海外では珍しくない、アスリートの投資家としての活動
海外では、トップアスリートが投資家として活動することも珍しくない。現役選手の代表例としてはロサンジェルスレイカーズ(NBA)のレブロンジェームズがあげられる。彼の選手としての年俸は4年で160億円と、破格ではあるものの、彼の投資家としての資産はその比ではない。先日のブリーチャーレポートの記事では、彼が「ビリオネア」、すなわち1000億円以上の資産をもっていることが報じられている。また昨年末にはテニスプレーヤーのロジャー・フェデラーも投資家としての活動が公表された。他には同じテニスプレーヤーのセリーナ・ウィリアムズもVCを立ち上げていることを公表している。
日本では未だ向かい風のアスリートのビジネスへの参画
日本でも、中田英寿や本田圭佑などが投資家として活動を行なっている。しかし、未だアスリートが「副業」に手を出すことに関しては、あまり好意的に捉えられてないないことも事実である。プロチームではSNSでの発信すら禁じられているチームもあるほどだ。
アスリートだからこそできる、ビジネスへの貢献
そもそも、世間の流れとして、投資活動が奨励されている側面がある。企業によるベンチャーへの投資が税金対策になるような法案が成立したり、NISAなどの個人向けの投資奨励制度ができたり、クラウドファンディングなどでも投資型のものが浸透したりと、より多くの人が投資でき、より多くの企業が投資の恩恵を受けられるような仕組みなどが整えられつつある。背景としては、「失われた20年」とも称される、長らく続く経済活動の停滞があげられる。そんな中で、資産家でもあるアスリートが投資活動を行うことは、社会にとってポジティブな影響をもたらすと考えられる。またアスリートの特性が投資家向き、という側面もある。一つは本業で稼ぐことのできる時間が短い、というものである。引退後の資産運用という側面からも、アスリートが投資家として活動することは、アスリートにとってプラスに働きうるものである。もう一つは、アスリートのもつ影響力を活用することができる、というものである。特に現役中であれば、その影響力はより大きく、よりバリューを発揮すると考えられる。だからこそ、現役選手が投資家として活動することがより一般的になっていくことは、経済界にとっても非常に有益な事象となっていくと考えられる。
これからの「アスリート×ビジネス」のあり方
今回紹介されていた、権田、安西共に、サービスへの参加に加え、「出資」という形でも協力しようと考えた旨のコメントが発表されていた。今回投資が発表された「PasYou」というサービス自体も、「ファンのロイヤリティを高める」という点で、セカンドキャリアの問題の解決にもつながっている側面もあるが、なにより「投資家」という方法も、アスリートのセカンドキャリアの問題が深刻化していく中、一つのソリューションになっていくのではないだろうか。
今回のプレスリリースはこちらから「”練習だけしてればいい”とかって古い」安西幸輝の語る新たな選手像
2019年3月にサッカー日本代表に初選出され、同22日のコロンビア戦でデビューを果たし、更に同年9月にはポルトガル1部リーグのポルティモネンセに移籍を果たすなど、2019年を躍進の一年とした安西幸輝。そんな彼だが、プレー面のみならず、多岐にわたる活動を見せている。コロナで試合の実施すらも危ぶまれている今だからこそ、今回は特にプレー面以外の部分について迫った。