#力士
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大相撲
荒れなかった春場所―横綱大関不在の中で、改めて歴代最強を考える
大相撲春場所は15日間満員御礼だった一方、横綱照ノ富士が初日から休場し、綱とりに挑んだ大関貴景勝は膝を痛めて途中から休んだ。これにより昭和以降で初めて横綱、大関陣が不在で開催された。優勝力士は関脇の霧馬山。番付的には順当な結果となり、来場所が大関獲りの場所となる。横綱、大関は国技の看板として特別視される力士たち。本場所にいないのは寂しかった。改めて一体、過去にはどんな横綱、大関がいたのか。それぞれの地位で歴代最強と思われる力士を独断と偏見で振り返ってみる。
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オールスポーツ
スポーツ界におけるスポンサー企業の変化 ―アスリートの健康を直接的にサポート
アスリートと企業などとのスポンサー契約にはいろいろと形態があるが、パフォーマンス向上につながる直接的な枠組みも注目が集まっている。陸上男子走り高跳びで日本トップクラスの佐藤凌がけがからの完全復活を目指し、再生医療が特長のクリニックと契約を結んだ。今年はブダペストでの世界選手権、来年はパリ五輪、そして再来年には世界選手権東京大会と大舞台の続く陸上競技。最先端の医療サポートを受けて活躍すれば、選手、スポンサーの双方にとって〝ウィンウィン〟になるとして関心を呼んでいる。
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大相撲
稀代の横綱“白鵬”に相応しい断髪式
大相撲で史上最多45回の優勝を果たした元横綱・白鵬の宮城野親方の引退相撲が1月28日、東京・両国国技館で開催された。断髪式では現役時代の師匠だった間垣親方(元幕内竹葉山)が止めばさみを入れ、力士の「象徴」とも言えるまげと別れを告げた。長らく頂点に君臨し続けた稀代の横綱も、涙をこらえることができなかった。「体の一部がなくなった寂しさがありますね」と、こぼした。2001年九州場所後にまげを結ってから21年あまり。正真正銘、力士生活から離れるという事実を心の底から惜しんだ。
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大相撲
令和五年大相撲初場所展望―土俵だけではない多くの見どころ
大相撲初場所は早くも8日が初日だ。第2日曜日が本場所の初日に設定されているため最速の開幕日。「角界では初場所が終わってからが正月」と言われるように、年末年始もさほど休まずに稽古を重ねた部屋が多い。番付の異状に日本相撲協会を襲った新型コロナウイルス禍、昨年末の幕内逸ノ城らに対する処分なども絡み、テレビ中継からは伝わらない相撲界の変動がある。
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大相撲
一年の締めくくり“大相撲九州場所”を終えて–新しい大相撲のカタチ
2022年最後の大相撲本場所となる九州場所は三つどもえの優勝決定戦の末、西前頭9枚目の阿炎の初制覇で幕を閉じた。混戦の今年を象徴するように、史上初めて3場所連続の平幕優勝。横綱、大関陣が安定感を欠いて番付の重みの低下が目立ち、突然の引退劇の裏には年寄名跡の問題も垣間見える。新型コロナウイルス対策を含め、大相撲界の模索が続く。
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大相撲
2度目の賜杯を抱いた玉鷲から学ぶこと ~大相撲の今
9月の大相撲秋場所は東前頭3枚目の玉鷲が37歳10カ月で優勝した。7月の名古屋場所の逸ノ城に続く平幕制覇で、最近目立つ上位陣の不安定さがまたも露呈した形となった。若手の突き上げ不足も指摘される一方、玉鷲は年齢を感じさせない体の張りと豪快な相撲っぷりで魅了した。幕下で元大関の朝乃山にまさかの黒星がついたことを含め、多角的に見ていくと、現行の年6場所制で最年長記録となったベテランの優勝は示唆に富んでいた。
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大相撲
終息の兆しが見えない第7波と大相撲~一夏で見えたもの
大相撲秋場所の新番付が8月29日に発表される。早いもので今年も残り2場所。特に今夏は角界にとっても新型コロナウイルス禍関連で目まぐるしさに包まれた。7月の名古屋場所では力士が大量に休場し、番付編成に絡み物議を醸した。流行している第7波の中で場所後には久しぶりに巡業が再開され、両国国技館にも変化が見られた。一夏を終えた国技を探った。
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相撲
大相撲裏金問題が終決 ~貴乃花びいきメディアの罪科
大相撲名古屋場所を前に、土俵の裏側で繰り広げられていた戦いに終止符が打たれた。日本相撲協会が元顧問の小林慶彦氏と、同氏が代表取締役を務めるコンサルティング会社を相手取った損害賠償訴訟で、東京地裁は6月8日、元顧問側に9800万円余りの支払いを命じる判決を下した。その後、双方とも控訴せずに終結。6月下旬に確定した相撲協会の勝訴により、〝裏金顧問〟との異名が実情と相違なかったことが証明された。元顧問は法廷の場で、一般社会では通用しなさそうな釈明に終始し、馬脚を現していた。元顧問を相撲協会に招き入れた北の湖前理事長(元横綱)の死後、約4年半に及ぶ法廷闘争を経て、角界の恥部が名実ともに排除された形。新しい時代への一区切りとなった。
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相撲
大相撲夏場所総括~激化する若い部屋持ち親方たちの戦い
大相撲夏場所後に誕生した新十両力士に、新たな潮流が浮かび上がっていた。欧勝馬(鳴戸部屋)と豪ノ山(武隈部屋)はともにそれぞれの部屋で初の関取となった。角界で「資格者」と呼ばれるように、十両に上がってやっと力士として〝一人前〟と見られるようになる。それだけに本人にとっては格段の喜びであると同時に、部屋にとっても実入りが増えるなど単なる一力士の昇進以上の価値がある。師匠同士の競い合いという点からも意義深い昇進劇だった。
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大相撲
東大出身力士の挑戦 ~安定と高給を捨てて飛び込んだ夢の世界
大相撲夏場所は東京大学出身力士の誕生が大きな話題を呼んだ。東大から角界への入門は史上初で、その名は須山(埼玉県出身、木瀬部屋)。そもそも学内でも存在を知らない学生が散見されるという東大相撲部とはどんな部なのか。そこから巣立ってプロの世界に飛び込んだ若者の素顔は?成長ぶりや知られざる部の歴史をひもとき、画期的な出来事の裏側を探った。