まず1月12日から2月10日にかけてアジアカップが開催されます。1月1日に発表されたメンバーについてはいろいろな意見があるかと思いますが、僕の考えとしては誰が入っていても関係ありません。彼らは「日本代表」なのです。

 アジアカップはワールドカップ以外では日本が出場する一番大きな大会になります。決勝まで進めば約1カ月の間に7試合というハードスケジュールですが、いいワールドカップの予行演習になります。

 まだ代表経験の浅い選手にとってみれば、大きな緊張感もあり、自分を成長させる絶好のチャンスです。競争意識高く臨んでほしいと思いますし、どんなメンバーであったとしても優勝という目標に達してほしいと思います。

 日本はアジアカップで優勝したことが4回あります。最初は1992年広島大会で、このときは森保一監督が選手として出場していました。2回目は2000年レバノン大会、3回目は2004年中国大会、そして前回優勝したのは2011年カタール大会です。

 2015年オーストラリアでは準々決勝でUAEを圧倒したもののゴールが奪えず、PK戦で敗退しました。その結果、当時は収賄疑惑があったハビエル・アギーレ監督が交代することになりました。2019年UAE大会は森保監督の下、順調に決勝まで勝ち上がりましたが、カタールに1-3と敗れて涙を呑みました。

 森保監督にとっても前回の雪辱を果たす絶好のチャンスです。まずはここで優勝して、2024年を華やかなスタートで飾ってほしいと思います。

 そして、2月と4月は女子と男子のパリ五輪予選があります。女子はアジア2次予選で、最終予選でのオーストラリアとの対戦を避けるように調整し、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)との試合を選びました。ただし、北朝鮮も決して侮れる相手ではありません。

 それでもここで負けたら2次予選での戦略が無駄になります。2023年のオーストラリア・ニュージーランド女子ワールドカップで将来性を感じさせてくれたチームならば、確実に本大会に出場してくれるはずです。そして本大会ではワールドカップのときよりもさらに進化した姿を見せてほしいと思います。

 男子は通常なら1月に開催されていた予選がアジアカップの関係で4月になったこともあり、Jリーグの真っ最中に選手がチームを離れることになります。また、4月の予選時はインターナショナルマッチデーでないため、海外組を呼び戻すことは難しいと思います。

 ですが、これまでも五輪予選はいろいろと難しい条件の中、本大会に出場してきました。今回も必ず出場しなければなりません。きっと予選はタフな試合になるでしょうが、五輪に出場することはこのチームにとって大前提です。

 予選が終わると2カ月後には本大会が開催されるため、スケジュール調整なども難しくなるでしょう。本大会でも海外組の招集は難しいかもしれません。ですが、パリでも活躍を見せて2026年アメリカ・カナダ・メキシコワールドカップ・アジア予選、そして本大会のメンバー入りにつなげてほしいと思います。

 そしてJリーグは、J1からJ3までが20チームずつに編成し直された最初の年になります。2023年はヴィッセル神戸の初優勝で終わりましたが、今年もまた新しいチームが躍進してリーグを盛り上げてほしいと思います。

 2023年まではリーグ戦の2位までと天皇杯優勝チームがアジアチャンピオンズリーグ(ACL)の本大会から、リーグ戦3位がプレーオフから出場することになっていました。ですが2024年からACLの大会方式が変わったため、リーグ戦の1位、天皇杯優勝チーム、リーグ戦2位の順でアジアチャンピオンズリーグエリート(ACLE)に、リーグ戦3位はアジアチャンピオンズリーグ2(ACL2)に出場することになります。

 つまりこれまではリーグ戦3位もACLに出場できる可能性があったのですが、今後は別大会に出場するため、よりリーグ戦の順位争いが厳しくなるはずです。また、2024年のJリーグは、J1もJ2も入れ替え戦がなくなり下位3チームは自動降格になります。これまでよりも残留争いは激しさを増すでしょう。

 前回のコラムでも書きましたが、2023年のJ1昇格プレーオフ、東京ヴェルディvs清水エスパルスは、J2同士の対決だったのですが5万を超える大観衆で国立競技場が埋まりました。一発勝負でJ1とJ2が決まるという状況も多くの人を引きつけたのでしょうが、試合内容もピリピリしたもので、最後の最後に東京Vが追いつくという劇的な展開でもありました。

 この観客数を見ても、サッカーファンは大勢いるというのが分かります。だったら日頃のリーグ戦でも、もっとたくさんの観客が来てもおかしくないのです。現在、Jリーグの試合はDAZNが配信していますが、地上波がもっと放送したいと思うような魅力的なコンテンツになっていくことが必要です。

 はたしてあのプレーオフのような緊迫した試合をどれだけすることができるのか。そしてあれだけ盛り上がった2023年のJリーグを超えるだけの観客を集められるのか。今年のJリーグに期待しています。



前園真聖

鹿児島実業高校からJリーグ・横浜フリューゲルスに入団。アトランタオリンピック本大会では、チームのキャプテンとしてブラジルを破る「マイアミの奇跡」に貢献。その後日本だけでなくブラジル、韓国などの海外クラブでもプレーし、2005年に現役引退。現在は、サッカー解説などメディアに出演しながらも、サッカースクールや講演を中心に全国の子供たちにサッカーの楽しさや経験を伝えるための活動をしている。