成長期の身体づくり
咲來さんのテニスの才能に気づいたのは、いつだったのか——。そう尋ねると、勲さんからは意外な言葉が返ってきた。
「才能があると感じたことはありません。才能というより、それだけ練習をやってきたからできているだけだと思います。地道な練習を積み重ねてきた結果です。もし何か特別な『才能』があるとするならば、そうした地道な練習を飽きることも嫌がることもなく、夢中でいくらでも続けてこられた『能力』でしょうか」
咲來さんは現在9歳。9歳~12歳ごろは「ゴールデンエイジ」(※)と呼ばれ、運動能力が急速に発達すると言われる。(※時期については諸説ある)
「この時期に成長できるように、トレーニングを仕込んできました。プレーを支えるしっかりしたボディを作っておかないと、ケガをします。その時その時の身体の状態に合わせて、本人の満足と充実感、疲労度で練習メニューを重ねてきました」
成長期で身体の変化も大きい。靴やラケットなどの用具は、常にそのときの身体に合ったものを選ぶ。手首をしっかりホールドしてくれるリストバンドを用いる。重たい荷物を持たせない、といったことも徹底している。
朝昼晩で体重が大きく変動しないように、食べる量やタイミングにも気を配る。練習にはおにぎりを持参。咲來さんの顔の大きさと変わらないほどの大きなおにぎりだ。栄養バランスや食事の内容は、母の慶子さんが考える。「人工甘味料や添加物などは極力避け、甘味づけには蜂蜜や黒砂糖を使っています。油もほぼ使いません」(慶子さん)
成長期の身体のために、食事にプラスしているのがプロテインだ。独学で栄養や食事について勉強していた慶子さんが見つけたのが、アストリションの「ジュニアプロテイン」。朝、練習中、練習後と、1日3回、飲んでいる。朝は牛乳を加え、青汁やヨーグルトを混ぜて作る。
「砂糖や人工甘味料を使わず、国内で製造。カルシウムやマグネシウム、鉄分も取れる。安全性と成分が選ぶ決め手になりました」と勲さん。良質の原材料を求めて産地を訪ねるなど、品質を高める努力を惜しまないメーカーの姿勢にも信頼を寄せている。
ジュニアプロテインを飲むようになって約4年。激しいトレーニングを続ける咲來さんの生活に、欠かせないものとなっている。
世界に通じるアスリートを目指して
世界に通じるアスリートを育てるために、勲さんが意識していることがある。
「グローバルスタンダードで生きる。日本では上下関係が重視されがちですが、世界ではそうとは限らない。日本の常識にからめとられないようにしようと考えてきました。練習は世界のスター選手を基準に、勝つためにどうすればいいか考え、メニューを組み立てています」
世界各地で試合が行われるため、語学力も欠かせない。
「英語は特別なものではないと、幼い頃から英語に慣れるようにしてきました。いろいろな土地に行けば、練習環境も変わります。環境の変化も柔軟に楽しんでいけるようにと考えています」
目指すは、テニス世界4大大会、グランドスラムだ。
「アメリカのガウフ選手が15歳の時に、ウインブルドンのワイルドカード(主催者推薦)を手にし、活躍しました。僕らはそこを目標に定めています」と勲さん。「まだ9歳なんだから焦らなくていいと言われることもありますが、15歳をひとつの目安にすると、あと6年しかない。2~3年は海外でプレーすると想定すれば、日本でプレーするあと3年でどこまで伸ばせるか。世界で戦うことを考えると、決して早くないんです」
指導者として厳しさをもって接する勲さんだが、練習が終わるとくつろいだ穏やかな親子関係に戻る。「大好き」と勲さんに抱きつく咲來さん。眠る前には絵本を読んだり、お話をしたりして過ごしてきた。
「ケガをしないためには、精神的な面も大事だと思うんです。こうしてスキンシップをとり、背中や肩に触れることで、身体の強張りにも気づけて、ケガにつながる異常がないかもわかります。眠る前に、『今日も1日楽しかったなぁ』『幸せだったなぁ』と子どもが心に思えると、睡眠の質を上げることにもつながると思います」
将来を考えると、家で家族と過ごせる時間は短い。
「貴重な子ども時代。家に帰れば、肩肘張らずありのままで過ごせるように心を尽くします。家族は一番の安心できる場所でありたい」と勲さんは言う。慶子さんも練習の様子を優しく見守る。
「強くなりたい」と力強く口にする咲來さん。家族の中では9歳の少女らしい笑顔を見せるが、コートに立つとその表情が引き締まる。世界で活躍するテニスプレーヤーを目指して、親子の挑戦は続く。
〈高木咲來(たかき・さくら)〉
2014年、佐賀県生まれ。Team S.C所属。1歳になる前からテニスを始め、4歳で試合に出場。9歳(小学3年生)で12歳以下女子シングルスの九州チャンピオンに。Instagramで日々の様子を発信(team.s.cで検索)。
・第76回九州・⼭⼝⾼校⽣学年別⼩中学⽣テニス⼤会⼩学⽣⼥⼦シングルス 優勝
・福岡県テニス協会2022秋季チャレンジジュニア11歳以下⼥⼦シングルス 優勝
・第41回 全国小学生テニス選手権大会 福岡予選大会2023 優勝
・全国選抜ジュニアテニス選手権 福岡予選大会 12歳以下女子シングルス 優勝
・第50回九州ジュニアテニス選手権大会兼全日本ジュニアテニス選手権'23九州地域予選 12歳以下女子シングルス 優勝
他
ジュニアプロテイン
「アストリション ジュニアプロテイン」は幼児~小中学生におすすめの子供用プロテインです。 国内製造の大豆タンパク原料を100%使用し、3つの無添加(人工甘味料・合成着色料・保存料)だから小さい子供が飲んでも安心。植物由来の甘味料で甘さ控えめの優しい味わいです。 成長期の体づくりをぐんぐんサポートします。