海外への挑戦を決めたわけ
―Bellator MMAに挑戦を決意した背景を教えてください。
渡辺:格闘技を始めた頃から、海外で戦いたいという気持ちがありました。
何故かと言うと、柔道時代にオリンピックを目指してやっていたので、最高峰で戦うという目標を下げたくなかったからです。そのため、自分が目指すところは、海外の試合に出て、最高峰の選手たちと戦うことであると思っていました。
RIZINやDEEP JEWELSさんに良くしていただいて、もっと経験を積んで強くなってから海外に挑戦しようと考えていたのですが、コロナ禍になって、格闘技の試合が軒並みなくなってしまい、格闘技は娯楽で不要不急ではないことを感じ、「自分はいつ格闘技ができなくなるかわからない」と思ったので、「今後、海外へのお話をいただいたら絶対に行こう」と決意しました。
「実力をつけてからと考えている暇はないな」と、自分の目標に向かって最短で突き進むことを、1年前の緊急事態宣言で練習ができなくなった時に強く思い、その後にBELLATORさんからお話をいただき、海外の大会に出られるチャンスをいただいたので、「行こう」と決断しました。
―コロナ禍で大会や試合が中止になっていった時の心境を教えてください。
渡辺:「もしかしたらこのまま試合ができないのではないか」とか、「今後どうやって格闘技の試合が再開していくのかな」、「もう大きな大会でできることはなくて、YouTubeで放送だけするような試合の仕方になるのかな」と思い、「怖いな」という気持ちがありました。
―格闘家は終わってしまうのではないかという気持ちがありましたか。
渡辺:そうですね。すごいネガティブになることはありませんでしたが、「このまま格闘技がなくなってしまってもおかしくはない状況だな」と思いました。
―何をモチベーションにしていましたか。
渡辺:私はモチベーションに左右されないタイプで、試合前だから思い詰めることや、はりきることもなく、試合がないからといってやる気が出ない日もないので、常に淡々とできることを増やしていきました。ただ、練習が制限されていたのは嫌だったので、フラストレーションは溜まっていましたね。
次戦に向けての意気込み
―試合が決まった時の心境を教えてください。
渡辺:純粋に嬉しかったですね。1年3ヶ月ぶりに試合をするので、試合が決まったら憂鬱になったり、「練習だけやっていたいな」と思ったりするのかなと心配でしたが、いざ試合が決まった時には、とても嬉しくてワクワクする気持ちが強かったです。
―試合の怖さよりワクワクする気持ちの方が強かったのですね。
渡辺:そうですね。試合は覚悟がいることで、痛いですし、試合が終わった後に怪我をする可能性が高いので、そこに関しては好きなものではないです。でも、苦しいものであるという覚悟は決めているので、楽しみやワクワクの気持ちの方が強いですね。
―試合が決まってから生活は変わりましたか。
渡辺:減量をしているので、食事の制限はしているのですが、練習はあまり変わっていません。一定の時期になると追い込みをする選手が多いと思うのですが、私は追い込みをするタイプではなくて、相手を研究して想定した練習はするのですが、試合前だからといって特別なことをすることはありません。トレーニングは、トレーナーさんに見てもらって、「試合前の期間は、この重量でこの回数」と決めてもらっていますが、練習自体は常に一生懸命淡々とやっていますね。
―今回の減量幅は大きいですか。
渡辺:いつも通りです。私は試合以外で体重が大きく増えることがあまりなく、5,6㎏くらいを長い期間で落としていくので、すごくきついということはあまりないですね。
―もう減量期間は始まっているのですね。
渡辺:そうですね。節制とカロリーコントロールを1月末から始めています。他の選手と比べたら長いですね。
―試合前はピリピリしますか。
渡辺:減量をしていると、身体が弱ってきて、高強度で運動しているのに、摂取カロリーが少なくて枯渇してしまい、疲労感があります。「試合前だからたくさん練習したい」と思いますが、身体が強くはないので、怪我をする可能性があって、調整が難しいなと思っています。そこまでピリピリするとか、イライラするということはありませんが、疲労と減量が大変ですね。
―僕は試合前だとピリピリしていました。
渡辺:私も柔道をやっていた時はそうでした。ピリピリしないと勝てないのではないかと思っていましたね。試合前には、音楽を聴きながら集中して人を寄せ付けないようにしていましたが、今は試合前におしゃべりをするなど、ピリピリすることは少なくなりました。
「待たせすぎたのかもしれません」ファンの方々へ
―リング上で表現したいことはありますか。
渡辺:日本より海外の方が、格闘技が進んでいるので、その中で日本人の強さを見せたいという思いがあります。海外の方が環境も良いですし、トレーニング方法も進んでいて、骨格やフィジカルにも恵まれていますが、日本には日本のストロングポイントがあって、技術的な部分やスタミナ、気持ちの部分で海外に勝てるところを見せたいです。細かいテクニックを練習しているので、その技術を見せて勝って、「強い日本人いるな」とアピールしたいですね。
―本当に勝ってほしいです。
渡辺:日本はレスリングや柔道は強いのに、総合格闘技だけ強くないっておかしいと思っているので、そこを見せられればと思っています。
―RIZINやDEEP JEWELSを背負っている覚悟や思いはありますか。
渡辺:「日本を背負う」というのは大きな意味で言ったのですが、自分を育ててくれたRIZINさんやDEEP JEWELSさんに恩返ししたいですし、自分が戦ってきたリングが世界でも通用することを証明したいです。
海外で試合をした後は、戻ってきて、RIZINやDEEP JEWELSで試合をしたいと思っているので、世界に通用する団体であるということを私が少しでも手伝えたら良いなと思っています。
―待ってくれていたファンサポーターへのコメントをお願いします。
渡辺:「お待たせしました」の一言ですね。Twitterに「待たせすぎたのかもしれません」と書いたら、全裸監督のセリフだったらしくて、みんなから「全裸監督を見ているんですね」ってコメントいただいて、私は見たことがなくて、「何のことかな」と思いました。見ていないのに知ったかぶりのような感じになってしまいましたね。
この1年間、毎日考えて、たくさん練習をしてきた成果を見せて勝つので、期待して応援してください。
「ファンと共に戦う」資金の使い方について
―Twitterを見ると、今回は一緒に戦うチームのような印象を受けました。コスチュームスポンサーや、渡航費スポンサーは法人様だけの募集ではないのですか?
