ダンサーVSアイドル

我孫子「安達さんは24歳と伺いましたけど、たとえば小学生とか中学生の頃に、憧れた女の人、モデルでもアイドルでも、どんな人でした」

安達「もうAKB全盛期でしたね」

我孫子「前田敦子さんとか大島さんとかそこら辺の?」

安達「小学校の時はそうですね」

我孫子「その時からアイドルに憧れたりしてたの?」

安達「全然(笑)。それこそ、スカートなんて絶対はきたくない派でした。母親が女の子っぽい恰好をさせたがったんですけど、全部拒否でしたね。スカートも嫌だし、髪も結びたくない。とにかく、ボーイッシュが好き。なんかそういうのもあってダンサーに憧れて」

我孫子「へえー。どんなジャンルのダンスが好きだったの?」

安達「ニュージャックスイングとか、TLCとか」

我孫子「いわゆるブラックミュージックにあわせて踊るヒップホップとかにハマったんだね。それこそファッションも、オーバーサイズでダボダボみたいな」

安達「XXXLとか」

我孫子「ステューシーとか」

安達「めちゃくちゃ流行ってました」

我孫子「お母さんが進める〈スカート〉を履いた女性像とは全然違いますね(笑)」

安達「でも今はスカートも履くアイドルをやらせてもらってるっていう(笑)」

ゴリゴリのストリート女子

我孫子「実際にダンスもやってたの?」

安達「はい。高校生くらいまで、それこそヒップホップダンス」

我孫子「踊るときのお気に入りのスニーカーは?」

安達「(エア)ジョーダン7です」

我孫子「小学生でジョーダン!! ヤバッ(笑)。その頃って、もう『Bガール』って言葉もあった?」

安達「ありました、ありました」

我孫子「じゃあ、自分が『Bガールなんだ』って意識もあったの?」

安達「けっこう照れ屋だったんで、アピールするようなことはなかったです。中学生になった頃には、シュプ(リーム)を着てました」

我孫子「確かに2015年頃から、ストリートのカテゴリーでない女性もシュプリームのキャップを中心に着はじめたんだけど、それとは違う、ゴリゴリのストリート女子だったんだね」

安達「はい。ちょうど、福岡の事務所の近くにシュプの店舗があって」

我孫子「シュプリームを、オーバーサイズで着てたの?」

安達「トップスだけは(笑)。母に『もういい加減に、ぶかぶかはやめて』みたいにお願いされて。シュプのボックスのパーカーとかで、パンツはデニムのスキニーが多かったです」

我孫子「スニーカーは?」

安達「中学生のときに、初めて(ナイキの)iDを作りました」

我孫子「周りでは、何が一番盛り上がっていましたか」

安達「ポンプ(フューリー/リーボック)ですかねえ」

我孫子「えっ! 九州ではそうだったんですか」

安達「いや、九州っていうより、私が通っていたスクール限定かもしれないです。ダンスの先生が履いてて」

ダンスとバッシュ

安達「ダンスを始めたときから、みんなバッシュだったので、私も(エア)ジョーダン
なんですけど。どうしてストリートダンスって、バッシュなんだろう」

我孫子「ヒップホップの流れじゃないかな」

安達「ラッパーとダンサーって、ファッションがおんなじですもんね」

我孫子「1973年にリリースされたプーマのクライドってバッシュがあって。バスケットボール選手のウォルト・クライド・フレイジャーのシグネチャーモデルで、ローカットでスウェード素材、外ハネという、今でいうクラシックなド定番モデル。
このバッシュの後継モデルであるスウェードってモデルが、ブレイクダンサーたちに愛されて。ジャージーのセットアップに、バケットハットみたいなオールドスクールなスタイルで、Run-D.M.Cのスタイルがわかりやすいかな。つまり、ヒップホップカルチャーとバッシュというのは、黎明期から親和性が高かったんです。実際、ジョーダンって踊りやすい?」

安達「踊りやすいですね。滑らないし、クッション性もあるし」

我孫子「ちなみに、安達さんは、最初にお小遣いとか、バイトした自分のお金で買ったスニーカーは、やっぱりバッシュなの?」

安達「ジョーダン7です」

我孫子「えっ、小学生のとき!」

安達「違います、違います。高校生になってから、やっぱり、あの形好きだなと思って、買いました。小学生以来ですね、履いたの。やっぱり、踊りやすかった」


安達葵紬 あだちあおぎ
1999年3月4日, 長崎県生まれ. 二人組ユニット「カノサレ」のメンバーとしての活動を中心にモデル, 舞台などで幅広く活躍している.西日本鉄道株式会社のCM「空気イス女子高生」では高い身体能力を発揮. 映画『なつやすみの巨匠』(2015), 『ファンファーレ』(2023)では, 名だたる出演者のなかにありながら独特の存在感を放っている.

【Dispatch 8】に続く

VictorySportsNews編集部