3月18日は「睡眠の日」

 3月18日には「睡眠の日」ということで企画された同イベント。千葉・幕張の会場に子供11人が参加した。エマ・スリープはドイツの企業ということで、過去にドイツ・ブンデスリーガのチームに所属したことのある岩渕さんと水谷さんが今回出席した。岩渕さんは昨年現役を引退し、現在はサッカー教室やイベントに出たり、試合の解説やテレビ番組のMCとして活躍している。水谷さんも東京オリンピックで引退し、その後はイベントや試合の解説、ワイドショーからバラエティまでテレビ番組にも日々出演するなど引っ張りだこだ。

 トークイベントの冒頭、岩渕さんは「実は最近引っ越してマットレスを探している時に(エマ・スリープの)製品を見つけて、有楽町にある店舗に行って購入しました。その3日後に今回の話をいただいた」と明かし、さらに「睡眠の日は私の誕生日。運命的ですね」と笑った。一方、ドイツに5年住んだという水谷さんも「僕の一番の仲の良いドイツ人の友人の娘の名前がエマでした。(このイベントは)運命かもしれません」とニヤリと披露するも、司会者から「それネタじゃないですか」とツッコまれていた。

 イベントのテーマである睡眠。アスリートのパフォーマンスにおいて、睡眠を重要視するアスリートは少なくない。例えば、メジャーリーグを代表する選手である大谷翔平は、睡眠時間を10時間はとっていると言われており、昼寝も取るという。最近も、メジャー開幕戦のために韓国へ移動した時、飛行機の中で大谷が11時間寝ていたことをドジャースのロバーツ監督によって明かされている。また、NBAで39歳でなお活躍する“キング”レブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)は過去に、ポッドキャストの番組内で10時間睡眠をとることもあると明かし、睡眠環境のこだわりを話している。

卓球選手は練習の合間に昼寝をとるのが当たり前

 水谷さんもやはり睡眠時間を重視している。そして卓球選手の一般的な睡眠の取り方を教えてくれた。

 「卓球では必ず昼寝をする。基本的に昼寝は15分、20分とか短い時間が体に良い影響を及ぼすと言われている。ただ、僕は1時間半、2時間近くしちゃうタイプ。午後の練習を頑張るためには、それぐらい寝ないと体力が回復しない。夜は7、8時間は寝ていたので、現役時代は1日10時間ぐらい寝てました。卓球選手って皆そんな感じです。この話を他競技の人にすると驚かれますね」

 一方、岩渕さんは「サッカーで合宿とかだと、朝起きて食事して寝て、練習の準備をした後にまた昼に寝るという感じで、寝てる人は多いと思います。(睡眠は疲れが取れる?)そうですね」と答えた。

 水谷さんは青森山田中学、高校時代から規則正しい生活を求められたこともあって「睡眠をしっかりとりながら練習をしてきました」という。岩渕さんは中学から女子サッカークラブの名門の日テレベレーザ(現日テレ・東京ヴェルディベレーザ)の下部組織メニーナに所属し、遠方からよみうりランドにある練習場まで通っていたこともあり、「練習に行って家に帰ってくるのが夜10時半とか。あんまり寝てなくて、授業中に寝てました」と当時を振り返っていた。

子供たちが笑顔に 岩渕さんによるサッカー教室

 トークイベントが20分ほどで終わった後、岩渕さんによる子供たち向けのサッカー教室が行われ、なんと水谷さんも一緒に参加した。

©︎Emma Sleep スポーツキャンプ 2024

 参加者が小学校1年生から6年生の男女11人で、サッカー未経験者もいることもあって、岩渕さんが飽きないように工夫しながら楽しめる練習メニューを作って、子供たちが一生懸命取り組んでいた。最後は岩渕さんと水谷さんと子供たちを2チームに分かれてミニゲームを実施。子供たちの中には見事なボール回しを見せて、鋭いシュートを放って岩渕さんを驚かせていた。また、「こんなにサッカーをやったの初めて」という水谷さんも、サッカーどころ静岡県出身だけあって、途中から足の裏を使ったドリブルで子供たちを抜いたり、自陣ゴール前で子供たちのシュートを全力で止めるなど、盛り上げに一役買っていた。

 イベントに参加した神奈川県大和市の上原瑛茉さん(小2)は、なでしこジャパンのユニフォームを着て、サッカー教室で見事な技術を見せて岩渕さんから何度も褒められていた。「楽しかった」と恥ずかしそうに感想を述べた。お母さんによると、いつも岩渕さんのプレーをYouTube動画で見ているそうだ。

 イベント終了後の囲み対応で、岩渕さんは「子供たちのこういったイベントは、私たちも元気をもらえる。私が澤(穂希)さんたちを見て育った様に、アスリートと関わることで目標も見えると思うので良かったと思う。睡眠とスポーツを掛けたイベントってなかなかないので、新しい経験になった」と話した。

岩渕さん「どこでも寝られるタイプ(笑)」

 今年はパリオリンピックがあるが、選手村での睡眠について問われると水谷さんは「自分に支給されたマットレスを持っていってた。海外のベッドは柔らかいことが多い。腰を痛くなるので硬いマットレスを好んで持っていった。睡眠が本当にパフォーマンスに大きく影響するので、遠征の時は枕やマットレスを大事にしていた」と話す一方、岩渕さんは「こだわりが無くて…どこでも寝られるタイプでした」と苦笑いしていた。

 睡眠での失敗談について問うと、水谷さんは「オリンピックの半年前の大事な試合で、寝違えて棄権したことありますね。結構首を痛めることが多かった。ヨーロッパで毎週のように試合があって、毎週違う環境で寝ないといけなかったので、そういう反省と経験をくりかえしながら少しずつ改善していった。それで大きな大会ではいつもベストなパフォーマンスを出せていた。(睡眠の)サプリメントとかも飲んでいましたし。寝る2時間前にお風呂入るとか、スマホを見ないとか色んな準備してましたね」と言った一方で、岩渕さんは「本当に(睡眠のこだわりが)無い(笑)。試合前でも移動のバスとかでも30分あったら座席で寝ていた」といえば、水谷さんから「バスで寝たら首が痛くならないですか?」と聞かれて「全然大丈夫です。あ、寝違えてヘディングが痛いことはありましたけど、棄権するわけにもいかないのでサッカーは」と笑いを誘っていた。


大塚淳史

スポーツ報知、中国・上海移住後、日本人向け無料誌、中国メディア日本語版、繊維業界紙上海支局に勤務し、帰国後、日刊工業新聞を経てフリーに。スポーツ、芸能、経済など取材。