競技を始めるにはお金がかかる!? 家族のサポートで「打ち込むことができた」

――スケートボードでは、どういった部分でお金がかかりますか?
堀米 遊びで楽しむ分にはあまりかからないですが、本気でプロを目指すのであればやっぱり遠征費ですかね。あとはボードも板だけで1万円くらいします。世界中のコンテストに参加して結果を残そうと思ったら、そこそこのお金がかかると思います。

――お金の面で大変だと感じたことはありますか?
堀米 僕の場合は家族がすごくサポートしてくれたので、あまりお金のことを心配しなくていいように気遣ってくれていて、スケボーに専念できましたね。

――家族のサポートがなければ、ここまで来られなかった?
堀米 そうですね。パークに行くにもお金はかかるし、ボードをそろえるのにもお金はかかる。常に、家族がサポートしてくれたおかげで、僕はスケボーに打ち込むことができたので感謝しかないですね。

――アスリートに対してファンや一般の方が個人レベルでスポンサードできる「スポーツギフティング(アスリートへの金銭的な支援を行う)」というサービスに参加されるということですが、この取り組みについて選手の立場としてどのような印象を受けますか?
堀米 自分だけではできない取り組みを、ファンや応援してくれる人たちの人たちと一緒に作り上げていくというイメージなのかなと思います。

(C)Unlim

「スケートパークを作りたい」 日本の環境改善が競技の盛況につながる

――堀米選手は、このサービスをどのように利用したいですか?
堀米 もしサポートをしてくれる人がいるなら、僕は日本のスケートパークの環境を良くしたいと思っています。東京にはスケートパークがたくさんありますが、地方のスケートパークは、セクションがちゃんとはそろっていないところがまだまだたくさんある。だから、そういったところに良い環境を作るために、そのお金を使いたいですね。

――スケートパークを整備したいと思う理由は何ですか?
堀米 今、SNSとかで地方のスケーターの動画を見ていると、東京と比べて少しセクションが衰えているところがあると感じています。地方からも上手な子はたくさん出ていますが、もっと良いセクションがあったらもっとうまくなれんじゃないかな。そしたらもっとスケボーも盛り上がってくると思うし、海外に行くことができるスケーターも増えてくるはず。そういった環境になったら良いですね。

――スケートパーク自体がないところもまだありますよね。やりたいけど、やれる環境がないと感じているスケーターも多いはずです。
堀米 そうですね。もともと僕自身がスケートパークを作りたいという夢があります。スケートができる環境を日本中に増やしていきたい。環境が恵まれているアメリカに行ったことで、より強く思うようになりました。日本のスケートの環境を変えていければと思います。

(C)Unlim

――ちなみに、ギフティングされたお金は自分自身のために使いたいとは思わない?
堀米 僕自身、今は本当に環境にも恵まれていてうまく行っている状態なので、もしギフティングをしてくれるのであれば次世代のスケーターたちのために、スケートパークに使ってほしいですね。

――堀米選手はまだ21歳と若いですが、将来的にどんなスケーターになりたいですか?
堀米 やっぱりコンテストで勝つだけのスケーターではなくて、ストリートでもいいパートを残せるようにしたいです。両方できるのがカッコいい。なのでそう思われるスケーターになりたいです。

堀米選手を応援しよう

現在、アメリカを中心に活動する堀米雄斗は、日本のスケートシーンを盛り上げるためには環境の改善が必要と考える。そのためにも自身でスケートパークを作りたいと願う。その願いをかなえるため、スポーツギフティングサービス「Unlim」を利用しようと考えているようだ。下のバナーから応援することができる。

【前編】「出るからには金メダルを狙う」スケートボード堀米雄斗が語る決意

スケートボードの最前線と言われるアメリカを拠点とする堀米雄斗は、地元開催となる東京五輪で頂点に立つべく才能に磨きをかけている。その才能はどうやって生まれ、どう伸ばしてきたのだろうか。日本での日々、アメリカでの生活を振り返りながら、その秘密を探ってみる。 文=原山裕平 写真=松岡健三郎

堀米雄斗にとってスケートボードは“遊び”? 「楽しんで勝つ人がリスペクトされる」醍醐味

東京2020オリンピックで新たに採用される競技の一つ、スケートボードは、ストリートカルチャーから生まれた文字どおり“新しい”タイプの競技だ。そんな新競技でメダルの期待がかかっているのが、20歳になったばかりの堀米雄斗選手。世界のトップスケーターが集うストリートリーグ で3連勝を飾り、日本人として初めて最終戦スーパークラウンに進出した堀米選手に話を聞いた。(取材・構成=大塚一樹、取材協力=XFLAG)

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VictorySportsNews編集部