して待っていても大丈夫ですね。
太田:3月の試合は出られるかわかりませんが、焦らずゆっくり治していこうと思っています。目先の試合を見て焦ってしまったら、自分の目標にたどり着けないと思うので、ゆっくり確実に治して戻ります。

「今後の原動力になった」格闘技ファンの存在

―レスリングとRIZINはどんな違いがありましたか。
太田:レスリングは、アメリカでは大学の試合でも数万人入るような競技ですが、日本ではマイナー競技で、入場料無料で小さい体育館で3000人くらいの観客の前で試合をしていました。でも、RIZINでは大晦日に高いお金を払って10000人くらい見に来てくださって、選手入場の時から熱狂的なファンの方が多いというのを感じました。演出方法も含めて、試合をする前からプロの試合という印象がありましたね。

―練習方法はどう変わりましたか。
太田:MMAの練習でもレスリングはするのですが、僕の体型で僕より強い選手はいないので、そこの練習に重きは置いていません。それよりも、僕に足りない打撃やパンチ、キック、寝技や関節の練習などを重視し、自分に足りないものを補っていくトレーニングをRIZINまでやっていました。

―ファンサポーターの方はどんな存在ですか。
太田:格闘技のファンの方は、熱狂的な方が多く、コアなファンが多いなと感じていて、自分の戦いに素直な反応をしてくれるという印象があります。僕の場合はデビュー戦でしたが、レスリングの実績があったので、期待値が高く、試合前から注目していただきましたし、終わった後も負けてしまいましたが、「ポテンシャルがある」というような良い評価をいただいたので、僕にとっては今後の原動力になりました。

―どんな時にファンの方の力を感じますか。
太田:今回はあまり声援を出してはいけませんでしたが、それでも声が聞こえてきましたし、試合後にメッセージをいただいて、「今後期待してるよ」というようなお言葉をいただいたので、これからもやっていきたいと思いました。

―コアファンの方はどんな存在ですか。
太田:今後期待してくれている人や、僕のことを誉めてくださる方も多いのですが、それと共に厳しい意見を言ってくださる方もいます。僕は、「このままではダメだ」とか、「MMA舐めてる」というような言葉を言ってくれる方も含めてファンだと思っています。興味のない人にそのようなことを言うことはないと思うので、それだけ期待してくれているからこその厳しさだと感じ、力に変えています。

太田忍選手にビデオメッセージをリクエストしよう!

憧れの選手から『あなただけ』に向けた完全オリジナルメッセージが届きます。ファンの方のリクエストをもとに、1つずつビデオレターを撮影いたします。(一本およそ60秒程度です。)特に、下記のようなリクエストが集まっております。

『毎日頑張る子どもにメッセージを贈りたい!』
『友人の誕生日にメッセージを贈ってあげたい!』
『大事な試合に向けて、自分のことを鼓舞してほしい!』

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VictorySportsNews編集部