2019年まで鹿島アントラーズに所属した安西幸輝と鈴木優磨は、次世代における日本代表の中核を担うべくヨーロッパに活躍の場を求めた。Vol.3は、コロナ禍のベルギー・ポルトガルの対応、特に3月の欧州で爆発的にコロナが流行した時期の様子を語った。

「警察が家に見回りに」コロナ禍での海外の対応について

ー新型コロナウイルスの世界的な流行するなかで、どのように過ごしていましたか?

鈴木 僕はリーグが中止になって、帰国していました。帰国前はヨーロッパほどの影響はないって聞いていましたが、帰ってみたら全然人も歩いていなくて深刻なのは伝わってきて、思っていた以上にショックでした。

ー対応にベルギーとの違いは感じましたか?

鈴木 まずベルギーは、マスクをつけるという文化がないんですよね。マスクをつけて歩いている人がいない。練習も早めになくなり早い段階で外出禁止になったので、僕はほぼ外出していません。その他にも複数人で家にいないようにとか、いろいろな対策がありました。2~3カ月くらい前に警察が家に来て、複数人でいないかを確認していきました。日本では法律的にそこまで縛ることができないじゃないですか。本当はそうしたいんだろうけど、できないのも仕方ないなって思っていました。

ー警察が一軒一軒を見回るくらい厳しかったんですね。

鈴木 徹底はすごいですよ。ヨーロッパのコロナに対する徹底ぶりは強かった。こっちは法律的な拘束力も強いですからね。

安西 先にポルトガルのリーグが延期になって、ベルギーもすぐその後に中断になったんだよな。ポルトガルも早く対処していて、すぐに街から人がいなくなりスーパー以外の外出は禁止になりました。市町村間の移動も禁止され、検問していましたね。日本の状況は親であったりニュースであったり、帰国した優磨であったりから聞いていました。流行はヨーロッパのほうがすごかったせいか、比較的に早く対応していましたね。

日本と海外の対応の差

ー海外にいた立場から日本の状況を見て、どんなことを感じましたか?

安西 3月くらいに、花見をしている人がいるというのを知りました。こっちに住んでいたら、そんなことは考えられないことでびっくりしましたね。とはいえ、日本の対応も早かったように感じます。それに全員の意識が高いから、特別に日本を心配するようなことはありませんでした。

鈴木 日本人は、やっぱり状況を理解するのが早いよね。こっちは拘束力がないと、絶対にできない。日本人のほうが、自分で判断して考えられる能力が高いと思います。それでも怖さはありましたね。こっちがどれだけ深刻かを知っていたので、日本もこうなるのかという怖さがありました。ヨーロッパでは練習もなくなっているのに、日本ではまだ無観客で練習試合をしているような状況でした。それはまずいんじゃないかって不安になりました。当時、日本にいる家族とかはそこまで深刻に思っていなくて気持ちも緩んでいたので、こっちの状況を伝えてちゃんとしたほうが良いとは言っていましたね。

ーリーグが中断になった後、トレーニングはどうしていましたか?

鈴木 チームから毎日メニューが渡されて、個人で走ったりしていました。スーパー以外はレストランとかもやっていなかったので、スーパーで食料を買って食事をしていました。ストレスが溜まる状況でしたね。

安西 チームから家でできるフィットネスバイクをひとり1台支給され、ZOOMを使ってチームのメニューをやっていました。食事に関しては、ホテルの人が朝昼晩と部屋まで持ってきてくれて食べていました。本当にサッカーがなかったら、ただのニートになってしまうところでした(笑)。

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VictorySportsNews編集部