“日本のサンボ70”とも言うべき練習環境を構築

2020年4月、木下グループが木下アカデミーの設立を発表した時は、驚かされたフィギュアスケートファン、関係者も多かったことだろう。京都府宇治市に建設された京都アイスアリーナを拠点とし、施設使用料を木下アカデミーが負担し、氷上レッスンだけではなく、バレエ、ピラティスなどの陸上トレーニングも含めて無理のないレッスン代で教わることができる、という条件で全国から有望な若手選手を招き、継続的な強化を行うというものだ。一スポンサー企業の取り組みとしては異例の規模だと言える。

日本のフィギュアスケートの強化策として、長野、野辺山での全国有望新人発掘合宿が大きな成果を上げてきたことは良く知られている。1992年に始まったこの取り組みは多数のトップ選手を輩出する成果を上げてきたが、夏場の合宿期間以外の強化は各地のホームリンクでの練習にゆだねられてきた。当時は世界的に見ても秀逸な取り組みで、オリンピック、世界選手権のメダリストを多数輩出することが出来たのだが、ご承知の通り、近年の女子シングルではロシアが圧倒的な強さを誇っている。かつては日本勢が隆盛を極めた時期もあったのだが、現在は全く歯が立たない状況だ。そのロシア躍進の原動力となったのが、名伯楽、エテリコーチの台頭と、その活動拠点である“サンボ70”。フィギュアスケートだけではなく、数多くの競技の有望選手を集め、文武両道の人材育成を目指す教育機関だ。

木下グループは、2006年のジャパンオープンからスポンサーを務め、同時期にアメリカから日本のスケート連盟に所属を移したキャシー・リード&クリス・リード組の支援を始めたことを皮切りにスケートクラブを立ち上げ、以来、多くのフィギュアスケート選手、特にカップル競技を長年支援してきた。フィギュアスケートに並々ならぬ情熱をそそぐ木下グループは、ロシア勢が圧倒する現状を打破するために、“日本のサンボ70”とも言うべき練習環境を構築することとした。それが木下アカデミーという取り組みだ。

コロナ禍でも若手選手に原動力を「Bloom On Ice」

木下アカデミーには現在、カップル競技の選手も含めて18名が所属している。前述の通り、素晴らしい環境で練習を積んでいる選手達だが、新型コロナ禍の影響は例外なく彼らにも大きくのしかかった。観客の前で演技を披露する機会が極端に減ったのである。昨年は夏場のローカルでの調整試合はほぼすべてが中止。ジュニア選手にとって大きな目標となるジュニアグランプリシリーズも中止。ブロック大会からは開催にこぎつけたが、多くの試合が無観客開催という状況だった。フィギュアスケートというのは表現するスポーツだ。観客の前でパフォーマンスを披露することが練習に向かうモチベーションとなり、若い選手達を成長させるのだ。そこで木下グループは、若手選手達の成果発表の場としての新たなアイスショー、Bloom on Iceを立ち上げることとなった。初回となる今年のBloom on Iceは、4月24,25日、京都アイスアリーナにて開催される。このショーへの意気込みについて、本田ルーカス剛史選手に伺った。

「僕はエキジビションで盛り上げられる選手になることが憧れです。今季はお客さんが入る試合もあまりなかったですし、やはりお客さんがいると気持ちが入ります。ショーっていうのは、試合の緊張感がなくて、お客さんと一体になって、一緒に楽しめるものだと思っているので、Bloom on Iceではできる限り盛り上げて、観ている側もやっている側も楽しくなれるようなショーにしたいと思います」

(C)Koichi Nakamura / Image Works

河辺愛菜選手は、今回のBloom on Iceで新たなプログラムを披露してくれるという。
「今回のエキジビションの曲が、今までやったことがないような静かな曲なんです。今までは強い表現の曲しかやってこなかったので、苦手な部分もあるんですが、こういう表現もできるんだというところをお客さんに見せたいと思います」