渡辺:そうですね。個人様も受け付けていまして、たくさんご連絡いただきました。コスチュームの方は締め切らせていただいて、渡航費の方も多くの方がご支援くださって、本当にありがたかったです。コロナで2週間隔離があって、出費としては大変ですし、ジムの方も3週間ほど仕事ができなくなってしまうので、その費用に充てさせていただきたいと思ってお願いしました。私自身も1年間試合をしていないので、トレーニング費用などにも充てさせていただきたいと思っています。
―渡辺選手の渡航費も自己負担なのですか。
渡辺:私の分は出ますが、私以外のジムの代表などの仕事が3週間ほどの自主隔離で売り上げがなくなってしまうので、その損失が大きいです。今後、試合を重ねていくとなった時に、まだコロナ禍なので、隔離も続きますし、ジムの代表も「会社が潰れないといいな」と言っていて、そこにもお金を回せていけたらと思っています。自分のお小遣いにする気はまったくなくて、強くなるために使わせていただきたいです。
―練習する場所や、一緒に戦う仲間の分は自己負担であって、BELLATORからいただく渡航費では賄いきれないということですね。
渡辺:そうですね。セコンドを2人まで連れて行けるのですが、お金や営業の問題で難しくなってしまうので、今回は1人しか連れて行けません。
―戦うための費用なのですね。
渡辺:私がいるジムが大きいジムではなく、ジムの代表の上田さん自身が現場に出て稼がないと回らない会社なので、上田さんがいない期間が大きな負担になってしまいます。
渡辺選手が所属するジム (FIGHTER’S FLOW) について
―ジムに通うことも渡辺選手をサポートすることにもなるのですか。
渡辺:そうですね。FIGHTER’S FLOWは、選手が格闘技に専念できるようなシステムにするために始めたジムなので、スタッフも全員格闘家です。「稼がせてあげて、練習時間を増やす」というのが企業理念なので、お客さんが増えると、私を含め多くの格闘家が救われます。
―どこにありますか。
渡辺:高田馬場にあります。
―駅からどのくらいですか。
渡辺:駅から徒歩7分くらいですね。加圧トレーニング、ウエイトトレーニング、格闘技のパーソナルレッスンもやっています。格闘技をやることによって、例えば、「パンチはどれくらい怖いのか」とか、パウンドも簡単そうに見えるのですが、実は難しいということがわかって、より格闘技を見るのが面白くなると思うので、おすすめですね。
―どんな人が通っていますか。
渡辺:入れるのが高校生以上なのですが、女性のダイエット目的の方が多いですね。格闘家の方や、プロアスリートの方はあまりいないので、私のことを知らない方もたくさんいます。男性もダイエット目的の方や、ボディメイクや、健康維持のためにやっている方が多いです。皆さん、身体が変わっていて、すれちがった時に「痩せましたね」と思うことが多いですね。
―渡辺選手もトレーナーをやることがありますか。
渡辺:私はグループレッスンをやっています。4人くらいの少人数で、サーキットトレーニングのようなものを週1回やっていました。
―それに参加することも渡辺選手を応援する一つの方法になるのですね。
渡辺:そうですね。コロナが落ち着いたら、私のグループレッスンを受けに来てくれれば嬉しいです。強度高めなので、ドMな方をお待ちしています。
チームへのメッセージ
―そのチームに対して思うことと、決意をお願いします。
渡辺:今回サポートしていただいた方もそうですし、いつも応援してくださる方、直接関わってくれている仲間や家族がいるから、自分が生かされて、大きな舞台で輝かせていただいています。自分自身の力はそんなになくて、周りの方のおかげで試合ができているので、その感謝の気持ちを伝えるためにも、応援してくださっている方々に元気を与えられる試合をしたいと思っています。
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