このBloom on Iceには木下グループの先輩となる、宮原知子選手、島田高志郎選手、ペアの三浦璃来&木原龍一組も出演する。言うまでもなく国際大会で大きな実績を残しているトップ選手達だ。そして木下アカデミーの若手にも期待の選手が多い。特に注目を浴びそうなのは、既に4回転トウループを降りている島田麻央選手。彼女の母親が浅田真央さんの大ファンだったことでこの名前を付けた、とのエピソードを聞くと隔世の感がある。今年の目標として「全日本ノービスで、4回転2本とトリプルアクセルを決めて優勝したい」と語っているが、その言葉通り、最近の練習での4回転トウループの確率はかなり高いようだ。Bloom on Iceでも見事なジャンプを披露してくれることだろう。

(C)Koichi Nakamura / Image Works

もう一人、トリプルアクセルジャンパーとして期待されるのが吉田陽菜選手だ。来季は4回転トウループの習得と全日本ジュニアの優勝を目標にするという。加えて、来季こそは是非とも国際舞台での活躍を観たいものだ。ジャンプが彼女の大きな魅力であることは間違いないが、木下アカデミーに拠点を移して以降力を入れて取り組んできた、スケーティングの向上にも注目したい。

島田高志郎選手、本田ルーカス剛史選手以外にも有望な男子の若手選手が出演する。中村俊介選手、朝賀俊太朗選手の両名はとても充実した練習ができているようで、来季にも大きな活躍を見せて全く不思議はない。芳岡優希選手も将来性が楽しみだ。日本の若手選手が主体となる今回のショーだが、北京五輪出場を期待される選手もおり、更に4年先のミラノ五輪では、より多くの代表選手の誕生が期待されるメンバーだ。是非今のうちから演技をチェックしたい。

今回のイベントにおいて、スポーツギフティングサービス、“Unlim(アンリム)”を活用し、ライブ配信を実施することも決まった。ライブ配信視聴中は、コメントとギフティングによって配信を盛り上げ、選手を応援することができる。そしてこのUnlimで得られた支援ならびに本イベントのチケット売上は、選手の強化費用や、発表会の場を用意し、ファンに間近で演技を観てもらうための取り組みに活用するという。新型コロナ禍で現地観戦の機会が激減してしまった今、ファンと選手との距離を縮め、そして来年も引き続きBloom on Iceが開催できるように、この取り組みへのご支援をどうかお願いしたい。

【Bloom On Iceのオンライン配信について】

宮原知子ら豪華なゲストと共に、アカデミー生が魅力溢れるプログラムを披露する新設アイスショー「Bloom On Ice」をオンライン配信致します。配信を視聴しながら、コメントやギフティングで画面の向こうの選手に応援を届けることができます。更に、見逃し配信機能で公演配信終了後24時間はいつでも視聴可能です。後日、ギフティング時の応援コメントは出場選手にお送りします。また皆様から贈られたギフティング、ならびにチケットの売上はアカデミーの強化費用と今回のような発表会の場を用意し、ファンに間近で演技を観てもらうための取組の費用として活用されます。

【木下スケートアカデミー創立1周年記念】Bloom On Ice 公演①ライブイベント(4/24 13:00〜) | Unlim Live - スマホ・PCでスポーツ観戦を楽しめるライブギフティングサービス

宮原知子ら豪華なゲストと共に、アカデミー生が魅力溢れるプログラムを披露する新設アイスショー「Bloom On Ice」をオンライン配信致します。配信を視聴しながら、コメントやギフティングで画面の向こうの選手に応援を届けることができます。更に、見逃し配信機能で公演配信終了後24時間はいつでも視聴可能です。オンタイムの予定がつかない方もぜひお買い求めください!(後日、ギフティング時の応援コメントは出場選手にお送りします。また皆様から贈られたギフティングはアカデミーの強化費用として活用されます。)

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▽Unlimでの支援について

皆様から贈られたギフティングは、木下スケートアカデミー生の強化費や、発表会の場を用意し、ファンに間近で演技を観てもらうための取り組みに活用されます。以下のバナーからギフティングすることが可能です。


VictorySportsNews編集部